http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/240.html
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「ピケティ氏の格差論 質高い教育、社会のため(池上彰氏):ピケティ理論説明に誤り」
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/219.html
にいただいたコメントへのレスポンスです。
6NC7VxWvE2さん、コメントありがとうございます。
貴殿のまとめは、ピケティ理論を違う視点から捉えたものとしておおむね同意します。
(政治的理論ではなく経済理論としては貴殿のまとめ方のほうがふさわしい)
【引用】
「いままでは『常に r が g より小さい』が成り立つと言われ、ゆえに経済成長が所得の平準化をもたらすと信じられてきたが、実際にデータを調べてみると『常に r が g より小さい』という命題は正しくないことがわかった。むしろ実態は1910年代から1940年代の頃を除き概ね『 r が g 』より大きいであった」という実証的検証結果から、「所得の平準化をもたらしたのは、むしろ大恐慌や大戦争の影響による」ということをほのかに匂わせつつ、「経済成長は所得格差をもたらす」という刺激的な仮説を提示してるだけかと思ったよ。」
【コメント】
クズネッツ曲線として知られている 「経済成長が所得の平準化をもたらす」という考えは、経済理論として広く受け容れられていたものですから、ピケティ理論はクズネッツ理論を覆すものと言えます。
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※ クズネッツ曲線の概略
産業革命を契機に拡大した所得の格差も、労働者が農業など低生産性(低付加価値)部門から工業など高生産性(高付加価値)部門に移動することで次第に縮小していくというもの。
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ピケティ氏は、クズネッツ理論が大恐慌克服期1930年代から第二次世界大戦をはさみ1970年代までは通用するとしても、1980年代以降は所得格差が拡大する傾向にあることから通用しないと指摘し、資本主義経済における経済成長と所得の関係は、本質的傾向として資本(資産)保有者に偏ることから格差が拡大すると指摘しました。
そのような意味で、貴殿の「「所得の平準化をもたらしたのは、むしろ大恐慌や大戦争の影響による」ということをほのかに匂わせつつ、「経済成長は所得格差をもたらす」という刺激的な仮説を提示」というまとめは的を射ています。
(ただし、所得平準化傾向の時期は、「1910年代から1940年代の頃」よりも、「1930年代から1970年代の頃」としたほうがピケティ氏が示したデータや歴史的経緯に合っていると思います)
※ なお、私自身は、この問題を解く鍵として、「産業資本主義」と「金融資本主義」という資本増殖の動因(経済成長の牽引力)の違いを考えています。
世界ではなく国民経済という枠内ですが、工業の発展が経済成長を牽引している時期は所得格差が縮小する傾向を見せ、金融利得が経済成長を支えている時期は所得格差が拡大する傾向を見せるという考えです。
詳細の説明は長くなるのでここでは省略させていただき、別途機会があればと思っています。
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