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「政治資金問題」はどこ吹く風、統一地方選へ党幹部と必勝を期す安倍首相 photo Getty Images
企業・団体献金をどうすべきか。政治家が言い訳できなくなる唯一の方法
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42401
2015年03月09日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス
■政治資金規正法は、ザル法
国の補助金を受けた企業からの献金問題は首相や民主党代表にまで拡大している。
まず、政治資金規正法をみよう。
(寄附の質的制限)
第二十二条の三 国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金(試験研究、調査又は災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないもの及び政党助成法 (平成六年法律第五号)第三条第一項 の規定による政党交付金(同法第二十七条第一項 の規定による特定交付金を含む。)を除く。第四項において同じ。)の交付の決定(利子補給金に係る契約の承諾の決定を含む。第四項において同じ。)を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日(当該給付金の交付の決定の全部の取消しがあつたときは、当該取消しの通知を受けた日)までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。
2 国から資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部又は一部の出資又は拠出を受けている会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならない。
3 前二項の規定は、これらの規定に該当する会社その他の法人が、地方公共団体の議会の議員若しくは長に係る公職の候補者、これらの者に係る資金管理団体又はこれらの者に係る第三条第一項第二号若しくは第三号ロの規定に該当する政治団体に対してする政治活動に関する寄附については、適用しない。
4 第一項及び第二項の規定は、次の各号に掲げる会社その他の法人が、当該各号の地方公共団体の議会の議員若しくは長に係る公職の候補者、これらの者に係る資金管理団体又はこれらの者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する政治団体に対してする政治活動に関する寄附について準用する。
一 地方公共団体から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付の決定を受けた会社その他の法人
二 地方公共団体から資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部又は一部の出資又は拠出を受けている会社その他の法人
5 何人も、第一項又は第二項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける者であることを知りながら、その者に対して、政治活動に関する寄附をすることを勧誘し、又は要求してはならない。
6 何人も、第一項又は第二項(これらの規定を第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反してされる寄附であることを知りながら、これを受けてはならない。
一見してザル法であることがわかる。
まず、「国から」と規定して、国が事業を委託した自治体や法人など、国が直接に補助金を交付するのではなく、間に自治体などが関与していれば問題ないように法律が作られている(第一項)。さらに、グループ内の企業が補助金を受けていて、グループ内の別企業であれば、献金は問題ないようになっている。
しかも、献金先が補助金を受けていたと知らなければ、違法性はないとされている(第五項、六項の反対解釈)。
こうした問題は以前から指摘されていた。そこで、かつて民主党は、マニフェストで企業・団体献金の全面禁止を掲げていた。そのマニフェストで総選挙を戦い、政権交代をはたした。
ところが、党内事情から、民主党が企業献金の受け入れ再開し、多くの国民の顰蹙をかった。それが、民主党が政権を失うきっかけにもなった。
■議員個人にとって企業献金は重要な収入源
企業・団体献金は「見返りを求めれば賄賂であり、見返りを求めなければ背任行為」と批判されるなど政財界の癒着の象徴といわれることが多い。
ただ、海外の規制を見ると国によって様々である。フランスやアメリカでは原則禁止であるが、ドイツやイギリスでは認められている。ただし、英国では、一定以上の企業献金について、献金先と金額を取締役報告に記載し事前に株主総会の承認決議を得るとなっている。
日本の規制は、これらの国の中間のような位置であった。政治献金には金額に上限が設けられており、国から補助金を受けている企業や3年継続して赤字の企業は政治献金ができないという規制もある。もっとも政党交付金制度の導入時に、企業献金は禁止という方向だったが、今ではすっかり忘れ去られている。
自民党の台所事情をみるために、2014年11月28日、総務省が公表した2013年の政治資金収支報告書をみよう。それによれば、自民党の収入は246億9590万円で、そのうち前年からの繰越額13億9789万円、2013年収入額232億9801万円だ。収入は、党会費7億8797万円、寄付23億7850万円、事業収入3億4718万円、政党交付金150億5858万円、国会議員からの立法事務費26億8219万円、その他供託金戻し入れ等20億4359万円に分けられる。
ここで、寄付金の内訳をみると、個人3億2850万円、政治団体20億5000万円。個人は自民党国会議員からの寄付となっている。ここだけをみると、企業献金はない、ところが、自民党国会議員は企業献金を受けて、その一部82万5000円を自民党に寄付している。ここで、企業献金が出てくる。多い人で数億円も集め、それらの多くは企業献金なので、議員個人にとって企業献金は重要な収入源だ。
ただし、今のように次から次へと問題が出てくる状況は嘆かわしい。それだけ、補助金を受けている企業が多いというわけだ。
筋としては、個人献金と政党助成金で民主政治を維持していく方が望ましいのであるが、現行法の下で、しかも、補助金の情報開示にも役立つ一石二鳥の方法を提案したい。
■補助金の情報公開があまりにもお粗末
企業・団体献金の問題とは別に、補助金固有の問題もある。補助金の中身は大きく経常補助金(生産者に対する経常移転)と財政補助金(地方政府に対する経常移転・資本移転)に分けられる。補助金は、国の一般歳出予算額の5割強を占めるが、財政補助の割合が多く8割程度となっている。
補助金については、各年度「補助金便覧」という書物が発行されている(http://www.gov-book.or.jp/book/detail.php?product_id=270813)。これは、補助金等の仕組みや運用方法などについてその全貌を明らかにした唯一の文献だ。
ただし、その執行状況を調べるのは容易でない。2013年6月28日付けで内閣官房・行政改革推進本部事務局から「予算執行等に係る情報の公表等に関する指針」がでている(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/yosanshikkou_kouhyou/shishin.pdf)。
これに基づき、各省から補助金に関する情報公開が行われているが、例えば、補助金の交付先を調べようとしてもかなり困難だ。財務省には、各府省の予算執行情報ポータルサイトがある(http://www.mof.go.jp/budget/topics/portalsite.htm)が、やはり容易にわからない。だからこそ、国会議員が、献金先が補助金を受けていたとは知らなかったという言い訳ができるのだ。
しかし、これはかなり奇妙な話だ。予算審議に関わっている国会議員やその事務所の人が、予算の執行状況を調べられないというわけで、それではきちんと予算が使われているかどうか、わからないと白状するようなものだ。
もし調べられないのであれば、政府がすべての補助金の交付先・交付額一覧をつくればいい。かなり膨大な数になるかもしれないが、こうしたものはネット上で検索できるようにするのがいい。これは、補助金の情報公開にもなる。今の情報公開はあまりにお粗末である。
■補助金をすべて白日の下に晒せばよい
地方自治体でも補助金交付先の公開については、濃淡がでている。地方によっては、あまり補助金の開示が進んでいないところもある。国のほうで率先して行えば、地方自治体にもいい影響を与えるだろう。
補助金がすべて悪というつもりはないが、すべてを白日の下に晒すのがいい。これを行えば、今回のように政治献金問題もほぼなくなるだろう。企業・団体献金を受けた場合、政治家サイドで検索してチェックすればいいからだ。補助金を受けていたのを知らなかったという言い訳はできない。
と同時に、補助金の交付先・交付額が情報開示されるので、多くの国民のチェックを受けて、よりよくなることが期待される。そうなると、甘い国会審議はできなくなる。これは与野党ともに、国民からチェックを受けるわけで、より緊張感が高まるだろう。
予算執行は原則開示であり、企業・団体献金であれば、個人情報はほぼないので、情報開示できないということにはならないはずだ。
しかも、補助金の交付先・交付額一覧は、基本的に法改正も必要ないので、今の政府が踏ん切ればすぐ行えることである。
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