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2015-04-07 15:13:08
わずかな緑色を萌え出して樹々が春の装いをはじめたフランスの公園。昨日4月6日も青空が広がり、少し冷たいけれど気持ちいい風が吹いていました。私たち老夫婦が宿泊している所は、パリの郊外で、林の中に住宅やスポーツ施設、釣り池などがある自然豊かな地域です。
そんな地域にも、地方選挙のポスターが貼ってあり、政治が動いています。こちらフランスのオランド大統領の支持率は一時19%まで落ち込みましたが、今年1月には例のシャルリー・エブド事件に対する「対テロ徹底戦宣言」で40%まで急回復しているとか。
それにしても安倍晋三氏の50%維持は驚異的です。この高い支持率は、野党がだらしなさすぎることが第一の要因なのでしょうが、安倍政権を支える勢力の巧みな宣伝に国民が簡単に騙されているからだとも思います。
芥川賞作家の田中氏が「宰相A」という小説を書き、その評論にこんなくだりがありました。
以下、引用です。
田中が強く指摘するのは、安倍の〈弱さ〉である。
〈相手をせせら笑う不遜と、私と会って目も合わせなかったうつろでオーラのない表情の落差。つまり安倍氏は明らかに、政治家としての自分を強く見せようとしている。強くあろうとしている。
なぜか。安倍氏は弱い人間だからだ。強くあろうとするのは弱い証拠だ。だったら、あるがまま生きればいい。弱いことは、人間として決して悪いことではない。
だがここで、血筋の問題が出てくる。(中略)祖父と大叔父と実父が偉大な政治家であり、自分自身も同じ道に入った以上、自分は弱い人間なので先祖ほどの大きいことは出来ません、とは口が裂けても言えない。誰に対して言えないのか。先祖に対してか。国民に対して、あるいは中国や韓国に対してか。違う。自分自身に対してだ〉
「戦後レジームからの脱却」と称し、安倍首相が憲法改正や自衛隊の国防軍への移行を主張するのは、自民党の意志でもある。だが、ここまで強気に進める理由を田中は〈そういう党の中にいる安倍氏が、偉大で強い家系に生まれた弱い人間だからだ〉と見る。そして、タカ派に分類される安倍を〈弱いのに強くなる必要に迫られているタカ、ひなどりの姿のまま大きくなったタカ〉と表現するのだ。
〈安倍氏が舵取りの果てに姿を現すだろうタカが、私は怖い〉──ここまで田中が憂虞するのは、政治的・軍事的な理由からではない。
幼くして父を亡くしたことのせいか、田中は〈男性的でマッチョなものが、根本的に怖い〉のだという。男であることが不潔に感じ、〈何度も死のうとした〉ことさえある。そのときのことを〈死んでみせることで、周囲に強い人間だったと思わせることが出来るのだと、勘違いしたからだろう〉と田中は振り返るが、だからこそ、弱い自分でいることを許されない安倍は危険な状態なのではないか、と田中は案じるのである。
この田中による指摘は極めて重要だ。安倍首相の強硬姿勢が彼の政治的信条に基づいた行動なのであれば、まだ議論の余地もある。だがそうではなく、安倍自身の血筋というプレッシャーや、本来のパーソナリティである弱さを隠すために過剰に強くあろうとして偉大な祖父が成し得なかった偉業に挑んでいるのであれば、それは暴走だ。
しかも、こうした暴走への危惧は、きっと安倍首相には通じないだろう。なぜならそれを受け止めることは、自分の弱さを認めることになるからだ。
自分の弱さを否定するために、戦争への道をひた走る首相。──『宰相A』で描かれた恐怖は、いま、まさに日本で進行している現実である。
(水井多賀子)
以上、引用おわり
安倍氏は、優秀な学歴の官僚たちに囲まれ、いわば「劣等生・安倍」を日々、認識させられる場所で仕事をしています。本質的に「弱い安倍」としては、どうしても「強い安倍」の姿を見せ続けなければならない。
本質的に「弱い安倍」うじは、その本姓を隠さずに行動してきたなら、今のような”暴走”をすることはなかったのではないでしょうか。
しかし、歴史には、「暴走・アベ」として残るのでしょう。日本の国民としては残念です。しかし、せめて他国の国民に迷惑をかけることだけは二度としてほしくないものです。
*こちらは現在4月7日の朝8時を10分くらい回ったところです)
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