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独メルケル首相の「宿題」にどう対応するのか photo Getty Images
安倍首相に重い宿題を残したメルケル首相、際立った日本対応の仕掛け人
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42479
2015年03月14日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
■官邸サイドは一時ホッとしたが・・・
7年ぶりに来日したドイツのアンゲラ・メルケル首相が残した「宿題」の持つ意味は小さくない。
3月9日午前の東京・築地の朝新聞社浜離宮朝日ホールでの講演、同日夕の安倍晋三首相との日独首脳会談、その後の共同記者会見、そして10日午前の岡田克也民主党代表との会談――メルケル首相は相手と場によって発言内容を調整していたのだ。
そもそも首相官邸は、実はメルケル首相が首脳会談前にセットされていた講演で歴史認識問題について言及し、安倍・メルケル会談で安倍首相が8月15日に発表する「戦後70年談話」に“注文”をつけてくるのではないかと心配していた。ところが、直接的な言及はなく、官邸側は安堵した。
だが、メルケル首相は講演で、先に亡くなったヴァイツゼッカー元大統領が欧州終戦の1945年5月8日を「解放の日」と呼んだことを紹介した上で「それはナチスの蛮行からの解放であり、ドイツが引き起こした第2次大戦の恐怖からの解放であり、そしてショアー(ユダヤ人絶滅政策)という文明の破壊からの解放でした」と語った。
さらに「そうした苦しみがドイツによって欧州に、そして世界に広がってしまったにも拘わらず和解の手がドイツに差し伸べられたことをドイツ人は忘れません。当時はまだ若いドイツ連邦共和国に対して多くの信頼が寄せられたことは私たちの幸運でした。こうしてドイツは国際社会への道のりを拓くことができたのです」と述べ、やんわりとクギを刺すことを忘れなかった。
そしてトップ会談でも、ナチス・ドイツの行為を検証してきた戦後ドイツの経験について言及したものの、戦後70年に関する発言はなく、官邸サイドはほっとしたという。
■「慰安婦問題はきちんと解決した方がいい」
ところが、それからのメルケル発言は少しずつ変わっていく。共同記者会見では「過去の総括はやはり和解のための前提になっている」と言明し、第2次大戦後にドイツが周辺国、特にフランスと和解をするため、戦時中の過去と向き合う努力をしてきたことを強調したのだ。
極めつけは、岡田民主党代表との会談である。『朝日新聞』と『東京新聞』(共に3月10日付夕刊)が報じただけだが、「東アジアの状況を考えると、日韓関係は重要だ。慰安婦問題はきちんと解決した方がいいのではないか」と語ったというのだ。約40分の会談で約30分が歴史認識問題に言及したという。
日独首脳会談では、6月にドイツのシュロス・エルマウで開催される主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)でテロとの戦いを主要テーマとすることで一致した他、ウクライナ危機対処について対ロシアで共同歩調を取ること、日・EUの経済連携協定(EPA)の年内合意を目指すこと、日独にインドとブラジルを加えた4ヵ国で国連安保理事会改革を促進することなどテーマは多岐にわたったが、両首脳が角を突き合わせる場面はなかった。
こうしたメルケル首相の際立った日本対応は、いったい誰の助言によるものなのか。ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン駐日独大使は外務省生え抜きである。1984年以来の外務省キャリアの中で、日本との接点は「日本におけるドイツ年2005/2006」準備室長(2004年〜05年)と東アジア課長(05年〜07年)だけだ。
となると、知恵者は他にいる。ドイツは首相府の権限は絶大なものがある。安倍首相の外交・安保政策ブレーンである谷内正太郎国家安全保障局長(元外務事務次官・1969年外務省入省)のカウンターパートはクリストフ・ホエスゲン首相外交補佐官(閣僚級)である。だが、首相府で二国間関係担当部長を務めるエルガ・バルト女史が、実は一連のメルケル発言の仕掛け人なのだ。
安倍首相は4月22〜23日にジャカルタで開催されるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議での演説の中で、メルケル首相が残して帰った「宿題」の回答を示すことが出来るのかどうか、見守りたい。
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