http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/203.html
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メディアはほとんど報じていないが、新サービス貿易協定(TiSA)の交渉が進んでいる。これは金融、電気通信、流通、運送、建設、教育、観光など、モノ以外の全ての貿易が対象となるものだ。
現在TPP交渉が漂流する可能性が高まっているため、一部にはTPPさえ破綻させれば何とかなるという雰囲気があるが、それは間違いだ。TiSAの交渉は既に2013年から始まっており、仮にTPPが漂流したとしても次はTiSAが待ち受けている。
ここでは、TiSAについて早くから警鐘を鳴らしてきた内田聖子氏のインタビューを紹介したい。
『月刊日本』4月号
「国家破壊の協定『TiSA』を報じないマスコミ」より
http://gekkan-nippon.com/?p=6740
公共サービスの崩壊を加速させる新サービス貿易協定
── 内田さんは、新サービス貿易協定(TiSA)の危険性について警鐘を鳴らしていますが、マスコミはそれを一切報道していません。
【内田】 TiSAは、文字通りサービス貿易に関する協定で、金融、電気通信、流通、運送、建設、教育、観光などモノ以外のすべての貿易が対象となります。TiSAにはTPPと同様の危険性があり、私は特に電気、ガス、水道や教育、医療といった日本の公共サービスへの自由化の波がさらに強まるのではないかと懸念しています。公共サービスの崩壊は、国民が健康や安全に直結する大問題です。TiSAは、グローバル企業が日本の公共サービスの分野に参入する道具であり、「いのちの市場化」を進める協定となりかねません。
2013年6月に正式にTiSAの交渉が開始され、日本、米国、オーストラリア、カナダ、EUなど22カ国・地域が交渉に参加しています。すでに、1995年に世界貿易機関(WTO)の発足とともにサービス貿易に関する一般協定(GATS)が発効しましたが、WTO交渉は先進国と途上国の対立で「死に体」となり、GATS交渉の動きも止まってしまいました。そこで、新たな枠組みとして出てきたのがTiSAです。
すでにGATS時代に、公共サービスは「必要性」ではなく、「効率」「採算」を重視するサービス貿易の対象とされ、TiSAではその「自由化度」をさらに高めるとしています。しかも、アメリカの大企業だけではなく、ヨーロッパの大企業に対しても日本はサービス市場を開放しなければならなくなります。
TiSAには、現行の自由化の水準を一律に凍結することを義務付ける「スタンドスティル条項」と、いったん自由化した中身を、後になって規制したり再国有化したりすることを禁じた「ラチェット条項」が含まれています。主権にかかわる重大な条項が含まれているのです。
いま世界では、TPPだけではなく、巨大自由貿易協定(メガFTA)の交渉が同時並行で進められています。日本にはTPPとTiSAが、EUには環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)、EU・カナダ間の包括的経済貿易協定(CETA)、TiSAの三つがあるのです。グローバル企業の利益拡大という点では、いずれも根っこは同じであり、ヨーロッパの市民社会は、この三つに同時に反対するという運動状況にあります。
── こうした危険な貿易協定の交渉をマスコミは黙殺しています。
【内田】 TiSA交渉はTPP同様、徹底した秘密主義がとられています。米国は、交渉内容は、TiSA発効日から5年間、機密扱いにすると提案しています。これはTPPの4年間よりも長く、より秘密性が高いTiSAの性格を示しています。
日本政府でTiSA交渉を担当しているのは外務省ですが、そのホームページを見ても交渉に関する詳しい内容は一切掲載されていません。交渉内容はともかく、交渉が行われた事実だけでも公表すべきです。外務省は説明義務を放棄していると言わなければなりません。外務省担当記者は、当然TiSAの交渉が進められていることを知っているはずです。にもかかわらず、一切報道しないのが不思議です。(以下略)
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