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いよいよ支離滅裂になってきた安倍外交 永田町の裏を読む/高野孟
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157964
2015年3月12日 日刊ゲンダイ
安倍晋三首相が4月下旬にジャカルタで開かれる「バンドン会議」60周年記念の首脳会議に出席し、「平和国家」としての日本の姿をアピールする演説をするつもりだという。「これって、大丈夫なんですかね」と、与党大物議員のベテラン秘書がこう心配する。
「バンドン会議は、当時のインドのネルー首相と中国の周恩来首相がイニシアチブをとって、エジプトのナセル大統領やインドネシアのスカルノ大統領はじめ戦後独立を遂げた第三世界諸国の首脳が1955年に初めて一堂に会し、米ソ冷戦下でいずれの軍事同盟にも加わることを拒絶すると宣言して、今日の非同盟諸国会議の運動の原点となった歴史的な出来事ですよね」
だからどうしたのか。
「安倍さんて、非同盟じゃなくて、日米同盟強化、米国と一緒に世界で戦争しようという路線でしょう。バンドン会議が何たるかがよく分からないまま出て行って、『集団的自衛権』がどうしたとか、場違いのことを言うんじゃないか」
たぶん安倍には、バンドン会議50周年の時には小泉純一郎首相が出席したから自分も行かなければという気持ちがあるのだろう。しかしあの時、小泉は、その直前に中国で反日暴動が激化したという状況も踏まえて、歴史認識に関して「村山談話」を完全に引き継ぎ、先の侵略への「痛切なる反省と心からのおわびの気持ち」を国際社会に向かって先手を打って表明するチャンスとして、50周年の場を活用した。そのため、8月の「戦後60年談話」も同じ基調のものとするのが自然の流れになり、自民党内の不協和音はあらかじめ封じられた。
ところが、安倍の場合は逆のケースになるわけで、村山談話や河野談話を修正したくて仕方がない安倍が、ジャカルタで10年前の小泉演説よりトーンダウンしたり、右翼的な自説をまぶしたりするような演説をすれば、習近平中国主席や朴槿恵韓国大統領もたぶん出席しているだろうから、会場からブーイングが出る。そうかといって、小泉と同じことを言ったのでは、8月の「戦後70年談話」もそれと同じ基調にせざるを得なくなって、せっかくの同談話のための有識者会議も意味がなくなるし、安倍周辺の右翼は憤激する。
つまり、バンドン会議演説と70年談話は直結しているということを、安倍はよく理解していない可能性がある。しかも、その3日後には訪米があり、そこでも安倍は米議会での演説を希望している。その2つの演説で「歴史修正主義」批判を払拭しようとすればするほど、彼が思い描く戦後70年談話からはかけ離れていくわけで、安倍外交はいよいよ支離滅裂になりそうである。
▽〈たかの・はじめ〉1944年生まれ。「インサイダー」「THE JOURNAL」などを主宰。「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
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