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2015-04-01 哲学者=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』
曽野綾子が「新潮45」最新号で、ネット炎上にまで発展した「アパルトヘイト発言」に対して、見苦しい「言い訳」を展開している。曽野は、ネットやSNSでの炎上事件を自分には無縁なものと無視しようとしているようだ。自分は作家だから、書籍や新聞、雑誌などの文章にこだわるということだろう。
しかし、曽野が、いくら無視しようとも、「曽野批判」や「曽野炎上事件」はネットやSNSの世界に限られるわけではない。書籍や雑誌などによる「曽野綾子批判」も、繰り返し行われてきた。曽野は活字による「曽野批判」も無視してきたのだ。曽野よ、「曽野綾子批判」をネットに矮小化するなかれ!
曽野綾子は、「週刊金曜日」の「曽野綾子とは何か」という特集も私と佐高信氏との対談集「曽野綾子大批判」も読んでいるはずである。何故なら、二つとも、某氏が曽野綾子宅に送りつけたからである。知らぬとはいわせない。その証拠に、曽野綾子は、最近、「沖縄集団自決問題」には触れようとしない。触れると、次々とぼろが出るからだ。
曽野綾子は、最近、何故、「沖縄集団自決問題」に言及しなくなったのか?あれほど、「綿密な現地取材」を自慢し、「沖縄集団自決問題」の権威者のごとき論陣を張り、それを根拠に、保守論壇の馬鹿どもをそそのかして「大江健三郎=岩波書店裁判」まで引き起しておきながら、裁判敗北とともに完全沈黙。何故?反論できないからだろう?
曽野は、問題の「アパルトヘイト発言」のエッセイで、南アの共同住宅における黒人居住者が、身内を多数呼び寄せ、共同住宅の生活環境や雰囲気を乱し、多くの白人はそれに嫌気がさし、引っ越していったという話を紹介して、アパルトヘイト(人種差別的分離生活)を擁護している。しかし、この曽野綾子の話は、嘘だったことが、ぺコ大使の説明や南ア事情に詳しい人たちの証言で暴露された。
曽野綾子のアパルトヘイト発言は次の通り。
20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった。
南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃後、白人専用だったマンションに黒人家族が一族を呼び寄せたため、水が足りなくなり共同生活が破綻し、白人が逃げ出したという例を出し、人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい、と思うようになった。(産経新聞 2015/02/11付 7面より)
この曽野綾子発言が「誤解」「無知」に基づく妄言であることは明らか。南ア駐日大使のペコ女史の話では、南アには「パス法」というものがあり、黒人が、白人の住む共同住宅(マンション)に移り住むことはあり得ない。パス法は、1991年に廃止されたが、曽野が南アを訪問したのは翌年の1992年。わずか一年も経たないうちに、貧しい黒人の大家族が、白人の高級マンションに引っ越してくるはずがない。全くあり得ない話。
曽野の話は現地在住者から聞いた話らしいが、曽野の話は、根拠のない一種の都市伝説。ペコ大使の抗議に、その無知と誤報を謝罪。
曽野の、白人が住んでいた高級マンションに黒人一家が大家族で引っ越してきて、白人たちが逃げ出したという話は、全部、作り話である。他人から「間接的」に聞いたという噂話である。証拠も実態もない話。
これは、曽野綾子の代表作『ある神話の背景(「沖縄集団自決の真実」)』、つまり、「沖縄集団自決の話」と同じだ。曽野は、いい加減な噂話を、すぐ信用して、それを日本人に向けて、偉そうに話す。批判されると、いっさい無視黙殺。嵐が過ぎ去るのを待つだけ。
ところで、曽野は、「アパルトヘイト発言騒動(炎上事件)」を、SNSやネット的言論への批判にすり替えようとしている。ネット言論は、無責任な匿名発言だとか?そうだろうか?これまた、少し古すぎる偏見ではないか?ちゃんと本名やペンネームを名乗りつつ、曽野綾子批判を展開している人たちがいることは無視らしい。困ったオバさんである。
(続く)
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