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どうすることもできない福島第一原発を放置して、東京五輪に邁進するふしだらな国は、順調にチェルノブイリ後のソ連と同じ道を辿っている
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2015/04/post-17c9.html
2015/04/04 誰も通らない裏道
福島第一原発事故から丸4年が過ぎ、いよいよ5年めに入ったわけだが、私はこの5年というのは一つのメドではないかとかねがね思ってきた。
福島第一原発の事故は有史以来最悪の事故であり、これと比肩しうるのはチェルノブイリだけだ。したがって、この事故の推移を繙くことは重要なわけだが、その場合にもっとも注目すべきは、事故から5年でソビエト社会主義共和国連邦という国家体制そのものが崩壊してしまったことだと私は思う。
参考リンク
・誰も通らない裏道「北朝鮮についての続き」(2006/10/27)
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2006/10/post_a2c7.html
「ちなみにこのソ連邦は崩壊するわけですが、その大きなきっかけの一つはチェルノブイリ原発の事故です。官僚独裁国家が破局的な原発事故をきっかけに崩壊したというのは、日本にとってちょっと薄気味悪い前例なのではないでしょうか。」
・誰も通らない裏道「予定調和国家」(2007/03/20)
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2007/03/post_fae5.html
「旧ソ連はチェルノブイリ原発の事故をきっかけとして崩壊したと私は考えているが、ここへきて事故や事故隠しが続々と発覚している日本の原子力発電に、破局的な事故が起きないという保障はない。それどころか、日に日にそれが近づいているようにさえ思えてしまうのである。」
この件については2012年、小出裕章先生におうかがいしてみたところ、「ソ連の崩壊というのは複合的な要因によるものだろうが、チェルノブイリの事故というも間違いなくその一つに入る」とおっしゃっていた。
では、現在の日本は旧ソ連と同じ道を辿っているのかといえば、私はそうだと思う。
というのも──。
もはやこの国は法治国家としての体をなしていない。
現在の政府というのは、自分たちの都合のいい時だけ(たとえば辺野古などはまさにその典型だが)、「日本は法治国家であるから」云々という話を持ち出す。
さて、本当に日本が法治国家であるのならば、今現在、法律に照らせば放射線管理区域としなければならない場所に住んでいる人びとは移住させる必要がある。が、そのようなことをすれば、あっという間に国家財政は破綻してしまので(ま、すでに破綻しているのだが)、しないというだけの話である。
しかも現実問題として、福島第一原発の事故処理はこの4年でほとんど何も進んでおらず、今後、いつの時点ですべてのコトが片づくのかは不明であるし、そのためにいったいいくらのカネがかかるのかもわからない。
これだけの惨状を呈しているにもかかわらず、福島の現実は日々のニュースから消え、2020年の東京オリンピックに向けて、景気がどうの、バブルがどうのなどと言っているのだから、ふしだら以外の何ものでもない(※1)
私は仕事柄、わりと多くの本を読むのだが、日本経済に関して書かれた本で、それが楽観的なものであれ、悲観的なものであれ、福島第一原発の経済的リスク、つまり「原発破局の経済学」について触れた本はお目にかかったことがない。
「たとえ東京電力が何回潰れても、日本の国家が破綻したとしても贖いきれない被害がすでに出ている」(小出裕章先生)にも関わらずである。
と、こう書くと、「お前は小出某という反原発の人間の言うことばかり引用しているではないか」と言われるかもしれないが、それはいたって当然のことだ。
福島第一原発事故以前、日本には「日本の原発は絶対に事故を起こさない」という圧倒的多数派と、「このままでは破局的な事故が起こる」という圧倒的少数派がおり、このどちらが正しいのかは、一般の人びとにはなかなか判別しがたかったが、少なくとも事実として後者の主張が正しかったのだから。
であれば、事故後はまず正しかった人びとの主張に耳を傾けるのが真っ当な人間というものだろう(事故後の遮水壁の件にしても小出先生の主張を最初から取り入れていれば、ここまでひどいことにはならなかった)。
圧倒的多数派が主張していた「日本の原発は五重の壁があり、それが破られることは絶対にないから安全である」などと言うのはただの大法螺に過ぎなかったのである。それも当然のことで、彼らの頭の中では、安全=コストという認識しかなく、したがってこのコストをいかに削って儲けを増やすかしか考えていなかった。
そのかわりにこの連中が血道を上げたのは、「破局事故が起きた場合の自分たちの安全」である。そのためのコストはいくらかかってもかまわないというのが彼らのやり方で、結果、何重にも張り巡らされた「壁」によって、有史以来最大の事故を起こした当事者たちは、いまも「絶対の安全」が確保されている。
そうしてこの連中は、いま原発の再稼働に突き進んでいる。
アベシンゾーによれば、「世界最高の安全基準」に基づいて再稼働するとのことだが、もとよりこれは原発に対する「安全基準」ではなく、再び破局事故が起きた場合、絶対に自分たちに責任が降りかからないように「安全」を確保するための基準である。
なにしろ福島第一の現状を放置しておいて、なおかつ再度、破局事故が起きても自らを守らなければならないのだがら、そりゃあ世界最高どころか宇宙最高の安全基準が必要であろう。
そしてこの連中は自分たちの安全さえ守りきってあの世へ行ければ、あとは知ったことではない。
つけ加えておくと、こういうメンタリティの人間が、「将来のことを考えれば消費増税をするしかない」などと宣っているわけだ。
そして──。
戦後の長きにわたって積み上げてきた憲法解釈を勝手に変更して平然としている人間が、同じ口で辺野古の問題については「前知事の下で決まったことを粛々と継続する」と言う。
ここ最近、「安倍政権のやっていることは、どれ一つをとっても、ひと昔前ならば政権が吹っ飛んでいた」と主張している人を何人か見たが、彼らの肩書はいずれも「ジャーナリスト」。せめて「評論家」とでも変更した方がよろしかろう。
久しぶりにブログを書いたので、話があちこちに飛んでしまったが、ここ最近、起きていることを一つ一つ見ていくと、私はこの国はアノミー(無規範)状態にあると思う。そして、これこそは小室直樹博士が指摘したがごとく、ソ連を崩壊させた要因である。
日本は、「順調に」チェルノブイリ後のソ連と同じ道をたどっている。
※1
ちょっと前に、月島のタワーマンションの修繕で、複数の大手ゼネコンが見積もりを出すのも拒否したという話があった。東京ではタワーマンションがドンドコ建設されており、その購入をあおる本なも出版されているが、このタワーマンションというのは、「建てたが最後、後はどうなるか知ったことではない」「地震国のしかも埋立地のようなところに建てられても安全だと言われている」などというところが、原発によく似ていると私は思う。
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