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2015年3月 5日
岐阜県美濃加茂市のプール水浄化設備導入をめぐる汚職事件で、事前収賄などの罪に問われた市長藤井浩人氏に対して、名古屋地方裁判所が3月5日午後、無罪(求刑懲役一年六月、追徴金三十万円)の判決を言い渡した。
藤井元市長の代理人を務めたのは郷原信郎弁護士。
郷原氏は藤井氏の無罪を確信し、精力的な活動を展開されてきた。
「美濃加茂市長事件結審、揺るがぬ潔白への確信」
郷原氏は藤井氏の無罪、無実を確信している。
その確信は適正なものであると判断できる。
問題は、この事案が検察、警察当局によって、
創作された=でっち上げ
の事案であるとの疑いが濃厚であることだ。
郷原氏は上記のブログ記事において次のように指摘する。
「通常、否認事件の弁論は、検察官立証の柱とされている供述について、まず、その内容に関する問題を指摘し、その上で、供述経過、供述動機等の供述の信用性に関する指摘をするというのが一般的であろう。
しかし、本件の弁論の記述の順序は、それとは異なる。
通常、供述の信用性に関してまず重要なのは、「見間違い」、「聞き間違い」、「言い間違い」など、知覚・記憶・表現の過程での誤りがなかったかどうかを確かめることだ。
供述者が記憶どおりに話していても、事実と異なる供述(非意図的虚偽供述)が行われることもあり得るからだ。
例えば、目撃供述であれば、どのような状況で(明暗、障害物の有無等)、どのような位置から(遠近)、どのような意識で(ぼんやり、注目して等)、見ていたのかなどが問題になる。
また、供述内容の合理性や、他の証拠との符合なども、信用性を評価する上での重要な判断要素となる。
しかし、本件で中林の供述の信用性に関して問題となるのは、そのような「非意図的な虚偽供述」ではない。
贈賄供述者の中林については、融資詐欺等での自己の処罰を軽減するために、被告人への贈賄の事実を作り出し、意図的に虚偽供述をしていることが疑われている。
しかも、捜査機関側が、そのような中林の供述を容認し、取調べ、証人テスト等において、中林とともに、供述の信用性を作出している疑いがある。」
「取調官が、調書の内容を、信用性を強調できるものであるように誘導し、一方、供述者の側も、自分自身の利益のために架空の犯罪事実を作りだし、それが発覚しないように、自らの供述を信用してもらおうとしているとすると、取調官と供述者との間で供述の信用性を高めるための「共同作業」が行われることになる。」
贈賄者とされる中林受刑者と検察が共謀して、無実の藤井元市長に収賄の濡れ衣を着せて犯罪者に陥れる謀略が実行されたと郷原氏は推察しているのである。
中林受刑者は悪質極まりない犯行態様の総額4億円に上る融資詐欺の嫌疑を持たれている。
しかしながら、検察は起訴を6100万円の被害額の事実にとどめた。
その理由について郷原氏は次のように指摘する。
「中林と検察官との間に、融資詐欺の起訴を最小限にとどめることの見返りに、贈賄自白を維持し藤井公判での検察官立証に協力するとの明示又は黙示の約束があった」
というのである。
郷原氏は中林受刑者と起訴検察官との特異な関係について、次のように記述する。
「連日朝から晩まで証人尋問の打合せをしていたと認めている関口検事との関係について、中林は、証人尋問で、関口検事から、「絶対藤井には負けないから、中林さん最後まで一緒に闘ってくださいね」というようなことを言われたこと、藤井弁護団から聞かれることに対して自分が答えられないことが「失敗」だと思い、「失敗は許されない」と思って、「必死に」やっていたことを認めている。
これは、関口検事が起訴した藤井被告人の有罪立証のために中林が協力し、一方で、中林の側は、その協力の見返りとして、自己の刑事事件についての有利な取扱いを期待しているという「互恵関係」と言わざるを得ず、贈賄の被告人と、それを起訴した検察官の関係とは凡そかけ離れたものであることは明らかである。」
恐るべき「検察の犯罪」がここでも浮き彫りになるのである。
郷原氏は昨年10月14日付ブログ記事で、検察の軌道修正を強く求めた。
「藤井美濃加茂市長事件、検察にとって「引き返す最後の機会」
のなかで、郷原氏は次のように記述する。
「中林について、供述経過に関して意図的な偽証を行った疑いが生じたことに加え、「朝から晩まで連日の証人テスト」を行っていた検察官がその偽証に関与した疑いまで生じている。
一連の検察不祥事を受けての検察改革の中で「引き返す勇気」を掲げていながら、この事件では、弁護人側からの再三にわたる警告にも耳を貸さず、暴走につぐ暴走を続けてきた。
検察は、今、「引き返す最後の機会」に直面している。」
しかし、検察は暴走を続けた。
名古屋地裁は検察に鉄槌を下したが、検察は高裁に控訴する構えを示している。
私は、日本の警察、検察、裁判所の前近代性を指摘してきた。
今回のケースでは、裁判所が検察の暴走に「待った」をかける姿勢を示しているが、小沢一郎氏強制起訴謀略事件で明るみに出た、日本検察の腐敗と背徳性には、いまだにまったくメスが入れられていない。
私たちは、恐ろしい検察ファッショ国家に在住しているのである。
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