http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/303.html
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現段階で「財政健全化」を主目的とするような政策の選択は愚の骨頂である。
もともと、「財政健全化」の必要性は、消費税増税を押し切るための口実としてかまびすしく主張されていたものであって、悪性インフレの兆しがない状況で「財政健全化」や増税政策を急ぐ必要はない。
国民に窮乏や増税を求めざるを得なくなる悪性インフレは、「財政健全化」(増税や歳出削減)によってかえって近くに引き寄せられることになる。
悪性インフレを回避する方法は、国内外の需要の増加を呼び水にした設備投資の増大しかない。
※ 参照投稿
「消費税まず10%まで 首相、財政計画の前提に:見出しは「安倍首相、消費税を10%超にする考えはないと表明」が的確」
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/533.html
「ロイター企業調査:春闘ベア「ゼロ」4割、増税分補えない企業7割超:消費税は基本的に「給与支払い税」だから当然」
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/614.html
「日本財政「最後の選択」伊藤隆敏著:経済学は“狂気(凶器)の学問”?:好景気6カ月継続で3カ月後に消費税増税という提案」
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/373.html
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財政健全化、はや暗雲
首相、消費税10%超えは封印 成長頼み、歳出削減も及び腰
政府が夏につくる財政健全化計画に、はやくも暗雲が漂いはじめた。安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げ延期を決めた2014年11月、日本財政への信認が損なわれないように取りまとめを約束した計画だ。ところが、本格的な議論がはじまる前に首相はあっさり10%超の再増税を封印した。大胆な歳出削減の機運も乏しい。
国会答弁で断言
「10%までは消費税を上げるが、それ以上の引き上げで税収を増やすことは考えていない」。13日の衆院財務金融委員会で、首相はこう言い切った。
健全化計画には国と地方の基礎的財政収支を20年度に黒字化する目標を盛り込む。達成に向けては成長による税収増、歳出削減、増税のそれぞれが有力な選択肢になるはずだが、10%超の増税は封じた。
兆候はあった。
「この『歳入』ってなに?」。2月上旬に官邸執務室を訪ねた甘利明経済財政相らに、首相は問いかけた。手にしていたのは経済財政諮問会議の民間議員がつくった文書。健全化計画の検討課題として「必要に応じて歳出・歳入の追加措置」と書いていた。
民間議員側には10%超への増税を将来の選択肢に残すという、ひそかな狙いがあった。首相の突っ込みに、出席者は慌てて「資産課税や格差是正などの問題があります」とつくろった。
甘利氏は民間議員の文書が議論された2月12日の諮問会議後「この5年間で消費税引き上げは1回を基本としたい」と表明した。首相や甘利氏にとっては経済を好循環させ、8%から10%への引き上げを確実にすることが最大の関心事。10%超の増税を口にする段階にないとみる。
消えた上げ潮派
「任期中は消費税を上げない」。かつて小泉純一郎首相はこう断言し、06年には徹底した歳出削減に取り組んだ。
このとき自民党では路線闘争があった。消費増税で歳入を増やす与謝野馨経財相ら「増税派」と、成長重視と共に歳出削減の徹底を進める中川秀直政調会長ら「上げ潮派」の対立だ。
小泉氏は上げ潮派を後押しした。「自民党で歳出を削るのは歴史的だ。中川君、頼む」と要請。中川氏は歳出の多くを占める社会保障費の伸びを毎年2200億円抑える計画をまとめた。
同じことをいまの安倍政権はできるのか――。2月、自民党の稲田朋美政調会長の要請を受けて中川氏は党で講演した。「党が死ぬ気でやらないと財政再建はできない」と力説したが、出席者からは反発ばかり。
ある議員はインターネット上に「デフレをつくった張本人が小泉内閣。財政削減がデフレをつくった」と書き込んだ。財政規律を重視する自民党税調の幹部でさえ「社会保障を切れば政権はつぶれる」と漏らす。甘利氏は「歳出カットだけに全精力を投じて景気が失速した、では元も子もない」と予防線を張る。
与謝野氏は現状をどうみるのか。「財政の使いっぱなしだ。何ら将来のことを考えない無責任な体制だ」。及び腰の政府・与党に手厳しい。
「ここだけの話にしてほしい」。2月12日の諮問会議で日銀の黒田東彦総裁はこう切り出したという。「英独などが『自国の国債もリスク資産にすべきだ』と言っている。そうなれば経済に大変な影響がある」
日本国債がリスク資産とみなされれば、大量保有する邦銀は自己資本の積み増しを迫られる。黒田氏は日本経済に大きな影響を及ぼす可能性を指摘し、財政健全化を急ぐよう求めた。
しかし、政権に切迫感はない。皮肉なことに、その原因をつくっているのは日銀だ。内閣府幹部は解説する。「夏の健全化計画の策定時も、日銀が量的緩和で国債を買い続けている。日本国債の需給は逼迫していて、金利急騰はない」。楽観論に支えられ、夏の健全化計画はつくられる。
1000兆円超の借金を抱えながらの財政健全化は本来、いばらの道だ。増税や徹底的な歳出削減など「痛みを伴う政策」を欠く計画になれば、財政の信認は失墜しかねない。
(佐藤理)
[日経新聞3月25日朝刊P.2]
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