http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/228.html
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【参院予算委詳報】
安倍首相「友好とは言いなりになることではない」「鳩山元首相で失った信頼取り戻す」
http://www.sankei.com/politics/news/150327/plt1503270030-n1.html
27日に行われた参院予算委員会で、民主党の藤田幸久氏が安倍晋三首相に対して行った質疑の主なやり取りは次のとおり。
【海外メディアの批判】
藤田幸久氏「総理の訪米に対して海外メディアからの批判をどう受け止めているか」
首相「新たな政策に挑んでいく際にはですね、常に批判が伴うものであります。そうした批判の中には的外れなものもある。同時に同時に、誤解についてはしっかりとただしていく必要があるんだろうとこのように思っています。
オバマ大統領との会談において、米国の大統領として初めて尖閣が安保の5条に適用されると、このように大統領から明言されたわけでございます。
その中にある質問を今、紹介していただいたわけだが、エスカレートというのは別に日本に向けられたものではありません。エスカレートというのは相互反応だろうと思う。
尖閣については、まさに日本の固有の領土、国際法的にも間違いのない事実でありますが、その経済水域、あるいはまた領海に(中国の)公船が侵入している大変、残念な事実でございますが、われわれは冷静に毅然と領土、領空、領海は守っていきたいとこう考えているところでございます」
【中国との連絡メカニズム】
首相「昨年、習近平国家主席と首脳会談を行いました。その際、われわれは領海、そして公海の上空における連絡メカニズム、これは第1次政権のときから私が中国側に呼びかけ、残念ながらその後、実行されてきていなかったわけだが、その後、今回、中国側も対応するということになった。
こういうことこそ、エスカレートさせないという、まさに核心ではないかと思うわけでありまして、私はやるべきことはきちんとやっているわけであるし、おおむね首脳の皆さんにはご理解されているんだろうと考えているところではございますが、いずれにいたしましても今後、こうした誤解を解いていくよう努力を重ねていきたい」
藤田氏「一国の首相、歴代の戦後の日本の首相に関して、これだけ他国の指導者が、あるいは他国の有力なメディアがこれだけ、ひとりの首相に対して、(批判を)言っているということは事実として受け止めて対応していただきたい」
【訪米】
藤田氏「岸首相はアジア16カ国を歴訪し、信頼を得た上で訪米した。今回の首相の訪米は順序が逆ではないか」
首相「祖父の業績についてご紹介いただいたことに感謝申し上げます。その上で申し上げますと、マスコミあるいは外国の指導者の一部の発言を取り上げていただいたわけでございますが、同時にそれ以上に私の仕事に対する賛同、支持、称賛も多くあるので、そうしたものも、もしぜひ時間があればご紹介いただければありがたいなと思う」(議場に笑い)。
「その上で申し上げますと、祖父はまさに訪米に際して、当時はまだ賠償が残っておりました。この賠償を決着するのが最大の課題だった。訪米前、訪米後合わせて多くの国々を訪問したわけでございます。まさにこうした地球を全体を、まさに地球儀を俯瞰しながら外交を進めていく。
この手法を私も取っているわけでございます。これは藤田議員もご承知の通り一昨年、ASEANの全ての国を訪問し、そして一昨年暮れには日・ASEANの首脳会合を開いた訳でございます。国内のクーデターなどの情勢により、残念ながらタイのインラック首相は本人が来ることができませんでしたが、他のすべての国々の首脳は日本に一堂に会したわけでございます。つまりこうしたことをしっかり進めていく中におきまして、日本は多くの国々から期待を集めているのだろうと思います。
昨年、シャングリラ会合におきまして法の尊重、海の法の尊重、法の支配の重要性を訴える3原則、私の3原則を打ち出しまして、多くの国々から賛同を得ました。日本の考え方を世界の国々と共有していく、それこそまさにソフトパワーなんだろうと思う。この度の訪米につきましては、日同盟の重要性を共有し、アジア・太平洋地域の平和と繁栄のために日米同盟が主導する、そのことを発信する、メッセージとして発信する訪米にしたいと考えているところでございます」
【慰安婦問題】
藤田氏「1995(平成7)年の衆議院決議に欠席した理由を」
首相「確か決議は新進党は、全員欠席だったのではなかったかと記憶している。同時にまた決議であるにもかかわらず、自民党においては国家決議をする際には平場で議論を重ねるわけですが、残念ながらそれをわれわれが要求したにも関わらず、その議論が重ねられなかったということもあり、私は抗議の意味で欠席しました」
藤田氏「手続きは別として決議の内容については賛成か反対か」
首相「政府として今般までの国会決議、類似のさまざまな決議が行われておりますが、政府として国会決議を尊重するのは当然だと思います」
藤田氏「朝日新聞の記事について問題が指摘されている。一部に誤解のあった報道を認めた。昨年の日韓・韓日議連総会に対する伊吹文明衆院議長の祝辞をどう受け止めているか」
首相「私の考えを申し上げます。慰安婦問題については筆舌に尽くしがたい、つらい思いをした方々を思い、非常に心が痛みます。この点についても思いは、歴代総理と変わらないわけでございますし、伊吹議長もそういう観点から述べられたのだろうと思います。
そして同時に、これまでの歴史の中では多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてまいりました。そのこともまた事実であり、21世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり、日本としても全力を尽くしていく考えであり、そのことも国連などの場所を通じて世界に発信しているところでございます」
藤田氏「朴大統領が54人の慰安婦がいると言っている。その方々の名誉回復と納得できる解決方法はないのか」
首相「私は日韓の関係は大切な関係だと思います。韓国は重要な隣国であります。そしてその上について申し上げれば、隣国であるがゆえに、さまざまな課題や問題を抱えているわけでございます。
世界の多くの国々が隣国との関係でさまざまな課題がある。また歴史があるんだろうと思います。であるからこそ、首脳は前提条件を付けずに胸襟を開いて語り合うべきだろうと思っている。
まさに対話の中から真の友好関係が生まれてくるだろう。対話の中からさまざまな課題に対する理解が深まり、解決に向かって進んでいくことができるのではないか。こう考えている次第であります。
昨年マルチの会議の晩餐会(ばんさんかい)の場ではございましたが、朴槿恵大統領とはその後の晩餐会を通じて、かなり長い時間、率直な意見交換ができました。今後ともこうした努力を続けていきたいと思っています」
【会談に前提条件を付けるべきではない】
藤田氏「隣同士の国が難しいというのは事実だ」
首相「問題というのはですね、会って話さないと解決しないわけであります。私は韓国と、ということではございませんが、会う会わないということ自体を交渉のカードに使うべきではない。これは基本的な交渉姿勢であります。
つまり、会う、会わないということを交渉の材料として使うということになると、つまり会う前の段階からですね、会いたい思うほうは譲歩を重ねなければならないことになるわけでございまして、基本的にはまず、会ってですね、問題を解決していくべきなんだろうと。これが基本的な考えでございます。
日本は世界に向けても申し上げているところでございますが、常に交渉のドアは開けているわけでありまして、韓国側にも話し合いをするという機運が盛り上がってくることを期待したい」
藤田氏「70年の間に日本が対応すべき国々との関係が一番悪くなっている。これについてどう考えるのか」
首相「中国、韓国、北朝鮮、ロシア、日本の友人である台湾との関係を言ってらっしゃるんだろうと思うわけでございますが、中国や韓国は日本にとって、それぞれ重要な国だ。関係を改善すべく努力を進めているところでございます。
また海上連絡メカニズムにおきましては、第1次安倍政権のときに申し出て、その後、民主党政権の3代の総理大臣のときもそれは実現されていないわけでございますが、今回、それが実現される運びとなったということは申し上げておきたい。現在、北朝鮮につきましては拉致問題について、しっかりと調査するよう促している。
私の考えを申し上げておけば、ただ単にこちらの国益を削っていけば、いわば『友好』という状況を作っていくことはたやすいことであります。
しかし、これはまさに本末転倒であって、友好な状況は国益をしっかりと確保するためであります。そのためにしっかりと外交交渉を行っていくことは当然のことであろうと思う。ただただ、相手の言いなりに従っていけばいいのかといえば、そんなことはないわけでありまして、その中でわれわれも努力を続けているわけであります。
またロシアとの関係におきましては、プーチン大統領とは10回以上にわたり首脳会談を行い、信頼関係を構築することができたわけでございまして、その中でウクライナの問題が発生する中におきまして、当然、日本もG7の国として国際社会における責任ある国として力による現状変更というのは決して許されないということを申し上げているわけでございます。
その中で残念ながら、平和条約交渉が進んでいない、これは本当に私も残念なことであろうと、こうは思っているわけではございますが、平和条約が結ばれてないことが異常な状況であることはプーチン大統領と認識を1つにすることができたわけでございます」
「しかし例えば北朝鮮につきましてはそもそも拉致問題が解決しない限り、また核の問題、ミサイルの問題等々があるわけでございますから、そうした問題をただしていくのは当然のことでです。
その前に国交を正常化するということは当然、考えられない。そうした問題をしっかりと解決していくというのが安倍政権の基本的な方針であるということは申し上げておきたい。
台湾につきましては先の東日本大震災の際には多大な支援をしていただきました。そのこと私たちは決して忘れてはならないと思う次第でございます。その中におきまして、われわれの政権になりましてから3月11日における式典の際には、礼を持って対応しているところでございます」
【首相の准国賓待遇での米国訪問】
藤田氏「アジアから信頼を得た上での訪米が大事だ」
首相「この際ですね、私が訪問する際、これは公賓として、准国賓として招待を受けるけでございます。
私は元首ではないので国賓にはならないわけでありますが、事実上の国賓待遇を受けて招待をされているわけでございますし、日本の総理大臣としては初めて上下両院の議員の前で演説を行うことになっています。
これは日米同盟関係の中でも、今まで日本の総理は行ったことはないわけでございます。これは私にとっても大変、光栄なことだとこう思っております。また多くの今、上院議員、下院議員が訪問しております。これは申し訳ないんですが、民主党政権の何倍の数の訪問をしていただいていて、私は(訪問する米議員のほとんどに)お目にかかってお話をさせていただいているところでございます。
藤田議員は一部を選んで紹介していただいておりますが、多くの議員は日米関係が強化されている、先般もデンプシー統参議長が来日をした際、お目にかかったわけでございますが、『日米同盟はまさに今、大変大きな成果を挙げている』と、こう言っていただいている。
しかし、これは米国から何かを言ってもらうということではなく、まさに日米同盟の絆を確かなものとし、日本の平和や安定、地域の平和や安定に資するものとしていく、貢献をしていくということが大切なことであろうとこう思う次第でございます。
われわれはそういう観点を下に、今まで上げている実績をさらに積み重ねていきたいとこう思っている次第でございます」
【沖縄問題】
藤田氏「首相は難しい問題に関しては常にドアをオープンにしてということを言っている。であるならば、沖縄の民意が代わり、知事だけでなく、衆院選挙も含めまして民意がはっきりした。条件を付けずに会ったらいいのではないか」
首相「沖縄との関係においては、残念ながら鳩山由紀夫首相(当時)が『最低でも県外』。首相としてそうお約束して、180度変えられた。このことにおいて政府と地元・沖縄との関係が大変悪化してしまったわけでございます。失われた政府の信頼を取り戻す努力を積み重ねているところでございます。
先般、知事が東京に来られた際は総選挙、また組閣などもあり、私自身は翁長沖縄県知事とお会いする機会がなかったわけでありますが、官邸、政府としてはしっかり対応してきています。
今後とも政府全体で連携して、さまざまなレベルで地元との対話を行いながら、わが国の安全保障や沖縄の負担軽減の全体像についてお話をする中で、普天間の移設についてご理解を得る努力を行っていきたいと考えています。
国と地元とがさまざまな取り組みについて連携を深めていく中で、私と知事との会話の機会も設けられていくものとこう考えているところでございます」
藤田氏「官房長官は国民の目線で基地を視察すべきではないか」
菅義偉官房長官「私は官房長官に就任する前も何回となく、沖縄を訪問して、現場をまさに国民目線の中で視察をいたしております。そして、翁長知事とはこの予算に一定の見通しが付いた時点でお会いをさせていただきたいと思っています。
そして今日まで知事が状況した際に安倍政権の中で、山口俊一沖縄北方担当相は複数回お会いをいたしております。そして官邸の中でも官房副長官、沖縄問題の連絡責任者であります杉田(和博)副長官がお会いしているということも申し上げたいと思います」(了)
[産経ニュース 2015/3/27]
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