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李克強を通じて発せられた習近平の外交攻勢に安倍首相は正しく対応できるか
http://www.amakiblog.com/archives/2015/03/16/#003183
2015年03月16日 天木直人のブログ
かくも早いタイミングで、しかも全人代閉幕直後の記者会見という世界が注目している場面で、習近平の中国が安倍の日本に決断を迫るとは思わなかった。
もちろん、3月15日の李克強首相の安倍談話に対する中国側の立場表明のことである。
あの記者会見は村山談話を引き継げという前段ではなく、日中関係改善に期待するという後段にこそ重要な意味があるとみるべきだ。
村山談話を引き継いでくれるなら、その時点で過去の問題を終わりにし、その後は未来志向で行こう、自分は責任を持って日中関係の改善に努力する、こう言っているととるべきだ。
そして私が安倍首相なら、それに見事に応える。
たとえ自らの信念に反しても、国と国民の為に最善の策を選ぶ。
これが、国の命運を握る指導者の器量というものである。
そしてそれは安倍首相の為でもある。
もちろん、今の安倍首相には日中関係以外にも取り組むべき難問は山ほどあり、そのいずれもが彼では正しく解決出来そうもないものばかりだ。
しかし、その中でも、喫緊の最重要外交課題である日中関係を改善させたなら、政権に弾みがつくだろう。
安倍首相は今後末永く続くであろう良好な日中関係のきっかけを築いた首相となり歴史にその名を残す事になる。
しかし結論からいえば、そうならないだろう。
今の安倍・菅コンビと取り巻き連中、そしてそれに追従するこの国のメディアは、このメッセージの意味を正しく理解できそうもないからだ。
安倍政権は、この季克強首相を通じて発せられた習近平主席の安倍首相に対するメッセージを、安倍談話へのいつもの牽制であるとしか見ない。
そしてまたメディアもそうしか書かない。
私の想定外だったのは、習近平がこの重大なメッセージを公開の場で行った事だ。
私は、この重大なメッセージは、極秘裏に、日本から訪中する安倍側近政治家たちを通じて、安倍首相に伝えらのだろうと考えていた。
なぜならば、もしそれが公表されれば、安倍首相は追い込まれる。
習近平にここまで言われて、やすやすと応じたなら安倍応援団に非難されるから出来ない。
その一方で、たとえ戦略的発言であるにしても、ここまで習近平の中国が正論を言い、そして譲歩の姿勢を見せたのに、それでも安倍首相が拒否すれば、その時こそ安倍首相は世界から批判されることになるからだ。
その一方で、習近平主席もまた大きなリスクを負うことになる。
ここまで譲歩しておきながら安倍首相にそれを拒否されれば面目丸つぶれだからだ。
いきおい日中関係を更に悪化せざるを得なくなる。
それは習近平主席にとっても決して本意ではないはずだ。
と、ここまで書いて来て、これはひょっとして、安倍首相訪米を前にして習近平主席が安倍首相と米国に仕掛けて来た外交攻勢ではないかと思ったりする。
それならなおさらだ.
安倍首相には正しい対応が求められる。
果たして安倍首相はこのチャンスを活かせるか。
それとも千載一遇のチャンスをピンチにしてしまう愚をおかすのか。
けだし見ものである(了)
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