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戦後70年首相談話懇談会(21世紀構想懇談会)第一回議事要旨
http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/286.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 3 月 29 日 04:21:39: Mo7ApAlflbQ6s
 


戦後70年首相談話懇談会(21世紀構想懇談会)第一回議事要旨

平成27年2月25日
20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会(21世紀構想懇談会)

 平成27年2月25日、安倍総理は、総理大臣官邸で「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会(21世紀構想懇談会)」第1回会合に出席しました。

 総理は、冒頭、次のように述べました。

 「21世紀構想懇談会の皆様、本日はお忙しい中、お集まりをいただきまして、厚く御礼を申し上げます。

 今年は、戦後70年目に当たる年であります。戦後産まれた赤ちゃんが、70歳を迎えることになります。先の大戦では約310万人の同胞が命を落としました。戦後の焼け野原の中で、生き延びた日本人は、平和への決意を新たに、働きに働いて、家族を守り、命の灯火を世代から世代へとつなぎ、復興を成し遂げた訳であります。その成果が、今日、私たちが享受しているこの繁栄と平和ではないかと思います。

 先の大戦に敗れた日本は、戦後の国際社会に再び迎え入れられました。我が国は、先の大戦への反省の上に、自由で、民主的で、人権を守り、法の支配を尊ぶ国を創り、平和国家として、また、米国の同盟国として、戦後70年間、アジア太平洋地域の平和と繁栄を支えてまいりました。同時に、我が国は、国際社会の一員として、発展途上国への開発協力、平和の維持、民主化支援等を通じて、大きな責任を果たしてまいりました。この平和国家としての歩みは、今後も変わりません。21世紀において、我が国は、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、国際社会を平和にし、豊かにし、人々の幸福を実現していく上において、より大きな役割を果たしてまいります。

 委員の先生方には、これから夏までの間、お手元にお配りをさせていただきましたような論点について、御議論をいただきたいと思います。

 20世紀の世界と日本の歩みをどう考えるか。私たちが20世紀の経験から汲むべき教訓は何か。
 日本は、戦後70年間、20世紀の教訓をふまえて、どのような道を歩んできたのか。特に、戦後日本の平和主義、経済発展、国際貢献をどのように評価するか。
 日本は、戦後70年、米国、豪州、欧州の国々と、また、特に中国、韓国をはじめとするアジアの国々等と、どのような和解の道を歩んできたか。
 20世紀の教訓をふまえて、21世紀のアジアと世界のビジョンをどう描くか。日本はどのような貢献をするべきか。
 戦後70周年に当たって我が国が取るべき具体的施策はどのようなものか。

 未来の土台は過去と断絶したものではあり得ません。今申し上げたような先の大戦への反省、戦後70年の平和国家としての歩み、そしてその上に、これからの80年、90年、100年があります。皆様の御意見を伺いながら、これから日本がアジア太平洋地域のために、そして世界のために更にどのような貢献を果たしていくべきか、これから日本はどのような国になることを目指すのか、といった点について、考えていきたいと思います。
 皆様の英知を集めた素晴らしい御議論を期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。」

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201502/25_21c_koso.html

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20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会
(「21世紀構想懇談会」)

第一回議事要旨

1.日時:平成27年2月25日 17:30〜18:20
2.場所:総理大臣官邸4F大会議室
3.出席者

・「21世紀構想懇談会」メンバー

西室 泰三 日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長  日本国際問題研究所会長【座長】
北岡 伸一 国際大学学長【座長代理】
飯塚 恵子 読売新聞アメリカ総局長
岡本 行夫 岡本アソシエイツ代表
川島 真 東京大学大学院准教授
小島 順彦 三菱商事株式会社取締役会長、一般社団法人日本経済団体連合会副会長
古城 佳子 東京大学大学院教授
白石 隆 政策研究大学院大学学長
瀬谷 ルミ子 認定NPO法人日本紛争予防センター理事長  JCCP M株式会社取締役
中西 輝政 京都大学名誉教授
西原 正 平和・安全保障研究所理事長
羽田 正 東京大学副学長
堀 義人 グロービス経営大学院学長、グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー
宮家 邦彦 立命館大学客員教授
山内 昌之 明治大学特任教授
山田 孝男 毎日新聞政治部特別編集委員

・政府側
安倍 晋三 内閣総理大臣
菅 義偉 内閣官房長官
加藤 勝信 内閣官房副長官
世耕 弘成 内閣官房副長官
杉田 和博 内閣官房副長官
古谷 一之 内閣官房副長官補
兼原 信克 内閣官房副長官補

4.議事概要

(1)冒頭、菅官房長官が開会を宣言した。続いて安倍総理大臣が同懇談会に対する期待を述べ、この懇談会において議論をお願いする論点として、以下の5点を提示した。

○20世紀の世界と日本の歩みをどう考えるか。私たちが20世紀の経験から汲むべき教訓は何か。

○日本は、戦後70年間、20世紀の教訓をふまえて、どのような道を歩んできたのか。特に、戦後日本の平和主義、経済発展、国際貢献をどのように評価するか。

○日本は、戦後70年、米国、豪州、欧州の国々と、また、特に中国、韓国をはじめとするアジアの国々等と、どのような和解の道を歩んできたか。

○20世紀の教訓をふまえて、21世紀のアジアと世界のビジョンをどう描くか。日本はどのような貢献をするべきか。

○戦後70周年に当たって我が国が取るべき具体的施策はどのようなものか。


(2)座長に西室泰三委員、座長代理に北岡伸一委員がそれぞれ選出された。西室座長は、戦後70周年という節目の年に、大変重要な任務を果たす懇談会の座長にご指名いただき、非常に光栄であると同時に、身が引き締まる思いであると挨拶した。また、総理から述べられた5点の諮問事項の1つ1つについて、ぜひ丁寧に議論を重ねてきたいと述べ、委員にそれぞれの率直なご意見をご提示いただき、英知を結集して次の世代を見据えてしっかりとした議論を行っていきたいとの抱負を述べた。続いて、北岡座長代理が挨拶をし、日本政治外交史を専門として教育と研究に携わっているという立場から微力を尽くして、厳粛な気持ちで任務を果たしたいと抱負を述べ、日本史と世界史を切り分けるのではなくて、世界の中で日本を考える視点が重要と述べた。

(3)懇談会の運営方針として、懇談会は非公開とし、懇談会の議事要旨は、発言者名を付さない形で公開することが合意された。

(4)各委員から自己紹介を兼ねた挨拶がそれぞれ行われた。委員から概要以下の発言があった。

○歴史の中に反省や教訓を持ちながら、未来を考えていく「ゆとりのある反省」と20世紀を振り返ってみるとそこには21世紀が見える「ふりかえれば未来」という二つの観点が重要。

○安倍総理は中東で「中庸」のメッセージを発したが、日本が本来の穏やかなプレゼンテーションを続けていくことが有用と考えられる。

○歴史に関する議論と言うと、往々にして敏感なものであり、我々は可能な限り史実に忠実になり、公平かつ誠実な態度で歴史に向き合っていく必要があると考える。

○我々は戦争、またその後について正面から取り組んできたのか、もう一度結果を見つめ直して、外へ向かって発信していけるような議論をしたい。

○総理から提示された5つの論点の中に示されている20世紀と21世紀、戦後70周年という時間の括り方は有益な視点を与えてくれる。

○歴史を鑑として未来に向かうということがよく言われる。1945年以前の歴史も重要であるが、それ以後の歴史も大事であり、これをもって未来への鑑としていく、そのような未来思考も重要と考える。

○日本の戦後の道のりを再確認し、今後の世界の中で果たすべき役割を考えることは時宜を得ている。

○戦後70年の日本の歴史に自信を持つべきであり、日本が勝ち得てきた信頼をどうやって維持していくかを議論したい。

○20世紀は人類史上かつてない規模で人権の踏みにじられた世紀であったと同時に、戦後70年間日本のたどった道は誇るに足る経験であった。このコントラストを総体としてどう引き受けていけるのか考えていきたい。

○世界の中の日本、アジア太平洋の中の日本という視点が重要。

○欧州の戦争、アジア・太平洋の戦争が、きちんと仕分けをせずに、時には同じような視点となったり、時には全く別の視点から考えられたりしており、理論的にも具体的にも問題意識を感じる。

○戦後の和解は中国や韓国だけではなく、米国、豪州、欧州を加えた和解であったことを踏まえ、全体を見ていくことも重要な点と考える。

○中国・韓国と東南アジアで日本に対する見方はだいぶ違っているという点をどう見るかについても関心がある。

○日本の行いうる国際貢献のポテンシャルについて、また、自衛隊やNGOが現場で実質的にどんな貢献ができるのかということも含め、対外的な日本の役割についても議論したい。

○国民が誇りをもって仕事をできるようなメッセージを発出したい。

○戦後の貢献に注視し、過去ではなく未来を見て、明るくなるような、夢のあるような議論をしたい。

○国民の意見や認識を引き裂くのではなく、コンセンサスを作っていくような議論をしたい。国民の中にはコンセンサスが形成されつつあると考える。

○国民の中に静かなコンセンサスがあるという見方に賛成するが、一方で、マスコミは分裂している。的確な日本語と的確な翻訳で発信していくことが重要。

○国際関係において政府だけではなく、人々や諸集団の影響が拡大しており、パブリック・ディプロマシーの重要性が高まっている。政府が表明した意図を他国の政府や人々に誤解が生じないようにすることがますます重要。

○この有識者懇談会は米国、アジア諸国などでも注目が高い。

以 上

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/21c_koso/dai1/gijiyousi.pdf


 

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