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冨沢暉元陸上幕僚長と川内原発(C)日刊ゲンダイ
「生ぬるい」 日本の“原発テロ”対応に元自衛隊トップが警鐘
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158085
2015年3月15日 日刊ゲンダイ
「国連防災世界会議」がきょう14日から仙台で始まる。テロ対策も議論される予定だが、ここで笑いものになりそうなのが安倍首相だ。イスラム国の事件以降、日本においてもテロのリスクが格段に高まっているが、何の対応もしていないからだ。
とりわけ、専門家から危険視されているのが原発テロ対策だ。小泉純一郎元首相は11日、福島で行った講演でこう言った。
「世界の人はみんな『日本の原発は一番テロに弱い』と言っています。原発テロが日本で起きたら、この福島どころでは済まない」
これは本当の話で、自衛隊トップだった冨沢暉・元陸上幕僚長もこう言っている。
「日本にとって一番恐ろしいのは原発をテロゲリラに襲われること。テロゲリラ対策をしないと、福島原発事故以上の被害を招く恐れがある」
■法整備、訓練も手付かず
冨沢氏が警鐘を乱打しているのは、過去の生々しい体験があるからだ。
「93年から94年、北朝鮮とアメリカが戦争寸前の状態になった際、当時の石原信雄・官房副長官が各省の役人に有事対応を考えるように指示しました。そのとき、警察庁の警備局長が私に『北陸地方の原発がテロゲリラに襲われた時には我々にはどうしようもありません』と切り出し、『機関銃やロケット弾を持ってくるテロゲリラに対応しようとしても、警察の力ではどうしようもない。その時は自衛隊が〈治安出動〉で出てくれますよね』と聞いてきたのを覚えています。私は、戦争状態になる〈防衛出動〉であればいざ知らず、『〈治安出動〉だったらできませんよ。自衛隊は70年以降、治安出動の訓練はしていないのですから』と答え、要請を断りました」
90年代に北に原発テロをやられたら、日本はどうしようもなかったということだが、問題はこの状態が今も続いていることだ。
「原発テロ対策は一義的には警察の役回りで、自衛隊の方にはそういう役割がないので訓練もしていないのです。警察がお手上げになって自衛隊が出ていっても、相手を逮捕するのが基本の〈治安出動〉の延長では、人を殺さないのが原則です。そんな生ぬるいことでテロゲリラ対策ができますか」(冨沢氏)
法整備も含めた対テロ対応、訓練が全然、手付かずなのである。再稼働先にありきの安倍政権の危うさには、世界中がのけぞっている。
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