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「我が国の6人〜7人に1人は貧困状態に置かれている」
山本太郎の政界デッドボール放談 山本太郎が憂慮「安倍政権が加速させる貧困問題」
http://dmm-news.com/article/929370/
DMMニュース 2015.03.20 07:50
貧困って、身近に感じる?
僕は正直、東電原発事故の前までは、貧困、って聞いてもピンとこなかった。
自分は幸運なことに、生活困窮の経験なし。
周りに貧困状態の人もいなかった、若しくは気づいていなかった。
僕の中で日本の貧困は、ごくたまにすれ違うホームレス状態の人、くらいの理解だった。
貧困は、ほぼアジアやアフリカの途上国の話でしょ?って。
東電原発事故を入り口に、恥ずかしながら、30代後半にさしかかって、
やっと、やっと世の中を見る目がホンノちょっぴり拡がり、
問題だらけと気づいた。
そこから見えた景色は180°、今までと違った。
自分は、自分の事だけを考えてしか生きて来なかった、とカミナリに打たれた気持ちになった。
最初のキッカケは、貧困の当事者から聞いた話だった。
原発が爆発しようが、家族を移動させる電車賃さえないのだから、
どこにも動けませんよ、と。
東電原発事故の影響を考え、移住、と言う話が出るたびに、それを阻む要因で上げられていたのが、祖父母が孫との別居を許さない、
地域とのシガラミ、男が仕事のキャリアを諦めきれない、先祖が守った土地を守る、などの話は聞いた事があった。
電車賃さえも捻出する事が不可能、私たちに選択肢はない、と言う答えに衝撃を受けた。
大人が貧困ならば、同じ家庭にいる子どもも、もちろん貧困。
貧困家庭の子どもは、夏休み中、やせる、と聞いた。
学校があれば、給食を食べる事ができるが、夏休みの様に長期の休みになると、一食減ってしまうので、終業式と次の始業式では体重が変わってしまう。
なんと悲しい話だろう。
その話を聞いてふと、中学時代を思い出した。
学校の食堂でうどんやそばを食べていると必ず、
「汁、飲ませて〜」とかなり冗談ぽく絡んでくるクラスメイトがいた。
その時は、食い意地が張った人、程度にしか考えなかったが、
今思えば、厳しい経済事情の家だったのかも知れない。
貧困状態にある子どもは、孤立してしまう、と聞く。
友達とどこか行くのも、食べにいくのも、お金がなきゃできない。
中高生ともなれば、トンボを追いかけたり、花の蜜を吸ったりで満足できる年頃ではない。
ゲームセンターに行ったり、映画を観たり、ファーストフード店でお喋りしたいものだ。
毎回、誘いを断っていれば、そのうち友達から誘われなくなる。
同じシチュエーションの友達以外はできづらいだろう。
生活保護受給者や低所得の立場に置かれた人々も同じ。
人と最低限繋がるにはお金が掛かる。
子どもでも、大人でも付き合いにはお金が掛かる。
誰かに会いに行くにも交通費が掛かる。
人とお茶や外食するのもお金がいる。
冠婚葬祭に参加するには、お祝い金や香典も必要。
過去の生活保護の分科会では、年配の方々は、近隣、知人、親戚等への訪問や墓参などの社会的費用が他の年齢層に比べ余分に必要、と話し合われ、
老齢加算として70歳以上の人に保護費をプラスαされる事になったが、
自民党政権時代の平成16年度から3年かけて廃止されてしまった。
ギリギリの生活では、人と関わる場面を減らす、無くさなければ生活できない。 当然、疎遠になり、孤立して行く。
我が国の6人〜7人に1人は貧困状態に置かれている。
これからその数はより増え、高齢化していく。
このままでは今よりもお年寄りの孤独死や、
経済的に厳しいことで人と関わる事が難しくなる若い世代も増えていくだろう。
日本国憲法で、健康で文化的な暮らしが保障されているはずではないのか?
「文化的な暮らし」って言うなら、人との関わりを持てる位のお金が最低限、必要ではないだろうか。
安倍政権は生活保護基準(生活扶助費)を10%引き下げるだけでなく、
今年一月、厚労省は生活保護の住宅扶助と冬期加算の引き下げの方針を発表、7月からの実施を見込む、との事。
それにより、文化的どころでない生活を強いられる人々が生まれる。
住宅扶助とは、生活保護の家賃にあたるモノ。
住宅扶助の引き下げを要求する財務省の言い分は、低所得者の平均家賃より、生活保護受給者の住宅扶助の上限が2割高くなってるのがおかしい、と。
この言い分の問題点は2つ。
1つは、低所得者の収入自体が低すぎる。
本来、生活保護を受けられる低所得者が受けられていない。我が国では生活保護を受けるべき人が2割程度しか受けられていない。
生活が貧困に近い、と言う層との比較は無意味。
もう1つは、平均の数字を出したところで、実情がわかるか?
地域や事情によっても家賃は違う。
引き下げによって、住み慣れた街を出て、人間関係も一から作り直せってこと?
ただでさえ、見つかりにくい物件を、また探し直さなければならないし、
また新たに人間関係を作り直す、若しくは諦める、という状態に追いやられる人々が大量に生まれる事は考えていない。
高齢者、傷病者などが生活保護受給の7割以上を占める現状を全く考慮していない。
冬期加算。
全国を6地域に分ける。気温、積雪の期間などを考慮して加算される。
暖房に使う燃料や、防寒着など、厳しい冬を生き抜く為に必要な措置。
これが引き下げられれば、どうなるだろう。
当事者から聞いた話では、朝、自分の寝床に舞い落ちる雪で目が覚め、
ストーブをつける時間も厳格に決め、日が暮れれば布団に入り、光熱費を節約する生活だと言う。
これが冬の北海道や東北、北陸などでは、余裕で氷点下。
冬型が強まれば、場所によっては、マイナス二桁、と言う気温にもなるだろう。
想像するだけで胸が締め付けられる。
こんな生活で、健康で文化的な暮らしと言えるのだろうか。
2015年1月28日参議院本会議、民主党相原久美子議員の代表質問に答えた塩崎厚生労働大臣は、
「生活保護についてのお尋ねがございました。 生活扶助基準については、一般低所得世帯の消費実態や物価の下落を勘案して見直しを行ったものであり、最低限度の生活を営むのに支障のない基準となっていると考えております。また、生活保護法は、日本国憲法第二十五条に定める生存権保障の理念を具体化する趣旨で定められたものであり、政府としては適切に制度を実施しているものと考えております。」と答弁した。
想像力もない人間たちが政治や政権を担当しているのだから、
ここまで酷い事になるのも当然だろう。
原因の1つは、それを選んだ、又は、投票を放棄した有権者の責任だ。
もちろん自分も含む、だから変えたいんだ。
貧困状態や低所得世帯など、家計が苦しい子どもたちの学校生活をサポートするのが、就学援助。
例えば、給食費、修学旅行費、文房具代、クラブ活動費などをカバーするもの。公立小中学校生の6人〜7人に1人が受けていると言う。
この就学援助が、安倍政権の施策により、今まで受けられていたのに、
受けられなくなる子ども達が拡大した。
例えば、東京中野区では200人、横浜市では、977人が対象外になったと言う。
この状況を作り出したのは、間違いなく安倍政権。
第二次安倍政権が誕生し、真っ先に手を付けたのが、生活保護基準の10%引き下げ決定。
生活保護基準を引き下げれば、それと連動して、数々の制度に影響が及ぶ。
生活保護基準は、最低賃金法ともリンクしており、引き下げられた事により、最低賃金が上がりづらくなる状況が生まれる。
国連からも日本の最低賃金は安すぎる、と勧告を受けているにもかかわらず、
最低賃金が上がり辛くするとは、気は確か?
もちろん、気は確か。
これは安い労働力を欲しがる経済界への恩返しにすぎない。
その他にも、生活保護基準と連動する、高齢者の介護保険料の免除など、
低所得者に対する支援制度、38もの制度が、引き下げになる。
政権をとって、真っ先に手を付けたのが、社会的に弱い立場に置かれた人々に対する切り捨て。
もう既に、二年前にハッキリと、制度の変更をもって、
この国の未来は宣言されている。
貧乏人は死ね。
お前ら自己責任で生きろ、と言うのか。
自己責任で生きろ、ってスタンスの国に、どうして税金を納めなきゃいけないのだろう?
散々、税金を払わされて、受けられるサービスが極端に少ないなんて、
あり得ないだろ。
一体、何様のつもりなんだろう。
殿様か?
いやいや、この国に生きる人々が納めているのは、年貢じゃなくて、税金。
勘違いされては困る。
総理であろうが、大臣であろうが、ヒラの国会議員であろうが、
税金で食べさせて戴いている。
国会議員も、大臣も、総理大臣も何ひとつ偉くない。
期間限定の代理人にすぎないんだよ。
1番弱い立場に置かれた人々を切り捨てる事も政治、
というなら、政治なんて存在する意味なし。
勝手に生きろ、って政治なら、もう必要ない。
あなたが、私が、万が一、生活困窮という立場に置かれた場合、
人間の尊厳を失わず、絶望せず、もう一度人生を歩き出せるセーフティネットを担保する為にも、政治は必要なんだ。
税金払う値打ちがある、って感じて貰える政治、お金の使い方やろうぜ。
社会的な地位がある、収入があるお金持ちには、
少々高い税金を払って戴かなきゃならないんだよ、
例え政治家や政党の大切なお友達であってもね。
それが富める者の社会的な務めなんだ。
道徳教育が必要なのは、政治家と高級官僚だけじゃない。
税金が高くても自分の納税がこの国と立場の弱い人々を支えているんだ、って言う気概も持てない強欲で根っからの成金気質の大企業の経営陣にも必要ではないか?
自分たちの税金が安すぎる、もっと俺たちから税金を取れ、と富裕層への増税に賛成しているフェラーリの会長や投資家のウオーレン・バフェット氏、の爪の垢でも煎じて飲んでもらった方がいいだろう。
社会的使命を無視して、自分の私腹を肥やす親父達に財産の全ては墓場に持って行けない、と理解できる道徳教育が1番必要ではないか?
今やるべき事、直ちに手を打たなきゃならない事はハッキリしている。
消費税廃止に向けて一旦税率を5%に戻す。
資産課税と所得税の累進制強化。
生活保護基準の10%引き上げ。
最低賃金の大幅引き上げ。
希望者の全員正社員化。
奨学金の完全無利子化。
これらができなければ、貧困問題は拡大の一途。
現状では、貧困家庭に生まれた子どもたちは、
貧困のループからほぼ一生抜け出す事は出来ない。
最近の若い奴らは根性が足りない、やる気がない、とかの話じゃない。
それ以前の問題なのだ。
著者プロフィール
rensai_yamamototarou.jpg
参議院議員
山本太郎
1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。
公式サイト/参議院議員山本太郎
http://www.taro-yamamoto.jp/
公式ブログ/山本太郎の小中校生に読んでもらいたいコト
http://ameblo.jp/yamamototaro1124/
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