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外交・安保 黒子が活躍 官邸主導の政策支える
第3次安倍内閣の発足から2カ月が過ぎ、安倍晋三首相が官邸主導の外交・安全保障政策を加速している。黒子役で支えるのは国家安全保障会議(NSC)の事務を担う国家安全保障局の幹部メンバーだ。中国との首脳会談のお膳立て、従軍慰安婦問題など懸案への対応、安保法制の整備で実績を重ねている。いずれも政策の根幹をなす日米同盟強化などに関与してきた精鋭ぞろい。その働きぶりを探った。
トップの谷内正太郎局長(71)はほぼ毎週、首相と執務室で意見を交わす。世界情勢から外交戦略まで話題は様々。外務省で次官まで務め、NSC発足前は首相の外交ブレーンの内閣官房参与だった。じかに局長就任を打診され前線復帰を決断した。「なりたくて仕方がなくてなったわけではない」と公言する。
小泉政権時代、官房副長官補として北朝鮮による日本人拉致問題で一歩も引かず、官房副長官だった安倍氏の信頼を得た。米国大使館の勤務経験があり、日米関係が外交の基軸との信念は揺るがない。
海外に延べ16回出張し各国NSCとの関係構築に奔走する。昨年11月の日中首脳会談の実現にも貢献。流れをつくった福田康夫元首相と習近平国家主席の会談に同席。直前にも訪中し、楊潔篪国務委員(外交担当)と首脳会談に向けた合意文書を作り上げた。首相も「長い時間をかけて実現してくれた」と喜んだ。
過激派「イスラム国」による日本人人質事件では、2人が行方不明になった後から、情報集めと分析を指揮。昨年11月にヨルダンのアブドラ国王が来日した際は、同行した国王の安保担当顧問と話し、首都アンマンの現地対策本部への職員派遣を決断した。
谷内氏と「師弟関係」にあるのが次長の兼原信克官房副長官補(56)だ。外務省の局長経験1回で次官級の官房副長官補に就いたのは谷内氏の推薦とされる。
山口県出身で首相が定期的に開く同郷の会合に顔を出して信頼関係を築く。首相が大型連休中に予定している米国訪問で「戦後70年の歩みを発信した方がいいです」と進言。米議会演説の実現に向け米外交当局と調整を続けている。
在韓国大使館経験が買われ、従軍慰安婦問題で旧日本軍関与を認めた「河野談話」の検証作業を取り仕切った。250冊のファイルに目を通し、日韓両政府で事前の文言調整があったと結論づけ、昨年6月に発表した検証結果に反映した。
20日、国会内で開いた安全保障法制の与党協議。国家安保局次長の高見沢将林官房副長官補(59)は自民党の高村正彦副総裁ら幹部を前に、自衛隊の国際貢献に関する法整備の大枠を説明した。首相が唱える集団的自衛権の行使容認を含む法整備で、慎重論が強い公明党との調整が課題だ。昨年の閣議決定を巡る協議では兼原氏とともに幹部の非公式会合に加わり、知恵を絞った。
防衛当局のエースとされ米国防総合大で学んだ学究肌。自民党の部会で、集団的自衛権行使が認められた場合の自衛隊の活動範囲を「地球の裏側であれば日本に全く関係がない、とは一概に言えない」と地理的制約を否定する発言で物議を醸したことがある。正面から議論を挑む姿勢に公明党の評価も高い。
航空自衛隊出身の長島純審議官(54)は、北大西洋条約機構(NATO)本部のあるブリュッセルでの防衛駐在官や、情報本部情報官の経験を生かし、軍事的な観点で意見を具申する。人質事件をめぐり、谷内氏の決断でアンマンを極秘に訪ねた一人だ。
外務省出身の山崎和之審議官(54)は麻生太郎副総理が外相と首相の時代に秘書官を務め、当時次官だった谷内氏の信頼が厚い。防衛省出身で1月に就任した前田哲審議官(56)は、直近の担当が内閣官房の事態対処と危機管理。就任直後に人質事件がおこりそのまま対応にあたった。
戦後70年の節目で外交・安保の年ともいわれる2015年、国家安保局が抱える課題は多い。「裏方たち」がどのようにさばくかで組織の意義も問われる。
(政治部 地曳航也)
[日経新聞2月27日夕刊P.2]
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