http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/390.html
Tweet |
こうやって壊れていくのか みんな心配している安倍総理「ちょっとゴーマンな感じ」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42425
2015年03月12日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
最近、国会中継で安倍総理の言動を目にして「あれ?」と思った人もいることだろう。口をとがらせたり、ひとりでしかめ面をしたり、すぐに怒ったり—。総理の中で今、何が起きているのか。
■「日教組」ヤジの理由
「60年以上前の'53年、当時の吉田茂総理がやはり衆院予算委員会で『バカヤロー』と発言した際には、『国会軽視だ』と野党から激しく追及され、衆院解散・総選挙にまで追い込まれました。これがいわゆる『バカヤロー解散』ですが、それ以降、総理自身が国会で不規則発言をした例は寡聞にして知りません。
しかも今回は、総理のヤジが事実無根だったことがすぐに判明した。本来ならば、これは総理の品格と責任を問わざるを得ない問題です。
それにしても、安倍総理も自民党も『絶対多数』にあぐらをかいているのではないか。『何をやっても、最後は数で押し切れる』という傲慢が態度に表れています」
こう語るのは、ノンフィクション作家で評論家の柳田邦男氏だ。
「日教組っ!」「日教組どうするの」「日教組……」
2月19日、衆議院予算委員会。民主党の玉木雄一郎議員が質問している最中、大臣席に深々と腰かけたままで、安倍総理が突然こう声を上げた。大島理森予算委員長が「静かに」と声をかけるが、なおも「日教組」と繰り返す総理。
このとき、安倍総理が口をとがらせ、ニヤニヤと笑う映像を見て、不思議に思った人もいるだろう。なぜ総理は、玉木議員を嘲るように笑っていたのか。そもそもなぜ「日教組」なのか。全国紙政治部記者が解説する。
「新聞などの報道では『総理のヤジは、民主党が日教組(日本教職員組合)関連団体から献金を受けているのではないか、という指摘のつもりだった』と説明されていましたが、実は『日教組』とは、分かる人には分かる符牒のようなものです。
ネット上では今、日教組が『自虐史観を子供たちに植え付けている』とか『学校行事での国旗掲揚・国歌斉唱に反対している』などの『反日勢力だ』という言説が広まっている。
つまり、『日教組!』というヤジには『お前たち民主党は反日勢力の支援を受けているくせに』という意味が言外に込められていたのです。実際、この安倍総理のヤジはネット上では『よく言った』と称賛されています」
インターネットで過激な排外主義的主張を行い、安倍政権を熱狂的に支持する、いわゆる「ネット右翼」の存在が知られて久しい。総理の公式フェイスブックには今も「中国・韓国とは断交しろ」「ゴキブリ在日」などといった彼らの口汚いコメントがあるが、中には今回のヤジを、このように賛美するものもあった。
〈「日教組」とご発言にキーワードをまぎれこませる手法が素晴らしいです〉〈日教組に日本の教育は託せません。民主党の支持団体である日教組は日本に必要ない〉
こうした事実から分かるのは、自分たちの意見に反対する者を悪者と決め付けて罵倒する「ネット右翼」と、総理の考え方がきわめて近いこと、そして総理も彼らと同じくネットを情報源にしているということだ。そして総理は、国会で「日教組」と口にするパフォーマンスが「ネット右翼」にウケるのを期待して、あのような脈絡のないヤジを飛ばしたのである。
だが、こうした理屈がひととおり分かったところで、安倍総理に対して何ら共感は湧かない。むしろそんなくだらないことを、全国民が注目する国会の議場で口に出すなんて、「ちょっとおかしいのではないか」と違和感を覚えるのがマトモな大人の感覚だろう。
間違えても開き直る
ましてや、発言の主はわが国のトップだ。こうなると、もはや政権を支持する、しないという以前の問題、総理の資質が問われる事態になってくる。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が嘆く。
「総理大臣がネットで得た不確かな知識をもとに国会で答弁するなど、情けないとしか言いようがありません。国会をあまりに軽視する安倍総理の態度を見ていると、まず国会の役割を理解さえしていないのではないか、と疑わしくなってきます。
民主党は日教組関連団体から献金を受けておらず、総理も『ヤジは間違いだった』と認めました。しかし、仮にこれが正しいものだったとしても、『普通、総理大臣が国会でヤジを飛ばすか?』という話ですよ。国会で質問に立つ議員の背後には、彼らに票を投じた国民が必ずいる。それを侮辱するということは、国民を軽んじることに等しい」
確かに、総理は23日の衆院予算委員会で「正確性を欠く発言があった」としてヤジを撤回した。しかし、その表情に何ら悪びれるところはなかった。「少々間違えましたが、何か問題でも?民主党が政権に盾突くけしからん輩であることに変わりはない。私の支持者もそう考えている」とでも言わんばかりである。
世界を「敵」と「味方」の二つに分け、「敵」と思い込んだ対象は徹底的に叩く。大事なのは理屈ではなく気分だ。ニヤニヤしながらヤジを飛ばす安倍総理の表情には、そんな物騒な考え方が透けて見える。恐ろしいのは、安倍総理の考える「敵」には「総理と違う意見をもつ国民」も含まれるということだ。
こちらには291もの圧倒的な議席数、そして何が起きても下がらない支持率がある。国会など、のらりくらりとやり過ごしておけばいい。多数決をすればどうせオレが勝つんだから—。柳田氏も冒頭で指摘した通り、安倍総理の「傲慢」はこうした「数の力」にも裏付けられている。
事実、第三次政権が発足してからというもの、安倍総理は以前にもまして「国会なんてどうでもいい」「どんなに適当なことを言っても、どうせ追及されない」という態度をあからさまにとるようになった。圧倒的な「支持」—その内実は「無関心」なのだが—を得た自分は、国民を味方に付けたと思い込んでいるのだ。
「イスラム国」による日本人人質事件の際に述べた、「犯人を法の裁きにかける」「日本人には指一本触れさせない」という言葉。先日、西川公也農水大臣が辞任したときの「任命責任は私にある」という言葉。安倍総理はいずれも言いっ放しで、その後何の行動も伴っていない。
こうした事実が十分に追及されない原因は、ひとえにマスコミの萎縮である。前出の全国紙政治部記者が言う。
「NHKの番組内容に口を出したことに始まり、テレビ朝日『報道ステーション』やNHK『ニュースウオッチ9』の出演者への干渉疑惑、さらには政権に不利なネタを書いた新聞記者の犯人探しをしたり、総理自身が朝日新聞の報道を名指しで『捏造』と言ったりと、報道機関に対する政治の介入が度を越しています。
以前なら、これだけ大臣が立て続けに辞めればとっくに政権は倒れていた。しかし今はどの社も制裁が怖いうえ、官邸を忖度して抜け駆けでネタを貰おうとする記者が後を絶たないこともあり、詰め切れないのです。安倍政権が長期政権になる以上、自分だけが官邸の怒りを買い、ネタを取れなくなるという事態をどの記者も恐れている。
それに『もはや政治ネタがウケる時代ではない』という事情もあります。西川農水相の『説明しても分からない人には分からない』という辞任会見は以前なら大問題になったはずですが、世間は西川氏のような小物には関心がないから話題にもならないし、あっという間に忘れられてしまう」
■総理と対照的な「あの方」
最短でも向こう3年という長期政権の切符、そして国民の無関心によるフリーハンドを手にし、今年に入って次々と「やりたかったこと」、つまり安全保障の見直しと戦中・戦後史の再検証、そして憲法改正の準備に着手した安倍総理。不安を募らせているのは、一般の国民ばかりではない。
「お立場上、天皇陛下がご自身の思いを口にすることは少ないですが、平和に対する考え方が陛下と総理で大きく異なるのです。政府と皇室の関係は今、とても危険な状態にあると言えます」
こう話すのは、天皇陛下の学友で、ジャーナリストの橋本明氏だ。
今夏の終戦記念日に合わせて独自の「戦後70年談話」を発表するため、安倍総理は有識者会議を設置し、先月25日に初会合を開いた。その一方で、天皇皇后両陛下は「元気なうちに太平洋戦争で戦地となった海外の地域をできる限り訪れ、戦没者を慰霊したい」というご意向から、この4月にはパラオ共和国・ペリリュー島を訪問する予定だ。
「天皇陛下には、『日本の憲法は、アメリカの知識人の力も借りて作った遺産である』というお考えがあります。そして、それを守ることこそ国際貢献になるという信念を昔から持っておられる。ところが一方の安倍総理は、改憲に邁進し、『積極的平和主義』を唱えて海外に自衛隊を派遣することを、国際貢献と考えている」(前出・橋本氏)
とにかく「憲法も歴史認識も全部変える」と息巻く安倍総理と、「まずは戦争の犠牲者に向き合わねば」という天皇陛下の思いは実に対照的だ。数学者の藤原正彦氏が言う。
「安倍総理に限らず、今の政治家は『反射神経』だけで行動している。論理とか思想とか、深いところから出てくるものを失っていると感じます。
国会でのヤジの応酬にしても、今は格差問題やTPPといった、国民にとって真に大切なことを議論すべき時のはずでしょう。国民は、政治家が本当に建設的な議論をしているか、道を踏み外していないか、普段から注視しなければなりません」
安倍総理の言動に「政治家はこうしておかしくなっていくのか」という思いにかられる人も少なくあるまい。戦後70年の節目に何が待っているのか、今から心配になってしまう。
「週刊現代」2015年3月14日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK181掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。