http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/106.html
Tweet |
役立たずの「情報監視審査会」 古賀茂明「日本再生に挑む」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42791
2015.04.11 週刊現代 :現代ビジネス
「総理、もし、その情報が間違っていたらどうするんですか」
「アメリカのCIAの情報だ。大丈夫だろう」
「でも、万が一、後で間違いだとわかったら、大変なことになりますよ」
「大丈夫だよ。これは特定秘密だからね。当分は開示されない」
「でも、国会の情報監視審査会で審査されたら、とても持たないですよ」
「大丈夫、国の安全保障に著しい支障を及ぼすと言えば、提示を拒否できるじゃないか」
「審査会が特定秘密の解除を勧告してくるかもしれません」
「それも大丈夫。その時のために、勧告には従わなくても良いということにしてあるんだ」
この会話に出てくる「情報監視審査会」。聞きなれない言葉だと思う方も多いだろう。
'13年秋の臨時国会で特定秘密保護法が制定される際には大きな反対運動が展開され、国民の関心を集めた。その後1年を経て、'14年12月に同法が施行される時には衆議院選挙の最中ということもあり、マスコミの取り扱いも反対運動も盛り上がりに欠けたままとなってしまった。
一方、法律そのものの問題点以外にも、実は、法施行に関する重大な欠陥があったことはあまり知られていなかった。
特定秘密保護法に関連して、特定秘密に関する政府の運用状況を国会が監視する常設機関として衆参両院に「情報監視審査会」を設置することになっている。したがって、同法施行直後には、各議院の所属議員が審査会の委員になってその監視活動をはじめていなければならなかったはずだ。
それなのに、衆参両院の「情報監視審査会」が初会合を開いたのは、3月30日。つまり、あれだけ「政府の恣意的な運用を防止するために、国会による監視が絶対に必要だ」と大騒ぎしていたのに、国会による監視の仕組みがないまま、4ヵ月近くの間、特定秘密がどんどん指定されていたことになる。
マスコミも、この法律の問題点としてチェック機能が弱いという点を一貫して批判していたのに、何故かおとなしかった。
審査会は、国会側が必要だと判断した特定秘密を国会に出せと要求できる。また、政府の運用が恣意的・不適切だと判断すれば、指定解除などを政府に勧告することもできる。こう言えば、立派な機関のように聞こえるが、実際はまったく違う。
なぜなら、審査会の勧告に政府側が従う義務がない。また、政府は国の安全保障に著しい支障を及ぼす情報の提示を拒否できる。つまり、政府の方が国会よりも強い力を持っているのだ。
しかも、監視審査会の会長は衆議院側が額賀福志郎氏(自民党)、参議院側が金子原二郎氏(自民党)。衆参それぞれの委員8人のうち、与党が衆議院で6人、参議院で5人だから、審査会の運営は与党ペースになる。
審査会では、これから具体的な審査ルールづくりを始めるという。どこまでも、「なくても全く困らない」と言っているようなのんびりした対応ではないか。
今後、国家安全保障会議で冒頭のようなやりとりがなされて、日本が中東で戦争を始める日も結構近いのかもしれない。しかも、国民は、それをまったく知らされないままに。
『週刊現代』2015年4月18日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK183掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。