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経済同友会が人材育成に重点を置いた高等教育の改革を提言、目的に合致しない学校は補助金カットで切り捨て
http://www.kokusyo.jp/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%90%8C%E5%8F%8B%E4%BC%9A%E3%81%8C%E4%BA%BA%E6%9D%90%E8%82%B2%E6%88%90%E3%81%AB%E9%87%8D%E7%82%B9%E3%82%92%E7%BD%AE%E3%81%84%E3%81%9F%E9%AB%98%E7%AD%89%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE/
2015年03月10日 MEDIA KOKUSYO
歴代内閣の政策の方向性は、経済同友会や経団連が発表する提言を色濃く反映する傾向がある。それは教育に関する政策にまで及んでいる。国境なき競争の時代に突入した状況の下で、人材の育成が多国籍企業の将来を左右する鍵になるからだ。
2月27日、経済同友会は、『実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」に対する意見〜新たな高等教育機関には高い質を求める〜』と、題する提言を発表した。
◇目的に合致しない学校は廃校へ
経済同友会が要望する教育制度の改革とは、具体的にどのようなものなのだろうか。結論を先に言えば、高等教育を通じて、企業にとって即戦力になるエリートを育成し、その目的を達成できない学校については、補助金をカットすることで、廃校に追い込むというドラスチックなものである。
こうした提言が打ち出された背景には、「社会教育の機会が減少している」にもかかわらず、「専門技能を要する職種への求人倍率が高まっている」ことがある。それゆえに「学術的な一般教養を中心とする教育よりも、専門的な実務技能の習得が意味を持っている」からだという。
つまり大学や専門学校など、高等教育の場を、企業のための人材づくりの場に変えてしまえという提言である。
その具体的な方法は、既に述べたように目標の成果度合いに応じた補助金の分配である。そこでは、次に示すように成果があがらない教育機関の切り捨てが前提になっている。
「また、退出メカニズムの関連では、まず成果と関連する指標(就職状況や資格取得状況など)の詳細な公開を義務付け、さらにはその成果に応じた補助金の支出を実施する。さらには、成果に連動した廃止基準と廃止方法を明確化することによって新陳代謝を促し、質の高い高等教育機関を後押しする仕組みを組み込むべきである。また、それと同時に、廃止する学校に所属する学生を保護する制度の整備が不可欠である」
経済同友会の提言は、構造改革=新自由主義の政策から派生する副次的な「改革」のひとつである。広義の構造改革に属する。
企業のために即戦力になる少数のエリートを育成する一方で、その目的に合
致しない教育機関を切り捨てる。それは国の財政支出を抑え、「小さな政府」を作る構造改革=新自由主義の方向性とも完全に合致している。
しかし、そもそも企業に貢献する人材を育成することが教育本来の目的なのだろうか。もしそうであれば、学校の自治権が崩壊しかねない。経済活動に直接貢献しない分野は、切り捨てられることになる。
教育の本来の目的は、文化的な遺産を後世へ継承することである。
■経済同友会の提言全文PDF
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2014/pdf/150227a.pdf
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