06. 2015年3月31日 05:28:17
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2015.03.27 日本はAIIBに関与すべきか? http://recollectionsummer.blog72.fc2.com/blog-entry-2403.html中国の主導で立ち上げられる国際銀行、AIIB。 さて、このAIIBですが。 欧州各国が相次いで参加を表明したことから、日本もどう対応するか、注目されます。 特に、創設メンバーとして参加表明を出来る期限が、3月末日となっています。 創設メンバーとしてAIIBに参加するかどうか、判断するタイミングにきているワケですね。 で、経済を語らせたら間違いばかりと評判の日本経済新聞が(笑)、こんなことを言っております。 【中国が主導するインフラ銀に積極関与を 】 日経 日経の主張はこうです。 AIIBの否定や対立ではなく、むしろ積極的に関与し、関係国の立場から建設的に注文を出していく道があるはずだ。 と。 まぁ、これ自体は「そういう考え方も確かにある」とは言えます。 実際、 創設メンバー国となる欧州各国やニュージーランドは、内部から透明性の確保を働きかけていく構えだ。 AIIBに参加を表明した有力国は「参加して、内部からこの国際銀行をいいものにしていこう」と言っているワケ。 まぁ本音はそんなキレイなものではなく、単に 「立ち上げ段階から色々と口を出していけば、自分達に都合の良い組織になるよう仕向けることができる」 ってところでしょうけどね。 まぁ確かに、そういう諸外国と連携して、AIIBの主導権を握ろうと画策するのも、一つの方法ではあります。 参加する主要国に根回しをして、中国の思い通りにならないように裏で手を組めば、それなりに発言力を行使できる可能性はあります。 しかし、個人的には、 AIIBに参加するのは、止めた方がいい と思っています。 日本を含む諸外国が、日経の言うように「関係国の立場から建設的に注文を出していく」ことが可能か?というと、 多分、AIIBの運営についての口出しはほぼ無理。 大体が、中国の思い通りにしかならない。 という可能性が高いからです。 まず、以前のエントリで申したように、このAIIBは、 中国が資金の半分を出資します。 そして、 本部は北京に設置されます。 更に、 総裁は中国人となります。 もうこの時点で、どう考えても中国共産党の意向が色濃く反映される銀行になる、ってことは分かりますね。 しかも、非常に懸念されるのが、 AIIBは、理事会とかどうすんの? って話。 普通、こういった国際銀行では、融資などの重要事項を決める際、出資国が理事会で話し合った上で決めます。 で、議決なんかをするワケなんですが、例えば、 日米主導のADB(アジア開発銀行)では、出資比率が高い国が圧倒的に有利にならないよう、議決権を調整しています。 出資が多い国はむしろ議決権を減らし、出資割合が低い途上国などの議決権を増やしています。 大スポンサーが銀行を私物化できないようにしてあるワケなんですね。勿論、中立性にもうるさいです。 では、AIIBはどうかというと、 何とAIIBは、理事会があるのかどうかすら不明!(笑) 理事会が中立なものになるかどうかとか、出資比率の高い国だけが議決権を握ってしまわないかとか、そういうレベルじゃないんですよ。 もう立ち上げ間近だというのに、理事会があるかどうかすら明確になってないんですね。 というか、聞くところによると、 理事会はほとんど開かれず、総裁の判断が優先される 可能性が高いんだそーで(笑)。 いかにも中国らしい仕組みですね。 まぁ、これだと当然、「話は早い」んです。いちいち議論しないで決めていくので。 しかし当然、 融資の公平性や妥当性については、ほとんど無視。 中国の独自判断に委ねられることになってしまうワケです。 これが「金貸し」である以上、その恐ろしさというのは、想像するまでもありません。 大体、中国自体が「そろそろバブル崩壊か?」なんて言われてるのに。 そんな中国が、AIIBの融資先や額を独自判断で決めるんですかねー。面白い構図だな(笑)。 ちなみにその総裁は当然、中国共産党の幹部というか子飼いの人間がなるワケです。 であれば、AIIBは実質的に、習近平主席の私物になる可能性が高いと言わざるを得ないのです。 なので、仮に創設メンバーとして参加したところで、マトモに発言権を得られるとは到底思えない のですね。 まさか中国が、ADBのように「出資比率の低い国には議決権を多目に配分しましょう」なんてことをやるワケがない(笑)。 むしろ逆に、 「中国が半分も出資するんだから、中国の意見が強くなるのは当然アル( `ハ´)」ってなるでしょう。 中国は「拒否権などは持たない」とか言ってますが、「『実質的な』議決権や拒否権」はしっかりと握る筈です。 日本が中国と同じ額を出資した上で、諸外国と裏で結託でもしない限り、この構図は崩せないと思いますね。 日経は「積極的に関与して、関係国の立場から建設的に注文を出していくべき!」とか言ってますが、 それが可能な相手かどうか、まず考えろよ。 と言いたいですね。 まぁ、実際どうなるかは分かりませんよ。 このAIIB立ち上げをキッカケに、中国がクリーンな姿勢に化ける可能性だってゼロじゃないのですし(笑)。 でもまぁ、もしそうなったら、AIIBはADBとも上手くやっていけるワケです。 基本的な価値観やルールを共有できていれば、ADBとAIIBは必ずしも対立しない。 いずれにせよ、日本はAIIBについては、「外からの立場」でいいでしょう。 慌てて参加することが得策とは思いません。個人的には。 2015.3.1 12:30 【日曜経済講座】 人民元現預金2400兆円、日本の3倍! 膨らむ中国マネー・バブル http://www.sankei.com/column/news/150301/clm1503010008-n1.html 中国の投機性資金流出入 http://www.sankei.com/column/photos/150301/clm1503010008-p1.html 2015.3.29 12:55 【日曜経済講座】 インフラ銀…その正体は「共産党支配機関」 参加論を斬る 編集委員・田村秀男 http://www.sankei.com/economy/news/150329/ecn1503290012-n1.html 中国外資と海外銀行から借り入れ http://www.sankei.com/economy/photos/150329/ecn1503290012-p1.html
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