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「下村博文 公式WEB〜教育再生。日本創生。〜」より
戦前回帰の検定強行! 下村文科相が「東日本大震災は愛国心を失った日本への天からのお告げ」発言
http://lite-ra.com/2015/04/post-1008.html
2015.04.08. リテラ
いよいよ、安倍政権による愛国強制教育が具体化し始めた。文部科学省は先日の中学校教科書検定で、「政府見解や確定判例を確実に反映させる」という新基準を厳格適用。社会の教科書では領土問題の記述が倍増し、過去の戦争犯罪の修正を命じられる事例が続出した。
たとえば、関東大震災時の朝鮮人虐殺の犠牲者数について、「数千人」としたある教科書の当記述が「当時の司法省は230名あまりと発表した。数千人になるとも言われるが、人数に通説はない」と改められた。
アイヌ差別をめぐる記述も「アイヌの人々の土地を取り上げ」の記述が「政府はアイヌの人々に土地をあたえて、農業中心の生活に変えようとした」と、恩恵を施したような表現に書き換えられた。
まさに戦後の平和教育を否定し、国家の一方的主張を押し付ける戦前並みの国民教育がスタートしたといえるだろう。
しかも、彼らが狙っているのはたんに日本の戦争犯罪の隠蔽だけではない。検定の新基準では、愛国心を養うことを盛り込んだ改正教育基本法の教育目標などに照らして、文科省が不合格にできることにもなった。教育を通じて、彼らが最終的に狙っているのは「国のために命を投げ出せる人間づくり」なのだ。
そのことは、安倍首相とともに愛国教育を推進し、この戦前回帰の教科書検定を実行した下村博文文部科学相の発言を見れば明らかだ。
下村文科相といえば、偽装政治団体によるヤミ献金疑惑が持ち上がりながら、文科相の椅子に居座り続けているが、その下村が東日本大震災が起きた2011年の終戦記念日、8月15日に、自分の公式ブログでとんでもなく恐ろしい主張を展開していたことがわかった。
このブログは、現在、削除されているが、「靖国神社参拝」というタイトルがつけられており、歴代総理大臣が靖国参拝をしないことへの批判がテーマのようだ。ところが、のっけからこんな台詞が登場する。
〈私にとって3・11は「早く戦後レジュームから脱却しろ」という天からのお告げだったと受けとめている。〉
そのうえで、小泉首相が現職総理として唯一参拝したことに触れながら、小泉首相が「心ならずも」と発言したことをもちだし、強引に3.11と対比し始めるのだ。
〈しかしその小泉総理も「心ならずも戦地で亡くなった英霊」と表現していた。私はそれが心のどこかで引っかかっていたが、3.11でそうではないと得心した。
福島第一原発の事故の時、決死の覚悟で放水活動に向かった消防士のもとへ「日本の救世主になってください」とメールを送った奥さん。南三陸町で津波が来る瞬間まで「避難してください」と防災無線を担当していた25才の女性。
彼らは「心ならずの」の(原文ママ)行動だったのか。そうではないだろう。本当に公に尽くす無私の行動だろう。
英霊たちもやはり、天皇陛下のため、国のために散っていた。それは「心ならず」ではなく無私の心、つまり愛国の情だろう。
靖国に参拝した小泉総理でさえ、やはり戦後レジュームの中で洗脳されていたのではないか。私は3.11を経てそれを考えた。
やはり東日本大震災は「このままでは日本は滅びる。日本人よ目を覚ませ!」という天からの警告であったではないか。〉
ようするに、3.11の大震災は日本人が戦後レジュームに洗脳されているせいで起きたことであり、愛国心を失くしたことへの天罰だと言うのだ。
正直、この文章を初めて目にした時は、あまりのひどさに信じられなかった。あの悲惨きわまりない災害、そして被災者の絶望を目の当たりにしながら、まるで被災者の側に責任があるかのような言葉を平気で吐く神経。自分の政治的主張を展開するために、未曾有の災害までをも政治利用しようとする卑劣さ。いくら、「国民の命より国家を守るのが総理大臣の仕事」と明言した安倍首相の一番のオトモダチとはいえ、この男はどこまで国民をバカにすれば気がすむのだろう。
3・11については石原慎太郎も同様の発言をしていたが、下村の悪質さは石原の比はない。
しかも、もっと恐ろしいのは、「天からのお告げ」「天からの警告」などというオカルチックな単語だ。
これらはおそらく比喩ではない。下村はこれまでも過去に「EM菌」「ナノ純金除染」「親学」「予言者ジュセリーノ」など、科学的根拠のまったくないオカルト思想を信奉し、絶賛してきた。これらの発言はそのオカルト思想から出てきた“本気”の発想だと考えるべきだろう。
国民に国家への忠誠、命を投げ出すことを強制する全体主義に、狂気のオカルト思想。しかし、考えてみると、戦前の軍国主義も人間である天皇を「神」と崇め、国力で20倍も違うアメリカを相手に戦争をしかけ、いつか神風が吹いて勝つと信じていたのだから、まさにオカルトそのものだった。兵士たちは戦場で死ねば軍神となって靖国に帰ってくると、教育によって信じ込まされていた。オカルト下村を文科大臣に選んで就けたということは、安倍政権が掲げる「教育の再生」の行方が戦前回帰をめざすことの何よりの証拠といっていいだろう。
改めて強調しておくが、他人に愛国や道徳を強制するこの連中自身には、愛国心や道徳心の欠片もない。そのことも下村文科相が証明している。本サイトで以前、指摘したように、下村は自国の国民には国家主義的な「思想統制」教育を実施しながら、自分の長男には「ひとりひとりの個性を尊重するイギリスの自由な教育を受けさせたい」と小学校からイギリスに留学させ、今もイギリスの大学で絵やイラストレーションを学ばせているのだ。
そして、前述したように下村文科相は国民に無私を求めながら、一方で、自分は偽装政治団体によってヤミ献金をかき集めているのだ。下村は当初、文春や野党の追及に「地方の博友会は有志が運営する任意団体で、下村事務所は一切タッチしていない」「寄付やお車代のようなものは受け取ったことがない」などと弁解していたが、博友会幹部の実名告発などによって次々とウソが暴かれ、あげくの果てに、下村事務所主導で“文春対策会議”が開かれたり、関係者への“口止めメール”の存在が明らかになるなど、その悪質ぶりも際立っている。
3月24日、下村は東京地検に告発されたが、正直いって、今の検察が安倍首相のオトモダチを摘発できるとは思えない。日本を支配しつつあるオカルト軍国主義を押しとどめるためには、やはり、国民の手でこいつらをひきずりおろすしかない。
(エンジョウトオル)
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