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2015.03.03 「日本」の解き方
イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、2月24日の議会証言で、利上げを急がない姿勢を示した。
一方で共和党などが提案している金融政策に対する監査を認める法案については「中央銀行の独立が損なわれる」として強く批判した。こうした法案が出る背景は何だろうか。日銀法改正論との関係で、中央銀行の独立性をどう考えたらいいのだろうか。
FRB監査法案は、ランド・ポール上院議員(共和党)らが中心となり、一部の民主党議員を含めて上下両院で提案されている。上院、下院ともに共和党が優位なので、法案は議会を通過する可能性があり、FRB側は中立性が損なわれると反対している。
法案が通過した場合、オバマ大統領は拒否権を行使するだろうから、法案が成立する可能性は少ない。ただし、次期大統領選挙もにらんだ政治的な動きとしては興味深い。
もともと共和党は金本位制を主張してきており、FRBの裁量的な金融政策に批判的である。まして、最近、量的緩和が世界中で実施され、共和党の従来の主張は実情にそぐわなくなっている。こうした動きを政治的に牽制(けんせい)する狙いもあるのだろう。
FRB監査法案は、金融政策に対する米政府監査院(GAO)の監査免除を撤廃するものだ。FRBのウェブサイトをみれば、FRBは監査を受けているかという質問に対して、「答えはイエス。GAOはFRBの活動について膨大なレビューをしている」と回答している。
ただし、その対象は主として財務監査であり、金融政策ではない。ポール議員らのFRB監査法案は、金融政策そのものを議会の付属機関であるGAOに監査させ、議会の金融政策への影響力を高める意図がある。
ここでポイントとなるのは、政府に対する中央銀行の独立性とは、目標設定までできるオールマイティーな「目標の独立性」と、与えられた目標の下での達成手段の選択が自由にできるという「手段の独立性」があるが、先進国での中央銀行の独立性とは「手段の独立性」の意味である。要するに、政策達成手段について、中央銀行は政府から独立しているということだ。
今回の米国のFRB監査法案では、一説によればFRB職員のメールなども監査対象になるという。これは、議会が政府を飛び越して、政策にあれこれ口出しする、つまり、手段の独立性まで犯そうとしているので、かなり筋悪だ。さすがに、識者の間では、FRB監査法案に批判的な声が多い。
一方、日本の例をみると、今の日銀法は「目標の独立性」まで日銀に与えられているかのような規定ぶりになっている。これを「手段の独立性」に明確にするような日銀法改正が必要という意見がある。
これは米国のFRB監査法案とはまったくレベルの違う議論なのだが、日本のマスコミや民主党は、中央銀行の独立性の意味を理解していないので、十把ひとからげで、反対してくるだろう。既にそうした動きもあるが、実に嘆かわしい状況だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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