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中国とパイプの太い福田元首相が「AIIB拒否」を批判 photo Getty Images
AIIBで、日本が中国の「一人勝ち」を回避するチャンスとは?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42857
2015年04月11日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
前回に続いてアジアインフラ投資銀行(AIIB)について――。
中国主導で設立されるAIIBの創設メンバー国になることを見送ったのは、参加申請期限の3月31日時点で主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)構成国では日本、米国、そしてカナダであった。
今週になってイランとアラブ首長国連邦(UAE)が新たに参加を表明、AIIB参加国・地域は50ヵ国を越えた。そして日本以上に「対米追随」とされるカナダも参加する意向だという。
■日米の大物が「AIIB不参加への批判」を公言
注目すべきは、日中財務対話が6月上旬に北京で開催されることが明らかになった4月6日、まさにこのタイミングを見計らっていたかのように福田康夫元首相が明治大学で開かれたシンポジウムで講演し、「先進国として拒否する理由はない。(拒否すれば)途上国いじめになるかもしれない。基本的には賛成せざるを得ない案件だ」と述べ、AIIB参加を検討すべきだという認識を示したことである。
そしてほぼ同じ頃の5日午後(米国東部時間・日本時間6日未明)、ローレンス・サマーズ元米財務長官(ハーバード大学教授)がブログに「(AIIBについて)過去数ヵ月は、米国が世界経済システムの保証人としての役割を失った節目と記憶されるかもしれない」と書き、事実上、米国の不参加を「失敗」と位置付けた。
それだけではない。サマーズ氏はその中で「中国のAIIB設立努力と、米国による同盟国説得失敗が重なった。ブレトンウッズ体制(第2次大戦後、国際通貨基金=IMFを設立するなど米国主導の金融秩序)確立以降、これほどの出来事はなかった」と断じているのだ。
さらにジム・ヨン・キム世界銀行総裁も6日(現地時間)、ワシントン市内で講演し、「(AIIBが)必要なのは疑いがない。喜んで提携していく」と述べ、世界銀行が設立と運営に協力する意向を明らかにしている。
サマーズ氏が言う不参加説得に失敗した米国の同盟国は、欧州の英国を筆頭に東アジアの韓国、大洋州のオーストラリア、中東のサウジアラビア、そして台湾までに及んだ。G7サミット・メンバーでは英国、ドイツ、フランス、イタリア、BRICsの中国、ロシア、インド、ブラジル、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟のベトナム、インドネシアなど10ヵ国すべて――である。今後はアフリカの主要国の参加も見込まれている。
■6月の「日中財務対話」がカギ
こうした中で日本と中国の財政当局が経済・財政問題で意見交換する場である「日中財務対話」が6月6日前後に北京で開催される。日中関係の悪化に伴い、2012年4月以降途絶えていた。麻生太郎副総理・財務相以下、山崎達雄財務官、淺川雅嗣国際局長の他に田中一穂主計局長、佐藤慎一主税局長など「内政」担当幹部も訪中する。オール財務省の揃い踏みである。
中国側は楼継偉財政相以下、張少春、朱光耀財政次官ら対応するが、日本側が改めて年末に発足するAIIBの運営の透明性と融資審査の公平性を求めた際にどのような説明を行うのかに関心が集っている。
中国が資本金1000億ドル(約12兆円)の過半を出資し、本部を北京に設置、そして初代総裁に金立群・元財政次官(元アジア開発銀行=ADB副総裁)が有力視される現在、巨額な需要が見込まれるアジアのインフラ・ビジネス金融を中国が”一人勝ち”するのではないかとの危惧があるのは事実だ。「中国による中国のためのアジア投資銀」と言われる所以である。
だが、「バスに乗り遅れまい」とする各国が競ってAIIB参加を決めたのもまた間違いない事実である。絶好のビジネス・チャンスと見る欧州の主要国、インフラ整備にチャイナマネーを期待する東南アジアと中央アジア、そして米中のパワー・バランスに乗る中東諸国。
中国はそうした「現世のご利益」を求める各国の思惑を尻目に、中国からアジアを経て中東・欧州、そしてアフリカに向けた陸と海を結ぶ「新シルクロード構想」(=新経済圏構築)をブチ上げたのだ。日本は、単なる「嫌中」だけで参加、不参加を決めてはならない。
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