08. mikan 2015年3月03日 16:52:13
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日本が、ミサイルをそろえたり、積極的に軍備を整えたところで、実際には、日本は中国と戦争などできないし、この事は為政者はよく分かっているだろう。通常弾だけでも、実質的に防御不可能な弾道ミサイルが、首都周辺の何ヶ所かの変電所に落ちるだけで、戦争継続など不可能になる。まして、昨年末に公開された英国の機密外交文書で、尖閣問題は「棚上げ」する事で中国と合意があったことが明らかにされ、日本側に中国を一方的に非難する大義がない事が内外に示された。 中国が日本に依存する以上に、日本は中国に経済的に大きく依存しており、中国との関係悪化は、日本の経済にも、国民の生活にも、もちろん大きな影響がある。 現政権は、各国を飛び回り、派手にバラマキをし、また実際には殆ど相手にされなかった「中国囲い込み」を試みながら、国民に外交的成果を印象づけてきた。しかし、徹底的な対米従属外交で、米国を盾に、東アジアにおいて「虎の威を借りる狐」となり、他国支配、戦争犯罪の問題において追及から逃れられる時代も、米国の衰退傾向と共に長く続けられなくなるだろう。 安倍の「歴史認識」は国際的には受け入れられないし、安倍政権下での日本の自滅的国力低下、中国、韓国を始めとする東アジアの台頭により、戦争などしなくても、(日本国民全体ではなく)日本国内の戦争責任者の残党や右派にとって、いずれ東アジアにおける「第二の敗戦」が訪れると思う。 米国は今後どの政権になっても、中国との経済関係を重視せざるを得ないだろうし、IS、ウクライナの問題とは違って、いざとなれば売却は可能な米国債を中国は大量に保有している。衰退しつつある米国が軍事大国を続けられるのも中国のおかげだと言える。米国は対中外交の道具に日本の政権や外務省などナショナリストを使っても、自衛隊を米軍の肩代わりに各地で「利用」しても、中国と日本との紛争は認めないと考えられる。 安倍政権の諸政策で、国家財政は破綻の危機がせまり、国力を弱めていく一方で、GDPでも日本は中国に大きく引き離され、科学技術でも経済力でも外交的影響力、そして軍事力でも、どんどん中国に追いつき追い越されていく。中国は今後、経済成長はもちろん、没落する米国に代わって徐々に国際影響力を高め、新しい人工知能を武器に共産イデオロギーを深化させ政治的にも安定した大国に成長していくものと思われる。 右派政権の真骨頂である富裕層や大企業優遇で、見せかけに日本の好調を演出しても、その皺寄せで、税制や社会福祉削減、派遣労働拡大などで底辺にその負担を強い、これが格差の拡大と少子高齢化、個人消費低迷、経済成長低下と結びついている。国民の経済的格差に対する不満、日本の国力低下に対する不満や不安に対して、メディアの情報操作で諸政策の失敗を隠そうとし、また、中国や韓国への国民の対抗意識を利用して、その矛先を外に向けさせようとしている。安倍政権のナショナリストとしての性格が、抑圧された底辺層の強い政権支持に結びついているのは確かだと思う。 それに、「共産」中国が経済政策に成功し、国力を伸ばしている事が国民に周知されることは、財界にも、自民党政権にとっても、大変に都合が悪い。メディアを通して、中国の汚職問題や、新興国の中ではまだましで、政府がその解消に積極的に取り組んでいる筈の中国の地域、経済の格差問題をとりあげ、いかにも中国国民が抑圧された悲惨な境遇にあり、いかに中国の現状が暗黒かを宣伝し、中国人のマナーの悪さを嘲り、環境汚染を誹り、領土問題などを煽り、中国が外交的に囲い込まれていると国民に刷り込む。中国経済の「新常態」で経済成長が少しでも低下すると、中国経済崩壊の予兆だと喧伝してきた。そして、最近では、批判材料が少なくなって来たのか、日本人は素晴らしい、日本は世界から尊敬されている、と言った記事が目につくようになって末期症状的になってきている。戦前の国際情勢のままの、まったく時代錯誤的になった、アジアの中でいち早く近代化した「優れた」日本の幻想を国民に留めようとしている。 だから、ナショナリストの政権が、かつての「強い日本」の幻想を国民に見せ、政権支持を得るためにも、軍備で虚勢を張るのは当然だし、「中国脅威論」を口実に予算を増やすことで、日本の軍需ビジネスや、米国の軍産複合体に貢献しても、常識的には本当に戦争を起こすことは考えられず、デタラメもいつまでも続かずにいずれ自滅し国民から批判に晒される日が来ると思っている。 米国の支配から逃れ、アジアの中で時代錯誤な虚勢を張らず、戦争犯罪などに起因する他国の国民感情には誠実に対応し、どの国とも距離を取って中立的な姿勢をとりつつ、アジアの中での経済関係を深め、内政的には所得再配分政策を行って財政問題と格差是正に対処し、軍備でなく、教育や社会福祉に予算をまわす穏健な左派政権が、安倍政権が行き着く先の国民の覚醒と反省から自発的に生まれ、身の丈に合った安定した成長を続けていくことが日本の将来に期待される。 |