36. 2015年4月01日 13:11:05
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辺野古移設、沖縄県知事が阻止に対抗措置検討 2015年03月31日 03時04分 特集 基地移設 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150330-OYT1T50137.html 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、林農相は30日、翁長雄志県知事による移設作業停止の指示の効力を止めることを決め、沖縄県に通知した。 作業停止で工事が遅れれば、「飛行場周辺住民の危険性や騒音の継続による損害、日米両国の信頼関係への悪影響」が生じるとした防衛省の訴えを認めたものだ。 翁長氏は同日、農相の決定を批判し、移設阻止に向けた対抗措置を講じる考えを示した。 政府は本格着工に向け、海底ボーリング調査などの作業を継続する方針で、沖縄県との対立はさらに深まりそうだ。 安倍首相は30日の参院予算委員会で、今回の決定に関し、「沖縄県と意思疎通を図り、信頼関係を構築していきたい」と述べる一方、「沖縄の皆様に理解をいただく上で、県庁側に理解をいただくことは重要だ」とも語り、翁長氏に辺野古移設への理解を求めた。 作業停止は翁長氏が23日に指示した。防衛省が海底地質のボーリング調査のために投入したコンクリート製ブロック(アンカー)がサンゴ礁を破壊した可能性が高く、作業を停止させた上で現場を調査するとした。 農相によると30日の決定書は、作業が続くと調査ができなくなるとは「必ずしも認められない」とした。「国が不服申し立てを行うことは予定されていない」との県側の主張は「国が事業者でも、私人と変わりなく、申立人としての適格が認められる」として退けた。 今回の決定は、作業停止指示の効力をいったん止めるもので、正式に「無効」とするかどうかは引き続き農林水産省側で審査する。審査期間の期限はなく、決定には数か月程度かかる可能性がある。 これに対し、翁長氏は30日、県庁で記者団に「国が申し立てをし、同じ国の農林水産省が審査するという対応は、公平公正か理解できず、残念だ」と語った。 翁長氏は防衛省が作業を停止しない場合、工事の前提として前知事が認めた「岩礁破砕許可」を取り消す方針を示している。この日は「今後は専門家と相談の上、対応する。県知事選などで民意ははっきり出ている。県民に寄り添いながら、腹を据えて対応していきたい」と述べ、対抗措置を検討する考えを示した。工事差し止めを求める訴訟なども視野に入れているとみられる。 沖縄防衛局は辺野古沿岸部の海底ボーリング調査について、3月末までとなっていた終了時期を6月末まで再延長することを決めた。台風などの影響で作業が遅れているが、今夏を目指す本体工事の着工に影響はないとしている。 翁長氏「次の一手」焦点 訴訟以外に困難の見方 辺野古 県の指示「停止」
林農相が2015年3月30日に沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設作業停止を命じた翁長雄志知事の指示を停止したことで焦点は翁長氏の「次の一手」に移った。国側は作業継続に自信を深めており翁長氏が訴訟以外に国の作業を止めるのは困難との見方も出てきた。 ■助言 「専門家と相談をしているので個別的なことは軽々に答えられない」 翁長知事は2015年3月30日夕、知事室前の廊下を埋め尽くした記者団から移設作業の前提となる「岩礁破砕許可」の取り消しが可能かどうか問われると慎重な言い回しに終始した。 県関係者によると翁長氏は弁護士から「自分の発言で行動を縛ることになる。今後の対応には触れないように」と助言を受けていたという。 翁長氏は1週間前コンクリート製ブロック(アンカー)の設置状況を調査する名目でボーリング調査を含む全ての移設作業の停止を指示。その際には「(沖縄防衛局が)指示に従わなかった場合は許可を取り消すことになる」と強調した。 しかし指示実施の期限だったこの日の決定で農林水産省は「効力が止まった指示に基づく岩礁破砕許可の取り消しはできない」との見解を示した。 今回の決定は裁決を出すまでの暫定的なもので、知事による指示の妥当性については今後、数か月かけて検討され、裁決が出されるとみられる。ただ、決定書を読んだある県幹部は、「どう見ても、県は勝てないだろう」と漏らした。 それでも、翁長氏の側近は、決定について「想定内」とし、今後の対応について、「許可取り消しもあるし、いきなり訴訟に踏み切る可能性もある」と強気の姿勢を崩していない。 *コンクリート製ブロック(アンカー)を巡る防衛省と沖縄県の主張の違い @⇒沖縄県:許可区域外に設置された @⇒防衛省:県側から手続きは不要との指示があった。県内の同種事業でも手続きの対象とされておらず、処分は平等原則に反する A⇒沖縄県:軽微なものは申請が必要ないとしたものを、巨大であっても申請が必要ないと説明を受けたかのようにすり替えている A⇒防衛省:重量や大きさで許可の要不要が異なると説明はなかった B⇒沖縄県:設置で岩礁破砕行為がなされた可能性が高い B⇒防衛省:設置は、岩礁破砕ではない。サンゴ礁まで発達していないサンゴ類を棄損する行為は規制の対象とはならない 防衛相 「無効」裁決へ自信 沖縄県側が作業停止の指示の根拠とした岩礁破砕許可は、水産資源保護法に基づくもので、本来は農林水産省が行う事務を県が執行した法定受託事務だ。 林農相は2015年3月30日、国会内で記者団に「(防衛省と沖縄県の)両者(の主張)を勘案して執行停止の判断をした。沖縄県の出した指示の効力は停止される」と述べた。 決定は、工事が遅れれば、普天間飛行場の危険性が継続することや、日米関係に悪影響を与えるとした防衛省の主張を採用し、翁長氏の作業停止指示を認めれば「回復困難で重大な損害」が生じると認定した。 中谷防衛相は2015年3月30日、「法令に沿って適正に審査されると認識している」と記者団に語り、沖縄県の指示を「無効」とする裁決が出ることに自信をにじませた。 審査で焦点となるのは、アンカーが、沖縄県が主張しているように @前知事が認めた「岩礁破砕許可」の区域外に投下された A想定より大きく、岩礁を棄損している かどうかだ。 これに対し、防衛省は 「県から設置許可は不要とされた」 「重量や大きさで許可の要不要が異なると説明はなかった」 と真っ向から反論し、事前の県側とのやり取りを「証拠」として農林水産省に提出済みだ。 また、防衛省は 「そもそもサンゴ類は岩礁ではなく規制の対象外」 との立場だ。 拡張工事が進む那覇空港第2滑走路でも、事業主である内閣府沖縄総合事務局が県と協議したところ、アンカーについて設置許可を求められたことはないという。防衛省は、第2滑走路の事例を引き合いに、「知事が交代したから、ルールを変えるのは行政の継続性からいって、あり得ない」と訴える構えだ。 ただ、政府は、対話路線も強調し始めた。国が県の主張をはねつけているとの印象が広がり、自民党内からも「一方的にやりこめるようなやり方は得策ではない」(ベテラン議員)との声が出始めたからだ。 菅官房長官は2015年3月30日の参院予算委員会で、知事から2回面談要請があったが、組閣などがあり、お断りさせていただいた。遠くないうちにお会いさせていただきたい」と語り、2014年12月の翁長氏の就任以来実現していない会談に前向きな姿勢を強調した。 沖縄県宜野湾市のキャンプ瑞慶覧内の西普天間住宅地区(約51ha)が2015年3月31日で返還される。2013年の日米両政府の返還合意後、まとまった土地の返還は初めて。政府は今後も、移設では一歩も譲らない方針を貫くものの、負担軽減に取り組む姿勢も打ち出し、硬軟両面で県側の理解を得る構えだ。
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