http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/198.html
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「中国AIIBに参加しなかったアホな政府 隷米思考の公家集団(世相を斬る あいば達也)」
http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/191.html
AIIB参加問題に関してよくまとまっている論考の一つだと思う。
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日本政府や日本の主要メディアが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、アジア開発銀行(ADB)を補完するアジアの国際公的金融機関の一つとして中国主導で成功することを陰ながら祈っていると言えるくらいの“度量”を見せて参加を見送れば、さすが安倍政権と評価できた。
しかし、日本サイドの言動は、イソップの狐のごとく、AIIBのことを「あのブドウはすっぱい」とケチをつけるようなものである。
そのような言動をよその国の政府や“有識者”が見れば、日本は、参加したくてうずうずしているのに、米国に気兼ねして参加を見送りかわいそうと判断されてしまう。
(二国間の有償支援や国際公的金融は、放埒は許されないが、民間金融機関とは違いより大きなリスクを取ることに意味がある。わかりやすく言えば、民間銀行では危険すぎて手を出せないプロジェクトに融資する役割を担うのが国際公的金融機関であり、国際公的金融機関が焦げ付きを恐れていては存在意義そのものがなくなる)
韓国も参加表明した現時点で残る問題は、米国自身がAIIBへの参加をどうするかということである。
明日か明後日に米国のルー財務長官が中国を訪問する。そして、AIIBの創設メンバーとして参加できる期限である3月31日まで中国に滞在する。
※ 参照記事
「米財務長官 訪中へ 「投資銀行」など協議か:AIIB設立メンバーとして参加申し込み期限の31日まで在中国」
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/345.html
ということは、期限ぎりぎりに「中国当局と協議を重ねて従来の不安は払拭された。域外からのメンバーとして参加することにした」と発表することもできるわけである。
日本政府が米国が参加するという発表を聞いて対応を変えたとしても、創設メンバーとして参加できる期限を越えているかもしれない。
そうなっても、ここまでイソップの狐を通してきた日本はぐっと我慢しアジア開発銀行を根城にアジア開発をサポートすると割り切ったほうがいい。そして、そう遠くない時点で一般メンバーとしてAIIBに参加すればいいと思う。
アジアにおけるインフラ投資は10年間で8兆ドル(年平均666億ドル)も必要だと言われている。
財務省出身の中尾氏(なつかしいね)が総裁を務めるアジア開発銀行(ADB)が1年に融資している金額は60億ドルと言われているから、ADBだけでは必要とされるインフラ投資の約十分の一程度しか賄えないことになる。
中国がAIBB構想を打ち出した背景として、ADBの増資を求めたのに米国や日本の反対にあったことを指摘できる。ちなみに、ADBにおける中国の出資比率は6.46%で、ともに16.65%である米国や日本の半分レベルからも大きく下回りインドと同等である。(中国のGDPは日本のおよそ2倍)
また、今回の「中国主導AIIB銀行参加問題」で米国は外交戦で負けたという見方が主流を占めている。
しかし、そのような見方には与しない。米国(というより欧米支配層)は、意図通りにAIIB参加問題をクリアしてきたと見ている。
詳細は後日投稿するつもりだが、欧米支配層はアジアについて、
○ 「日中分離」
GDP規模で世界第2位・第3位の中国と日本が“蜜月関係”になることを嫌っている。
核兵器とICBMを保有する中国と世界有数の産業技術力を誇る日本が政治と経済の両面でぴったり噛み合うようになれば、アジアは“アジア人のアジア”になり、欧米が手を突っ込みにくくなるからである。
(それどころか、ロングスパンで考えれると、欧米がアジアに手を突っ込まれるようになる)
尖閣諸島領有権問題や南シナ海領有権問題に米国が適度に口先介入するのも、「日中分離」の原則に沿ったものと言える。
○ 日本と中国という二頭の馬を御せるポジション獲得
経済規模で世界第2位の中国と第3位の日本をアジアの2頭立て馬車と見立て、その御者の役割を欧米支配層が務められるよう図っている。
本来的に言えば、アジア開発銀行(ADB)を大きくすることでアジアインフラ投資の増大に対応すべきなのだが、それを拒否し、中国にアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設させた。
これも、「日中分離」政策の一環なのだが、それぞれに欧米支配層が絡むことによって、アジア公的国際金融をある程度コントロールし利益を得ることも可能になる。
現時点で言えば、ADBは米国、AIIBは欧州諸国が関与するという構図である。
日本はTPPに引きずり込まれ(それも対中国牽制策という名目で)米国との交渉を続けているが、米国は、主目的である金融・サービス分野において、中国とのあいだでTPPレベルを超える協定を締結している。
“悪意”で解釈すれば、日本をTPPに引きずり込むことで、日本と中国のFTA(EPA)交渉を遅らせ、その隙間を利用するかたちで大きな果実を得たことになる。
○ 中国を世界レベルリーダー、日本を地域レベルリーダーとして位置付け
日本(人)は今なお世界で最も強く「冷戦思考」に囚われているように思える。
何度か投稿もしてきたが、欧米支配層は、昨年来日したオバマ大統領が恥ずかしげもなく公言したように「中国はグローバルリーダー、日本はリージョナルリーダー」として位置付けている。
中国を自分たちのスタンダードに引きずり込みたいとは思っているが、米国が中国と敵対しているとか、日本を利用して戦争を仕掛けたいなどといった見立ては現実を見誤っていると思っている。
○ 朝鮮半島統一問題
これも何度か投稿してきたが、欧米支配層は、20年までに朝鮮半島の南北分断を解消したいと考えてきた。世界で今なお“戦後冷戦構造”が残っている唯一の場所である。
まずは形式的なものであっても、朝鮮半島が統一するためには、現状のように、南は米国の支配圏、北は中国の影響下というネジレを解消する必要がある。
安倍首相も“悪役”として貢献しているが、朝鮮半島の統一のためには、韓国が中国の関係を密なものにし、南北が揃って中国を政治的経済的後ろ盾と思う状況を創り出す必要がある。
安倍首相は、「従軍慰安婦」問題や歴史認識問題で波風を起こす言動をすることで、韓国を中国に向かわせる貢献を果たした。(韓国や中国は安倍首相のそのような役割を承知)
とにかく、米国がAIIBをめぐる外交戦で敗北したという見方は皮相的だと考えている。
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