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カイロでの首相演説めぐり、民主・小川氏「イスラム国に口実与える言葉控えて」 民主拍手に首相あぜん
http://www.sankei.com/politics/news/150408/plt1504080021-n1.html
安倍晋三首相と民主党の小川敏夫元法相が8日の参院予算委員会で、「イスラム国」に対峙(たいじ)する周辺国への人道支援を表明したエジプト・カイロでの1月の首相演説をめぐり論戦を繰り広げた。主なやりとりは次の通り。
◇
小川氏「イスラム国、テロ組織として決して容認できない。各国が協調して対処するのは当然だ。援助することに何の異論もない。ただ、人質がとられているのであれば、人質の生命、身体に危害が加えられないような配慮をすべきではないか」
小川氏「カイロの発言では、支援をするのは『ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためです』と。また、『地道な人材開発、インフラ整備を含めISILと戦う周辺各国に…』と表現している。これは、ISILを刺激する言葉ではないか。現実に首相の発言があった後に、あの悲惨な非道な殺害が起こった」
首相「中東世界で注目されるスピーチだった。日本は世界の課題にどう立ち向かっていくのかメッセージを出していく必要があると考えた。ISILこそイスラムの人々にとって大きな脅威になっている。人々を平気で殺し、お金をまきあげ、生活を塗炭の苦しみにつき落としているのはISILだ」
首相「このことに触れない、あるいは、彼らに対してどう対応していくかを述べない。これこそまさに日本のメッセージをゆがめるものになる。ISILの脅かしに屈せずに頑張っている国々に対して『あなたたちを支援していきますよ』というメッセージを出していくことは当然だ。例え日本人の人質をとろうとも私たちはそれを曲げることはない。そのことによって国際社会がISILの動きを止めることができるのだろうという信念を変えることはない」
小川氏「そうした大きな国家の目的のためには国民の命を顧みなくていいと聞こえる。同じ時期にヨルダン軍は兵士を人質にとられた。その瞬間、空爆をとりあえず中止している。厳然たる姿勢で臨まなくてはならないが、人質がとられているなら人質に危害が及ぶような、そうした言質を与えるような、口実を与えるような言葉はなるべく控えて、(民主党席から拍手)国民一人一人の生命を守るような配慮をすべきではなかったか」
首相「私は小川さんの発言に民主党から拍手が出たことにあぜんとした。日本から人質を取れば日本の意志をくじくことができる、それでいいんだと宣言しているようなものなのだろうと思う。ヨルダンは決してISILを非難することをやめていない。ヨルダン国王は『ISILの動きを止めていくことこそ穏健派イスラム諸国の責任であると考えている』ということをはっきりとおっしゃっていた。そういう諸国こそ私たちは応援していかなければならない」
首相「人質事件が長引いていけばずっとメッセージを出すことができないということになっていく。日本はそういう国になっては決してならない。全ての国がそういう国になったら、ISILはどんどんどんどんどんどんどんどん支配地域を増やしていく。われわれは国際社会と連携しながらISIL、過激主義の動きを止めていく」
首相「カイロにおけるスピーチのメーンテーマは、『中庸こそ最善』ということだ。この考え方を広げていくことで中東を平和と繁栄の地域にしていきたい。それこそ私のスピーチのメーンテーマだということは申し上げておきたい」
小川氏「私は、あるいは民主党のメンバーも『テロに屈しろ』とは全く考えていない。だけど、人質がとられている状況下において一つ一つの言葉の使い方についても配慮する必要があるのではないかといっているだけだ。私も民主党もISILと戦うのをやめろとか、ISILに屈しろとか、人質を解放するために何でもかんでも要求に応じろなんてことは全く言っていない」
小川氏「首相の言葉の中に大きな目的のため、国家の目的のためには国民の生命も配慮しないという姿勢が現れたのだなと感じた」
[産経ニュース 2015/4/8]
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