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「翁長知事がキャッチボールの相手として選んだのは決して安倍政権ではありません。:深草 徹氏」
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2015/4/8 晴耕雨読
「沖縄は全国の面積の0.6%に74%の米軍専用施設がおかれ、日本の安全保障を支えてきた自負、無念さがあります。」
翁長知事は、5日の菅官房長官との会談の冒頭、こう切り出しました。
簡潔な表現ではありますが、寸鉄人をさす、沖縄の人たちの無念さが心にぐさりと突き刺さる語りかけでした。
「昨年の暮れ、今年の正月、長官はどんなに多忙であったか分かりませんが、こういう形でお話させて頂きたかった。」と翁長知事。
市長選、前知事変節後の市議選、県知事選、衆院選と、地元の民意は辺野古移設反対でした。
安倍首相や菅官房長官にとって翁長知事と面談することは喫緊の課題だった筈です。
「普天間基地も、それ以外の基地も、・・・県民を収容所に入れてそこにいないうちに、あるいはいるところでは『銃剣とブルドーザー』で土地を奪って基地に変わったのです。全て強制接収されたわけです。」と翁長知事。
52年4月、本土が「独立」した頃、沖縄は米軍の銃剣に忍従を強いられたのです。
「自ら奪って県民に苦しみを与えておいて、そして普天間基地は世界一危険だから、その危険性除去のために沖縄が負担しろ、おまえたち代替案を持っているのかと。・・・こういった話をすること自体、日本の政治の堕落ではないのか。」翁長知事はこう語りかけました。
そうですね。
日本の政治の堕落です。
「沖縄は27年間、日本の独立とひきかえに米軍の軍政下に差し出されて、その間、日本は高度成長を謳歌しました。官房長官と私は同じ法政大学ですが、私は22歳まで、パスポートを持って、ドルで送金を受けました。」
こう述べる翁長知事の視線は菅氏を貫いて、私たち本土の国民に向けられています。
「米軍の軍政下でキャラウェイ高等弁務官が『沖縄の自治は神話だ』と言いました。官房長官から『粛々』という言葉が何度も出てくると、キャラウェイ高等弁務官の姿と重なるような感じがします。」
きっと今は、安倍政権こそが米国の前面に立ち、軍政下の権力を行使していると言っていいのでしょう。
「私は米軍も、もう少し遠いところに行きたがっているのに、日本の方が『抑止力』ということで引き止めているのではないか(と思います)。」
まさにそのとおりなのです。
04年4月27日、元米国駐日大使モンデールは、在沖海兵隊撤退や米軍基地縮小を阻んだのは日本政府であったことを暴露しました。
翁長知事がキャッチボールの相手として選んだのは決して安倍政権ではありません。
私たち本土の国民です。
私たちは、これをしっかりと受けとめ、好返球をしなければなりません。
まずは辺野古新基地建設反対の世論を喚起すること。
沖縄に海兵隊駐留は不要であることは既に米国が認めたことですから。
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