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【政界徒然草】
「政治とカネ」ばかりの野党追及 国民的関心事の「川崎中1殺害事件」は取り上げられず
http://www.sankei.com/politics/news/150310/plt1503100001-n1.html
1月26日召集の通常国会は1カ月以上が過ぎ、「政治とカネ」をめぐる与野党の泥仕合となってきた。西川公也農林水産相を追及し、辞任に追い込んだ民主党だが、岡田克也代表にも類似の問題が発覚。安倍晋三首相や複数の与野党議員にも疑惑が浮上してきたからだ。
国の補助金交付が決定した企業が、議員が代表を務める政党支部に献金をしていたことが政治資金規正法に抵触することが問題となった。同法は利益誘導や補助金の議員側への還元を防ぐため、交付が決定した企業の1年以内の献金を禁止している。
しかし、受け取った側が補助金交付を知らなければ刑事事件にはならない。疑惑が指摘された議員の大半は「知らなかった」と釈明している。補助金が利益を生まない性質の場合も禁止の対象外になる。法の解釈が人によって異なる余地があり、野党幹部は「調べたら与野党の『違反者』はもっと増えるはずだ」と語る。
国会議員でも「脱法的行為」に加担するような法律は欠陥法ともいえる。ならば、問題の根源となっている企業・団体献金を全面的に禁止すればいいのに、その機運は一向に盛り上がらない。
維新の党は2月の党大会で、自主的な取り組みとして来年から企業・団体献金の受け取りを全面禁止する規約改正を行った。全面禁止の政治資金規正法改正案も提出した。しかし、自民、民主、公明などの主要政党が賛同する様子はない。
首相は3日の衆院予算委員会で「企業・団体献金そのものがいけないとは考えていない」と述べた。全面禁止どころか法改正すら否定的で、運用の改善などで対応する意向だ。民主党の枝野幸男幹事長も3日の衆院予算委で「抜本的解決には本来は企業・団体献金そのものをやめるべきだ」との認識を示したが、同時に「献金した側の罰則強化と厳しく取り締まることをやっていくべきだ」とも語った。対立することが多い首相と枝野氏が一致する不思議な光景となった。
民主党は4日、罰則強化などの政治資金規正法改正案の国会提出を目指すとして自民党に協議を打診した。西川氏を追及していたころには、法改正などおくびにも出していなかった。ところが自分たちの「大将」も同類だったことが判明し、すぐさま方針を転換した。しかも抜本的な対策とは程遠く、結局、自民も民主も貴重な活動資金であ企業・団体献金を断つ決断はできないようだ。
また、民主党の長妻昭代表代行は2月26日の記者会見で、閣僚ら政務三役に限定して企業・団体献金を禁止することを提案した。政治資金規正法は「政府側だからダメ」などと対象を限定していない。自分たちへの献金はいいが、政務三役はダメというのは、いかにも都合が良すぎる。
こうしたご都合主義の体質は、民主党によく目立つ。そもそも今国会当初は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件で一色だった。2人殺害という結末になり、民主党は国会で政府の対応を追及した。辻元清美政調会長代理のように「首相はゴルフはやめるべきだ」などという本筋から外れた議論もあった。
そんな人質事件に対する政府への追及も、西川氏の政治資金問題が浮上した2月中旬以降の予算委では、ほとんど取り上げられなくなった。民主党が西川氏を辞任に追い込むことに照準を定めたからだ。政府の人質事件対応を追及するなら徹底すればいいものを、ぱたりと止まった。これでは「もっと政府を追及できるネタを見つけたから」と解釈されても仕方ない。
「政治とカネ」の問題を追及すること自体は野党としての本分に違いない。だが、問題の根源となっている企業・団体献金の全面禁止を提案することもないため、消化不良の議論になっている。
もっと深刻なのは、2月20日未明に遺体で発見された川崎市の中学1年、上村遼太さんの殺害事件について、衆院予算委員会で1週間、全く話題にならなかったことだ。
2月27日の衆院予算委でこの事件をようやく取り上げたのは自民党の山本有二元金融相だった。この間、予算委は事件当日の20日、週末を挟んで23日と25、26両日と4日間にわたり計24時間近く行われた。その間に質問に立った与野党議員は延べ37人に上る(民主14人、維新13人、共産7人、公明2人、自民1人)。容疑者の少年3人が逮捕された27日まで自粛していたのかもしれないが、38人目の山本氏まで誰もまともに取り上げなかった。
「政治の場で何か予防、解決できることがあったのではないか、救う手があったのではないかとの気持ちで質問する」
こう切り出した山本氏は、上村さんが事前に「SOSを発していた」と指摘。「もしその時、大人が気が付くことができれば被害は防げたのではないか」と述べ、首相の見解をただした。
これに対し首相は「今回の事件には大変ショックを受けている。防ぐことができなかったのかと思う」と述べた。さらに「子供たちを守るのは大人の責任だ。学校や教育委員会や警察や児童相談所との連携が十分だったのかどうかということも含めて検証しながら、再発防止策をしっかり考えていかなければならない。こういったことを二度と起こさないとの決意で取り組む」と語った。
だが、事件の犠牲者は上村さんだけではない。2月5日には和歌山県紀の川市で小学5年の男児が殺害され、2日後に22歳の近所の男が逮捕された。福岡県豊前市では2月1日に小学5年の女児が遺体で発見され、後日、46歳の男が殺人容疑で逮捕された。今国会開会後だけでも、これだけの子供たちが不当に命を奪われた。
自らの意志で危険な地に踏み込んだとはいえ、「イスラム国」に拘束された日本人の命を救うことが大事なのは当然だ。だが、日本人の生命を守るのが国の責任ならば、子供に限らずみんなが日常を安全に暮らす環境をつくることもまた、政府や国会の重大な責任のはずだ。
子供が相次いで犠牲となる中、小学生と中学生の息子2人を持つ身としては、これがこの間の最大の関心事だった。しかし、政治は沈黙し続け、国会は人質事件の対応や「政治とカネ」の問題の応酬ばかりが目立った。学校や教育のあり方、身近な治安の問題としても極めて重要な川崎中1殺害事件への哀悼や対策の議論が1週間も国会で取り上げられないとは、もはや国会議員の感覚は麻痺(まひ)しているとしかいいようがない。(政治部 酒井充)
[産経ニュース 2015/3/10]
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