http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/221.html
Tweet |
2月17日、衆院本会議で代表質問する共産党の志位和夫委員長(右)と安倍晋三首相=衆院本会議場(酒巻俊介撮影)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150308/plt1503081103001-n1.htm
2015.03.08 ZAKZAK
今国会は「議会の華」とも言われるヤジをめぐる“論争”でかまびすしい。朝日新聞が2月22日付朝刊の社説で「敵意むき出し華もなし」との見出しでヤジ問題をとりあげ、民主党議員に「日教組!」というヤジを浴びせた安倍晋三首相を厳しく批判したほどだ。騒動の先陣を切ったのは共産党を「テロ政党」となぞらえた自民党議員だが、共産党の対応は当初、腰が引けていた。そこには“古傷”をえぐられたくない党指導部の思いが透けて見える。
2月17日午後の衆院本会議での代表質問のさなかのことだ。登壇した共産党の志位和夫委員長がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の日本人殺害脅迫事件に関連し、平成15年のイラク戦争への支持や自衛隊の派遣など「真摯な歴史的検証を行うべきではないか」と安倍首相の見解を質した。その直後に議場から「さすがテロ政党」というヤジが飛んだ。
共産党は問題視し、林幹雄衆院議院運営委員長に事実関係の究明を申し入れた。一連の端緒から経過については産経新聞も翌18日付朝刊で報じた。
ところが、国会で「侮辱」と受け取れるヤジを浴びせられたなら真っ先に「許し難い暴言だ」などとかみつくはずの機関紙「しんぶん赤旗」が18日付日刊紙で一言も触れず沈黙を守った。
それもそのはず。志位氏も17日の代表質問後の記者会見で、自身に飛んできた「テロ政党」ヤジへの批判や反論を封印したばかりか、自身からとりあげることもなく完全にスルーしていたのだ。
「騒ぎ立てれば、火に油を注ぐことになると学習しているのだろう」と共産党ウオッチャー。その解説によれば、同党には「テロ政党」と揶揄(やゆ)されてもやむを得ない「忌(い)まわしい過去」があり、それを蒸し返されたくないからだという。
「国会でこの類のヤジが我が党に浴びせられるのは初めてのことではない。取り立てて拳(こぶし)を振り上げるほどのことでなかった」
共産党関係者はそう説明していた。しかし同党は重い腰を上げるかの如く動いた。
「テロ政党」ヤジをめぐり共産党が見解を公式に対外発信したのは、18日午前のことだった。穀田恵二国会対策委員長が定例の記者会見で「いわれなき誹謗(ひぼう)中傷であり、言論の府である国会の品位にかかわる問題だ」と批判した。その上で「議員本人の謝罪と、自民党である場合は、きちんとした反省と謝罪を求めたい」とした。
遅ればせながら反撃に出たのだが、及び腰だった幹部たちの背中を押したのは「天の声」だった。同党関係者がこう打ち明ける。
「党指導部には『テロ政党』なるヤジは聞き流した方がいいという空気が強かった。だが、いまなお党の事実上の最高実力者として君臨する不破哲三元議長が国会対策の責任者である穀田氏に対し、記者会見ではっきり反論するよう指示した。『赤旗』に記事が出ていないのはおかしい、ということだったようだ」
かくしてヤジを飛ばしたことを認めた自民党の山田賢司議員が19日、小此木(おこのぎ)八郎国対委員長代理とともに共産党控室を訪れ、発言撤回と謝罪を表明する事態に発展した。ささやくのは自民党幹部だ。
「共産党と内々でヤジを飛ばした議員を特定次第、こっそり謝罪させて済ませることになっていた。しかし報道が先行してしまった。打ち返しも考えたが、泥仕合になるため、とりあえず引くことにした」
共産党にとって畢竟(ひっきょう)、今回のヤジ騒動が早期に幕引きとなったのは御の字だった。
「不破氏は『イスラム国』と共産党がオーバーラップされることを恐れたのではないか。党の“過去”がネットで広まれば、党に振り向きつつある若年層に背を向けられかねない。春の統一地方選を控え、昨年末の衆院選での躍進の勢いがそがれる可能性もある。それは党にとって危機だ。だから間髪入れず対応したのだろう」(共産党ウオッチャー)
同党には「できれば問題にしたくないが、沈黙に徹するわけにもいかない」という事情があったというわけだ。騒いで問題が長引けば、寝た子を起こし墓穴を掘ることになる。それが「発生」から3日でケリがついたのだから安堵(あんど)といったところだろう。
確かに「テロ政党」という表現はストレート過ぎる上、国会でのヤジとしては品位に欠く。朝日新聞の社説は「議会の華」としてのヤジを「言論を生業とする政治家ならではの絶妙な『突っ込み』」と定義していたが、そうたり得ないことは認めよう。
しかし山田氏、そして自民党があっさり発言撤回と謝罪で共産党に“全面降伏”したことが解せない。党として来年度予算案審議への影響を配慮したのか。筆者は山田氏を100%擁護するわけではないが、「テロ政党」なる表現が、共産党の主張する「誹謗中傷」にあたるとまでは考えていないからである。
共産党嫌いを公言する維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長は2月20日、同党所属の豊田貴志京都府議が議会で共産党を「テロ政党とも評される」と述べたことに対し「(テロ政党という)発言はだめだ」とダメ出ししたが、筆者は橋下氏の見解に完全には与しない。
手元の「新選国語辞典」(小学館)によれば、「テロ=テロリズム」とは「暗殺・暴行・粛正などで政治上の反対者をたおすこと。また、その方法でおこなう政治。政治的暴力主義。恐怖政治」である。つまり政治的目的達成のために暗殺や暴行、粛清、破壊活動など直接的暴力やその脅威に訴える行動のことだ。
共産党が過去に「テロ」に相当する非合法な武装闘争や暴力革命を先導したことは事実である。
警察庁は「焦点269号 警備警察50年」(平成16年9月発行)で「暴力革命の方針を堅持する日本共産党」と明記し、同党の歴史をこう記述している。
《【暴力的破壊活動を展開(昭和20年代)】
(1)占領下での勢力拡大
第二次世界大戦終了後、公然活動を開始した日本共産党は、敗戦直後の国民生活の窮乏と社会不安を背景に党勢の拡大に努め、昭和24年1月の衆院選では35議席を獲得し、10数万人の党員を擁するようになりました。
(2)「51年綱領」に基づく暴力的破壊活動を展開
日本共産党は、同党の革命路線についてコミンフォルムから批判を受け、昭和26年10月の第5回全国協議会において「日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」とする「51年綱領」と、「われわれは武装の準備と行動を開始しなければならない」とする「軍事方針」を決定しました。そして、この方針に基づいて20年代後半に、全国的に騒擾(そうじょう)事件や警察に対する襲撃事件等の暴力的破壊活動を繰り広げました。しかし、こうした武装闘争は、国民から非難されるところとなり、27年10月の衆院選では、党候補は全員落選しました。
ところで現在、日本共産党は当時の暴力的破壊活動は「分裂した一方が行ったことで、党としての活動ではない」と主張しています。しかし同党が20年代後半に暴力的破壊活動を行ったことは歴史的事実であり、そのことは「白鳥警部射殺事件」(27年1月)、「大須騒擾事件」(27年7月)の判決でも認定されています。
【「51年綱領」の廃止と現綱領の採択(昭和30年代)】
(1)「51年綱領」の廃止
日本共産党は、昭和30年7月の第6回全国協議会(6全協)で、20年代後半に行った武装闘争を「誤りのうちもっとも大きなものは極左冒険主義である」(=革命情勢がないのに武装蜂起した)などと自己批判しました。そして、33年7月の第7回党大会で、暴力革命唯一論の立場に立った「51年綱領」を「一つの重要な歴史的な役割を果たした」と評価した上で廃止しました。
(2)現綱領(当時)の採択
同大会では、「51年綱領」に代わる党の新綱領が「党章草案」(綱領と規約を一つにしたもの)として示されましたが、現状規定や革命の性格等について反対意見が多く、党内の意思統一を図ることができませんでした。そうしたことから、草案の綱領部分は引き続き討議することとし、この大会では規約部分のみの採択となりました。
その後、宮本顕治書記長(当時)の指導の下、3年間にわたる党を挙げての綱領論争と、いわゆる反党章派の幹部の除名等を経て、昭和36年7月、第8回党大会が開催されました。そして、同大会で「現在、日本を基本的に支配しているのは、アメリカ帝国主義とそれに従属的に同盟している日本の独占資本である」とする現状規定や、民主主義革命から引き続き社会主義革命に至るという「二段階革命」方式等を規定した現綱領を採択しました。
また、両党大会や綱領論争の過程における党中央を代表して行われた様々な報告の中で、革命が「平和的となるか非平和的となるかは結局敵の出方による」とするいわゆる「敵の出方」論による暴力革命の方針が示されました。》
元共産党員で同党国会議員秘書や党専従職員を長く務めた篠原常一郎氏によると、同氏の上司にあたる古参幹部党員は生前、武装闘争に動いていた昭和20年代や「6全協」後の“活動”をこう生々しく証言していたという。
「山で火炎ビンを製造したり、使用する訓練をやったりした」
「(6全協後に)武装闘争で使った拳銃を山中に埋めて処分した」
共産党はかつて「テロ政党」だった上、警察庁によれば同党はなおも「暴力革命」路線を捨てていないのである。
厳密に言えば、山田氏がより正確に「さすが“元”テロ政党」という表現でヤジを投げかていたならば、共産党は手も足も出せなかったのではなかろうか。
しかし、共産党も共産党である。不破元議長は昨年12月10日の京都市内での衆院選遊説で、安倍政権を「ネオナチ」と表現し「自民党候補に投票する一票は『ネオナチ勢力』『日本版ネオナチ』に、投ずる一票になる」と言い放った。
衆院選で初当選した池内沙織衆院議員も今年1月26日、ネット動画番組で「自民党に1票を投じることは日本版ネオナチに投票することと同じだ」と述べた。
「自民党=ネオナチ」と決めつけること自体、明らかに事実無根の誹謗中傷である。「共産党=テロ政党」ヤジより“暴言”であることは言を待たない。
自民党はこれまで共産党を批判することなく“大人の対応”をとってきたが、自民党幹部によると、2月20日の党副幹事長会議で池内氏の「ネオナチ」発言に対し反撃の準備を進める方針が確認されたという。
ヤジをめぐる「自共対決」の雌雄は決していないのである。(政治部編集委員 高木桂一)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK181掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。