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2015年3月19日
2013年3月5日の衆議院議員運営委員会
日銀副総裁人事に同意を求める件で議院運営委員会が開催され、日銀副総裁候補の岩田規久男氏が参考人として招致されて質疑が行われた。
このなかで、津村啓介氏が質問に立ち、岩田氏が答弁を行った。
津村委員 二%ということを先ほどおっしゃられていましたが、岩田さんは、全責任を負う、マンデートだ、それを市場が信頼するからこそインフレ期待が上がるんだ、それについては現行の日銀法では不十分ということをおっしゃいましたが、これから中央銀行のトップ、副総裁につかれるとなれば、運用で、自分はこうやるんだ、全責任を負うんだということを明確にされることで、ある意味では、岩田さんのおっしゃる今の法の不備といいますか、そこを補っていかれるということだと思います。
そこで、お伺いしたいんです。
一つは、二年とおっしゃるのは、この就任の三月から二年後、つまり再来年の春ということでよろしいかというのが一点。
それから、もう一つは、全責任を負って市場の信頼をかち取るということですから、それが達成できなかった場合の責任の所在ということははっきりとさせていかなければいけないと思いますが、それは、職を賭すということですか。
○岩田参考人 それは当然、就任して最初からの二年でございますが、それを達成できないというのは、やはり責任が自分たちにあるというふうに思いますので、その責任のとり方、一番どれがいいのかはちょっとわかりませんけれども、やはり、最高の責任のとり方は、辞職するということだというふうに認識はしております。
○津村委員 二年間というのは、二年後の春、つまり、二〇一五年の春の消費者物価の上昇率二%ということを目標とされる、そして、最高の責任のとり方としては、職をかけるということでよろしいですね。
○岩田参考人 それで結構でございます。
2013年3月15日午前の参院本会議で日銀副総裁人事案が自由民主党、公明党、みんなの党など各党の賛成多数で可決された。
自由民主党、公明党、みんなの党、日本維新の会、国民新党、新党改革が賛成し、
民主党、生活の党、日本共産党、みどりの風、社会民主党が反対した。
この国会同意を受けて、岩田規久男氏は2013年3月20日に日銀副総裁に就任した。
直近のデータである2015年1月の消費者物価上昇率は、
総合指数の前年同月比 +2.4%
食料及びエネルギーを除く総合の前年同月比 +2.1%
である。
消費税増税の影響を除くと、
総合指数の前年同月比 +0.4%
食料及びエネルギーを除く総合の前年同月比 +0.1%
である。
岩田規久男氏は、上記の議員運営委員会の冒頭で所信を述べた。
そのなかで、
「日本銀行は、消費者物価の上昇率二%を必ず達成する、この達成責任を全面的に負うという立場に立つ必要があるというふうに思います。」
と発言した。
つまり、消費者物価上昇率を副総裁就任後の2年間で実現することを述べ、その達成責任を全面的に負うことを明言したのである。
ところが、現実のインフレ率は総合指数で+0.1%、食料・エネルギーを除くベースで+0.4%である。
岩田規久男氏は、目標達成についての結果責任について、
「やはり、最高の責任のとり方は、辞職するということだというふうに認識」
していると明言した。
岩田氏が日銀副総裁に就任して丸2年の時間が経過した。
インフレ率はほぼゼロという状況である。
岩田氏は、2年前の自身の発言を踏まえて、日銀副総裁を辞任するべきである。
言葉に対する責任を持つことが重要である。
岩田氏は、インフレ目標の実現が可能であるとの説を主張してきた。
しかし、そのインフレ目標は実現していない。
岩田氏が主張した「説」が正しくなかったことが現実によって証明されている。
金融政策運営に対する信認を維持するためにも、岩田氏は副総裁を辞任するべきである。
また、国会は、岩田氏を参考人として招致して、この問題についての結果責任を適正に問うべきである。
厳しい意見だと思われる方もいるかも知れないが、岩田氏は国会における同意人事の質疑において、インフレ目標に関する結果責任を明確に提示して、そのことについて職を賭して責任を負うことを明言したのであるから、副総裁を辞任するべきである。
このようなことについて曖昧な処理をするから、この国のすべてが根腐れを起こすのである。
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