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テレ朝の早河会長は否定したが(左は古館伊知郎)/(C)日刊ゲンダイ
古賀氏「報ステ」降板の全貌 テレ朝が震えた菅長官の“ひと言”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158566
2015年4月2日 日刊ゲンダイ
官邸から圧力があった――。経産官僚出身の古賀茂明氏(59)から「報道ステーション」降板の舞台裏をバクロされたテレビ朝日が、慌てふためいている。古舘伊知郎(60)の降板説まで浮上。31日記者会見したテレビ朝日の早河洋会長は、「圧力めいたものは一切ない」と官邸からの圧力を否定したが、本当になかったのか。
安倍官邸が古賀茂明氏に対して、最初に怒りを爆発させたのは、1月23日の「報道ステーション」だったという。ちょうど「イスラム国」に拘束された後藤健二さんの安否が心配されていた頃だ。コメンテーターとして出演していた古賀茂明氏が安倍政権の外交政策を批判し、「アイ・アム・ノット・安倍」と発言した。
番組放送中に官邸サイドから報道局幹部に連絡が入り、その瞬間からテレビ朝日は大混乱に陥ったという。上層部が担当プロデューサーを強く叱責したとの情報が流れ、そのプロデューサーは結局、番組から外されている。
テレ朝を震え上がらせたのは、菅義偉官房長官が「オフレコ懇談」で発した一言だったらしい。ネットメディア「リテラ」が、〈菅官房長官が古賀茂明を攻撃していた「オフレコメモ」を入手〉というタイトルで、オフレコ懇談でのやりとりを詳細に伝えている。
Q テレビ朝日ですか?
A どことは言わないけど。
Q 古賀茂明さんですか?
A いや、誰とは言わないけどね。ひどかったよね。放送法がある以上、事実に反する放送をしちゃいけない。本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど。
■番組プロデューサーも外された
「テレ朝の上層部は、菅長官が放送法という単語を使ったことに真っ青になったはずです。圧力と受け取った人もいるでしょう」(民放関係者)
古賀茂明氏は3月5日、ツイッターに「4月以降は、篠塚報道局長が出すなと言ったので出られなくなりました」と書き込んでいる。恐らく2月中に、番組スタッフから降板を告げられたのだろう。
古賀茂明氏から、「菅官房長官をはじめ官邸の皆さんからバッシングを受けた」と名指しで批判された菅長官は、「まったくの事実無根。放送法があるので、テレビ局がどのような対応を取るかしばらく見守りたい」と圧力を全面否定。菅長官が再び“放送法”を口にしたことで、テレビ朝日は真っ青になっているはずだ。
「報道ステーション」では、安倍政権に批判的なコメントをしていたコメンテーターの恵村順一郎・朝日新聞論説委員も降板させられている。
もともと安倍官邸は、何かと政権に対して批判的な「報道ステーション」を苦々しく思っていた。担当プロデューサーが番組から外され、安倍政権に批判的な2人のコメンテーターも降板した。これでは「テレビ朝日は官邸に全面降伏した」と視聴者に見られても仕方ない。
政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
「大手メディアは、安倍政権に対して弱腰過ぎます。昨年、総選挙前に“中立な報道をしろ”と圧力ペーパーを突き付けられた時も、反論ひとつしなかった。最悪なのは、大手メディア全体に“自主規制”が広がっていることです。政権から圧力を受ける前から、政権批判を控えている。民主主義を支えるのはジャーナリズムですよ。メディアが政権を批判しなくなったら終わりです」
古賀茂明氏の降板の裏に何があったのか、テレビ朝日はすべて明らかにすべきだ。
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