01. 2015年3月09日 01:19:58
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中国外相「日本は再び良識を失うな」 3月8日 15時59分 動画http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150308/k10010008061000.html中国の王毅外相は8日に記者会見し「70年前、戦争に負けた日本が、70年後に再び良識を失うべきではない」と述べ、ことし安倍総理大臣が発表する「総理大臣談話」で過去の植民地支配と侵略に対し痛切な反省を表明した過去の談話を踏襲するよう、日本を強くけん制したものとみられます。 中国の王毅外相は、北京で開かれている全人代に合わせて記者会見を行い、戦後70年となることし、中国が北京で行う軍事パレードに安倍総理大臣を招待するかどうか、日本メディアの質問を受け「関係するすべての国の指導者を招待し、誠意さえあれば誰であれ歓迎する」と述べるにとどめました。 そのうえで、「70年前、戦争に負けた日本が、70年後に再び良識を失うべきではない。歴史の重荷を背負い続けるのか、過去を断ち切るのか、最終的には日本が選択することだ」と述べました。 中国政府は、安倍総理大臣がことし発表する新たな「総理大臣談話」の内容を注視しており、王外相の発言は、過去の植民地支配と侵略に対し、痛切な反省を表明したいわゆる「村山談話」などを踏襲するよう、日本を強くけん制したものとみられます。 また王毅外相は、フィリピンなどと領有権を争う南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が浅瀬の埋め立て工事を進めていることについて、「自分の庭に建てているものに、とやかく言われる筋合いはない」と述べて、正当で合法な行為だと強調しました。 領有権を争うフィリピンなどは、中国が滑走路などを整備して軍事拠点を構築しようとしているのではないかとみて、警戒を強めています。 繰り返し日本をけん制 中国はこれまでも、戦後70年に絡めて繰り返し日本をけん制しています。王毅外相は先月23日にも、国連の安全保障理事会で「ファシズムとの戦いの歴史が明らかであるのに、今なおその事実を受け入れず過去の侵略の罪を認めない者がいる」と述べ、名指しはしなかったものの日本をけん制しました。 また、安倍総理大臣が戦後70年のことし、「総理大臣談話」を発表することに関連して、中国の高官は今月2日に開かれた記者会見で、「日本の現職の指導者を含め政界の大部分の人が、ドイツ人の指導者のようにしっかりと反省し、真摯(しんし)に謝罪したことはない」と批判し、これまでの総理大臣談話で言及してきた「過去の植民地支配と侵略」を認めるよう迫りました。 さらに、李克強首相は今月5日、中国の向こう1年の重要政策を話し合う全人代=全国人民代表大会で、「世界反ファシズム戦争と中国の抗日戦争勝利70年を記念する行事を開催し、国際社会とともに第2次世界大戦の勝利の成果と世界の公平、正義を守る」と述べました。 一方、李首相は、去年は言及しなかった日本、韓国とのFTA=自由貿易協定について「締結に向けた交渉を急ぐ」という方針を表明し、日本との経済分野の連携を進めていく考えを示しました。 日中関係改善に向かうか注目 およそ2年半ぶりとなる日中首脳会談が去年11月に開かれたことを受けて、日中関係が改善に向かうかどうかに注目が集まっています。 すでに政府間の往来も徐々に再開していて、今月下旬には両国の外務・防衛当局の高官による「日中安保対話」を開く方向で調整が続けられています。 また、5月には日本企業の幹部や地方自治体の関係者らおよそ3000人からなる「日中観光文化交流団」が訪中する計画が進んでいて、官民のさまざまなレベルで関係改善に向けた動きが活発化しています。 しかし、沖縄県の尖閣諸島を巡っては、日本側が「領土問題が存在しないという立場は変わっていない」としているのに対して、中国側は島の周辺の海域に船を出して領海侵犯を繰り返しており、海洋当局どうしのにらみ合いは依然として続いています。また、安倍総理大臣が戦後70年のことし、「総理大臣談話」を発表することに関連して、中国の高官は今月開かれた記者会見で、「日本の現職の指導者は、真摯(しんし)に謝罪したことがない」と批判し、これまでの総理大臣談話で言及してきた「過去の植民地支配と侵略」を認めるよう迫った形です。 さらに、ことしを抗日戦争勝利70年と位置づける中国政府は、年内に北京で外国の要人らを招いて軍事パレードや記念行事を盛大に行うと発表しました。 共産党による一党支配の正統性を国民にアピールするために、中国は今後も歴史認識を巡って日本をけん制していくことが予想され、首脳会談で始まった関係改善の流れが確かなものになるかどうかは、まだ見通せない状況です。
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