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インタビューに応える山本太郎参議院議員
山本太郎の政界デッドボール放談 山本太郎が語る「IS対テロ決議、退席の真相」
http://dmm-news.com/article/922031/
DMMニュース 2015.02.28 07:50
フリージャーナリスト、後藤健二さんの脅迫殺害事件から、ISの蛮行がクローズアップされています。
最初に殺害されたとする、湯川さんについては、以前交流があったと言われる自称愛国者と名乗る人々は沈黙。
マスコミも政治家も、湯川さんについては触れたがらない不思議。
2月6日、僕は参院本会議で採決された「対テロ非難決議」を退席しました。
「退席? テロに反対する決議を棄権するのはテロリストだろ」と思われた方もいらっしゃったかも知れません。
決議の内容に関して、事前に情報は入ってきます。
衆議院で先に決議された後、参議院に送られてきますから。
衆議院の決議文が上がった時、「全員一致を目指している」とも聞いてはいましたが、その時点では「内容を見てみないとわからない」というのが正直な所でした。
採決の前日、衆議院とは微妙に違う程度、ほぼ同じ内容のものが決議文として、事務所に届きました。
改めて目を通すと、「うーん」
明らかに足りない。形だけの決議だな、というのが正直な感想。
何が足りないと思ったか。
詳しくはブログに記した通りです。http://ameblo.jp/yamamototaro1124/entry-11986526464.html
が、たまたまここを訪れ、その件も知らず、此処まで読んで下さったと言う方の為にザックリ説明します。
僕が指摘したのは、おもに3点。
1つは英訳。決議文の英訳も同時に用意されるべきだ、と。
何故、英訳が必要か。今回の事件を経験して私たちが学んだ一つに、安倍総理が言ったことが、より強い言葉となって英語で表現されるのは、非常にまずいという事。
結局、安倍総理のスピーチが、発言が最後の引き金を引いた事は紛れも無い事実。
犯行声明動画が流れてから、イスラエル国旗の前で会見し、
慌てて「難民への人道支援」と後々言っても、時既に遅し。
ISILと闘う周辺各国への2億ドル支援、と威勢の良い演説した過去は取り消せません。
後藤さんが亡くなったことが明らかになった、とされた後、
安倍総理の「(ISILに)罪を償わせる」との発言は、海外メディアは「リベンジ」と訳しました。
これによって、「日本はテロとの戦争に自ら手を挙げた、足を踏み入れた」というニュアンスで海外に伝わることになったわけです。
決議文の意図からそれるような言葉に英訳され、1人歩きする事態を避けるためにもこちら側で準備する事は必要だと考えました。
2点目は、特定の国家に対して感謝の意を述べている点です。決議文の中で、「ヨルダンを始めとする関係各国」という表現を使っています。
ここでヨルダンのみを名指しすることにリスクがある、と考えました。
ヨルダンは親米国、有志連合にも入っており、IS支配地域への空爆に国王が自ら参加している。
そんな中、ヨルダン一国のみの国名を取り上げることは、リスクに繋がる可能性はないか?
テロとの泥沼の戦争に巻き込まれるリスクを1%でも軽減させる為に何をすべきか、を考えるのが政治ならば、この決議文では「関係各国」という表現に留め、謝辞は別ルートで伝える方がいいのではないか?
最後の3点目。今回の事件の徹底的な検証が必要。
さらにISという組織がここまで大きくなった元の原因、テロリストを生み出したイラク戦争の総括が必要ではないか?
そもそもの発端、米国がイラクに「大量破壊兵器がある」、と大義のない戦争を仕掛けたことが今回の事態の遠因になっている事はスルーできない。
ありもしない大量破壊兵器の存在を理由にした米国の言いがかりから始まった戦争に2003年、日本もすぐに賛成しちゃってる訳ですから。
ところが、その大義なき戦争から、12年に及ぶ間、先進国の勝手で解体された国の混沌を、国際社会、日本の政治、メデイア、人々は放置してきた。僕自身も含めて。
その総括は必要ない、って言えるかな。
ISとの戦いに参加して、この国に生きる人々がテロとの戦争に巻き込まれていくか、どうか、という状況にいながら、能力が及ばなかったか、別の考えがあって意図通りかは解らないが、2人を救う事ができなかった、のは事実。
日本丸の船長の操舵がマズくて座礁して沈没状態を、「よくやった」、「がんばった」なんて、理解していないか、魂でも売ってなきゃとても言えない。
去年の夏には湯川さん、冬には後藤さんの件はわかっていた。
その事実がありながら、しれーっと大義なき選挙までやってしまう精神力。
タフだわ。
直接の交渉のパイプがない、って、後藤さんの奥さんのメールで返信すれば、やり取り出来たし、交渉仲介はトルコだろ、って、食堂でTV観ながら小学生がツッコミ入れてましたよ。
舵取りがうまくない船長に対して、「それはまずい」という意見が、政治の場でこそ出て当然だと思うんです。
それを米国国務省HPに国名もハッキリと書かれているのに、
有志連合にいつ入ったのか、もわからない人たちが、操舵室を占拠し、非常事態に声を出すな、って空気が支配する政治ってどうなの。
船長は座礁した後も超ポジティブ。
これをキッカケに自衛隊の海外派兵をいつでも切れ目無くやってしまえる、火事場泥棒みたいな図々しい法改正をやろうとしている。
国連決議が無くても、地理的制限なく、先進国と一緒にツルめる喧嘩にはいつでも首を突っ込める様にする為の法改正。
自衛隊員は、時の権力者の駒じゃない。
米国や他国の戦費を安くあげる為に、自衛隊はあるんじゃない。
国連決議も得られぬような大義無き戦争に参加する他国のコストを支払う為に皆さんは税金を納めているのではない。
地球儀を俯瞰する外交、など自己満足的発言に酔うのでなく、我が国の現状を見て下さいよ、船長。
1日の餓死者5人。
大人の6、7人に1人は貧困。
単身女性の3人に1人は貧困。
非正規労働者は現在、2000万人超。
非正規労働者の平均年収は166万円
一方で正規労働者の平均年収は502万円(厚労省 賃金構造基本統計調査より)
大企業の収益を拡大する為に、労働者という名のコストを 削るお手伝いをしているのが今の政治。
非正規労働者を爆発的に増やし、海外からの労働者の流入も推し進め、より賃金の安い労働者が生まれる様な環境を作れ、と政治にリクエストしているのが経済界。
この先、不安定雇用が拡大されて行き、貧困状態はより悪化する以外にない状態。
ギリギリで生きている人々がこの国に溢れているのに、国内で集めたお金は、この国に生きる人々の為には使われず、自分たちの既得権益を肥やすバラマキに使われ、これからますます拡がってゆく。
しょうがない、と諦めてしまえば、奴隷状態を受け入れた事と同じ。駄目な船長なら、変えるしかない。
その船長に同調するような乗組員なら、船長共々、入れ替えるしかない。
超富裕層もそうでない人々も同じ一票を持っている、これだけは平等。圧倒的多数は、経済的弱者。多くの人々が政治に興味を持てば、変えられる。
話をもどして、中東を始め、世界中にある問題に対してどう向き合うか。
人道支援にお金を出すのなら、国際機関を通じて。
本当に人道的支援なら、その方法が1番誤解を受けない。
そして、戦闘に関わる国々とは、その地域の問題においては一線を引いて、国連を中心に関わっていく。
何千キロも離れた文化も言葉も違う国を深く理解もせず、もめ事にフラフラと首を突っ込んで、敵認定されれば、どうなるだろう。
「日本人には指一本触れさせない」、と言うVシネマ顔負けのくっさい、やっすい台詞では防げない事態に発展する可能性がある。
新幹線、地下鉄、原発……
日本には余りにもターゲットにされやすい施設が溢れている。
我が国でテロを実行させない為に必要なのは、武力や警察権力の拡大ではない。武力で解決できるなら、とっくに地上からテロなどなくなってる。
世界最強の軍隊を持つ国であっても、テロを撲滅できないばかりか、憎しみの連鎖で終わりのない戦いに引きずり込まれる事実を長い間、見続けてきたじゃないか。
この国の政治がやるべき事は、この国に生きる人々と在外邦人が、日本人である事で安全が担保されるような外交を目指すべきだ。
戦後70年貫いた姿勢を崩してはならない。
それがあったからこそ、日本人のNGOは世界中でリスペクトされ、リスクも少なかったと言う。
税金から武器製造企業に莫大な利益を横流しする戦争法整備、現実から目をそらせる為の、法改正が、春の統一地方選の後に加速する。
おっさんたちが、人質事件を火事場泥棒的に利用し、もっともらしい事を言いながら、次の世代の未来を食いつぶすサマを傍観出来るわけない。
大きな問題にする為に、この国に生きる人々の大きな声が必要。
あなたの力、貸して下さい。
著者プロフィール
rensai_yamamototarou.jpg
参議院議員
山本太郎
1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。
公式サイト/参議院議員山本太郎
http://www.taro-yamamoto.jp/
公式ブログ/山本太郎の小中校生に読んでもらいたいコト
http://ameblo.jp/yamamototaro1124/
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