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2015-03-16 08:01:25
日本という国がアメリカの事実上の属国であることは、誰しも異論のないところではないでしょうか。ただ、それがどんな構造によって操ることができるようになっているかは、いまひとつ理解が進んでいません。
そこをきちんと説明する書籍として高く評価されているのが、矢部宏治氏の「日本はなぜ『基地』と『原発』を止められないのか」です。宇宙人、鳩山由紀夫氏も著者との対談で、「この本を読んでいれば、(米国の日本支配の構造について知識があれば)私も総理を辞めずに済んだかもしれない」と、率直な感想を述べています。
日常的に日本を支配するシステムは、毎月2回行われる「日米合同委員会」によってでした。
「日米合同委員会」は、在日米軍のトップと、日本側は外務、法務、財務など枢要省庁の幹部が定期的に会議を開き、あらゆる重要問題について”意見交換”します。表向きは”意見交換”の場ですが、実体はアメリカ側の意向がストレートに伝達される場です。つまり、アメリカが軍の意向の形をとって、日本に「こうしろ」と指示する場なのです。
この会議に参加した日本の官僚は、出世が約束されているようです。
なによりも重要なのは、この合同委員会で適用される法体系は、日本国憲法の上位に位置する、つまりほぼオールマイティーなことです。官僚は法によって職務を行いますので、憲法よりも上位の法規があればそれに従うのが当たり前なのです。だから、時の総理の指示よりも、米国との協議事項の方を優先させます。
この「箕面通信」で以前にも触れましたが、この合同委員会が背骨となり、表舞台では米国大使館、種々の協議体が、さらに、マイケルグリーン、ジョセフ・ナイなどのジャパン・ハンドらーずが補強する強力な枠組みができあがっています。
以下、インターネット上に投稿された対談内容を転載させてもらいます。
「鳩山由紀夫氏:首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体/「それはつまり『日米合同委員会』の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということ』」
転載元:週プレNEWS 2014年12月15日(月)6時0分配信より
「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」で話題の矢部宏治が
鳩山友紀夫と“日本の真の支配者”を語った!【前編】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141215-00040591-playboyz-pol
日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩むための方法を議論
民主党・鳩山政権の崩壊と沖縄の基地問題を出発点に、日本の戦後史を振り返った話題の新刊『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)の著者・矢部宏治(やべ・こうじ)氏。そして、まさにこの本を執筆するきっかけとなった鳩山友紀夫元首相。
このふたりが、辺野古移設反対派の圧勝に終わった11月の沖縄県知事選や総選挙を踏まえ、事実上、今も米軍の占領状態が続いているこの国の姿と、日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩んでいくためにはどうすればいいのか、その方法を考えた!
■首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体
―まずは鳩山さんに、矢部さんの本を読まれた率直な感想から伺いたいのですが?
鳩山 正直申し上げて“ぶったまげた”というか、矢部さんがここまで勇気を持って取材され、この本を書かれたことに敬服しました。先にこの本を読んでいれば、私も総理を辞めずに済んだかもしれない、と(笑)。
もちろん、私は自分の非力について言い訳する気はありません。総理として一度は沖縄県民に期待感を与えながら(県外移設を)実現できなかったのは私に大きな責任があります。
ただ、この本を読んで、当時、自分がもっと政治の裏側にある仕組みを深く理解していれば、結果が違っていた部分もあるのかなとは思いました。それだけに、自分が総理という立場にありながら、この本に書かれているような現実を知らなかったことを恥じなきゃいかんと感じるわけです。
矢部 鳩山さんは以前、インタビューで「官僚たちは総理である自分ではなく『何か別のもの』に忠誠を誓っているように感じた」と言われていましたが、その正体がなんであるか、当時はわからなかったのでしょうか?
鳩山 物事が自分の思いどおりに進まないのは、自分自身の力不足という程度にしか思っていませんでした。本来ならば協力してくれるはずの官僚の皆さんには、自分の提案を「米軍側との協議の結果」と言って、すべてはね返されてしまって。分厚い壁の存在は感じながらも「やっぱりアメリカはキツイんだなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。その裏側、深淵の部分まで自分の考えは届いていなかったのです。
しかし、矢部さんのこの本はもっと深いところで米軍と官僚組織、さらには司法やメディアまでがすべてつながって一体となった姿を見事に解き明かしてくれて、いろんなことが腑(ふ)に落ちました。この本を読んで、目からうろこが何枚落ちたかわからないくらい落ちましたね。
矢部 在日米軍と日本のエリート官僚で組織された「日米合同委員会」の存在は、当時ご存じなかったということでしょうか?
鳩山 お恥ずかしい話ですが、わかりませんでした。日米で月に2度も、それも米軍と外務省や法務省、財務省などのトップクラスの官僚たちが、政府の中の議論以上に密な議論をしていたとは! しかもその内容は基本的には表に出ない。
私が総理の時にアメリカから「規制改革をやれ」という話があって、向こうからの要望書に従って郵政の民営化とかがドンドンと押しつけられた。そこで「この規制改革委員会はおかしいぞ」というところまでは当時もわかっていたのですが。
矢部 日米合同委員会は基本的に占領以来続く在日米軍の特権、つまり「米軍は日本の国土全体を自由に使える」という権利を行使するための協議機関なのですが、この組織が60年間続いていくうちに、そこで決まったことには、もう誰も口出しできないという状況になってしまった。
なかでも一番の問題は、日米合同委員会のメンバーである法務官僚が、法務省のトップである事務次官に占める割合は過去17人中12人、そのうち9人が検事総長にまで上り詰めている。つまり、米軍と日本の高級官僚をメンバーとするこの共同体が、検察権力を事実上握っているということなんです。
しかも、在日米軍基地の違憲性をめぐって争われた1959年の砂川裁判で、当時の駐日米国大使だったダグラス・マッカーサー2世が裁判に不当な形で介入し、「日米安保条約のような高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしない」という判例を残してしまった。ですから日米合同委員会の合意事項が仮に憲法違反であっても、日本国民にはそれを覆(くつがえ)す法的手段がない。
鳩山 それはつまり日米合同委員会の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということですよね。そのことを総理大臣の私は知らなかったのに、検事総長は知っていたし役人も知っていたわけだ。
矢部 ですから、鳩山さんの言う「官僚たちが忠誠を誓っていた何か別のもの」、つまり鳩山政権を潰(つぶ)したのは、この60年続く日米合同委員会という米軍と官僚の共同体であり、そこで決められた安保法体系だというのが現時点での私の結論ですね。―そうした仕組みの存在を知った今、鳩山さんはどのような思いなのでしょうか。
鳩山 日米合同委員会に乗り込んでいきたいぐらいだね。「何をやってるんだ、おまえら!」みたいな感じで。
ただ、そういうものが舞台裏で、しかも、憲法以上の力を持った存在として成り立っていたとしても、決してメディアで報道されることもないし、このメンバー以外にはほとんど知られないような仕組みになっているわけですよね。
矢部 このような「見えない力」の存在は、政権内にいないと、野党の立場ではまったく知り得ないものなのでしょうか?
鳩山 私も自民党時代がありましたので、8年は政権党にいたわけですが、当選1回や2回の新人議員の間は、官邸内部で何が動いているか知りようもありませんでした。でも与党の一員としては扱ってもらっていたと思います。
それが野党となると、与党、特に与党の中枢の方々とは情報量が圧倒的に違う。官僚も野党に話す場合と与党に説明に行く場合では、丁寧さも説明に来る人の役職も全然違う。そのぐらい野党に対しては官僚は区別し、冷たい対応をしていました。
つまり、自民党政権と官僚機構が完全に一体化していたということです。野党は圧倒的に情報過疎に置かれているのは事実で、国民はその野党よりも情報が少ない。
この先、特定秘密保護法によって、ますます国民には何も知らせない国になるわけで、非常に恐ろしいことだと思います。
(以上、転載おわり)
江戸時代にピリオドを打った維新後の明治政府は、徳川幕府がペリー提督と結んだ不平等条約の改定に懸命に取り組みました。しかし、敗戦後の日本政府は、70年間一貫して占領状態を許したままです。
安倍晋三氏が尊敬し見習おうとしていると見られている祖父の岸信介・元首相は、片務的で不平等な安保条約を改定しようとし、「60年安保闘争」後に辞任しました。いま、安倍氏は、アメリカ追随の政策によって、日本を売り渡す所業に走っています。「日米合同委員会」の意向に反する政策は、わが身の総理としての任期を縮めるだけと割り切っているようです。わが身大事の総理を戴きつづける日本です。
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