http://www.asyura2.com/15/senkyo180/msg/717.html
Tweet |
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 表現の自由を守れ
http://wjn.jp/article/detail/3078472/
週刊実話 2015年3月5日 特大号
2月9日に参議院議員会館で、元経産官僚の古賀茂明氏らが、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」を発表した。一言でいうと、「言論の自由を守ろう」という主張だ。なぜ、そんな当たり前のことを発表しなければならないのかと思われるかもしれない。しかし、事態はとても深刻なのだ。
もちろん日本には、戦前の治安維持法のような法律があるわけではなく、検閲が行われているわけでもない。しかし、いま大手メディアに政権批判を自粛しようとする空気が広がって、批判的なことを言うとメディアから干されてしまうということが、現実に起きているのだ。
その典型が、古賀氏がテレ朝の『報道ステーション』で行った発言だ。古賀氏は、「安倍総理は、日本がイスラム国に対抗する有志連合の有力メンバーになりたかったのではないか」という見立てを示したのだ。
日本は法律の制約で、イスラム国を空爆するようなことはできない。だから、イスラム国と対決する周辺国への人道支援を行うことでイスラム国との対決姿勢を明確にする。支援表明をした時点で後藤さんが拘束されていることは知っていたが、身代金を支払うつもりは全くなかった。そんなことをすれば有志連合の中で孤立してしまうからだ。
こうした古賀氏の見立ては、菅官房長官が示した「イスラム国とは直接交渉をしていないし、身代金の検討をしたこともない」という政府見解とも合致する。
しかし、有志連合の中での地位を確保するために政府が後藤さんを見捨てたとも取れる古賀氏の発言は、懸命に努力を重ねる政府を冒涜する不謹慎な発言として、ネット上で大きな批判の対象となった。同時に、大手メディアも古賀氏を危険な思想の持ち主と判断するようになった。
実は古賀氏とは、私がシンクタンクに勤務していた時代に何年か一緒に仕事をした。古賀氏は経済産業省の中で、「10年に1人の逸材」と言われるほど切れ者で有名だった。実際、古賀氏の豊富な知識と経験、そして誰より高い洞察力は、余人をもって代えがたい。その古賀氏が、いま排除されようとしているのだ。
もちろん声明は、古賀氏のことだけを採り上げているのではない。政府を批判する評論家が、自粛の名のもとに次々に発言の機会を奪われている。
そのことに対する危機感は、ジャーナリストや作家、映画監督など、1200人もの人が賛同人に名を連ねたことからもわかる。
ただ、人数は多かったものの、テレビによく登場する御用学者の名前は、ほとんどみられない。つまり、大手メディアでは政府の茶坊主の発言しか聞けなくなっているというのが、悲しい現実なのだ。
私は憲法が保障した国民の権利の中で、表現の自由が最も大切だと思っている。多様な意見を聞かないと、国民が適切な判断をできなくなってしまうからだ。
幸いなことに『週刊実話』の編集部からは、私に何の圧力もかかってこない。ただ、このように自由に書けるメディアは、いまや絶滅危惧種になってしまった。だから、私は本欄をできるだけ長く書き続けたいと思う。本当のことを伝えることができる、とても大切なメディアだからだ。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK180掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。