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2015年02月26日
以下は植草氏の、NHKニュース9における唐突な「預金封鎖」をトピック風にアレンジして流した報道への“分析コラム”だ。
≪ NHKによる預金封鎖特集放映舞台回しの黒幕
NHK=日本偏向協会が2月16日に「預金封鎖」について報道した。
その真意が取り沙汰されている。
一言で表現すれば、2017年4月の消費税再増税実施に向けての財務省企画をNHKが実施したものである。
番組の最終メッセージは次のものだ。
NHKはシンクタンク研究員の口から、財務省=安倍政権のメッセージを発せさせた。
「国として負った借金というのは国民の借金であり、万が一、うまくまわらなくなれば間違いなく、国民にふりかかってくる。厳しい財政状況を国全体としてきちんと受け止める必要がある」
この発言についてNHKは、 「悪化し続ける国の財政状況に警鐘を鳴らしています」と補足して伝えたが、第三者風の人物の発言を用いた、単なる政府のプロパガンダ放送に過ぎないと言える。
特集に登場した、現在91歳の大阪市立大学名誉教授の林直道氏の次の言葉が紹介される。
林氏は当時22歳の学生。大阪で母と姉の3人で暮らしていた。当時、一家の蓄えは3万円あったが、「預金封鎖」で預金を自由に引き出せなくなり、途方に暮れた。林氏は、手持ちのお金が不足したことで、ただでさえ足りなかった食料がさらに手に入りにくくなり、川の堤防に生えている草をゆがいて、ごく僅かのご飯とともに食べたこともあったと語ったとされた。
特集の最後に、NHKを代表する偏向記者の一人である大越健介氏が次のようにまとめた。
「「預金封鎖」と「財産税」は、今では考えがたい措置で、経済大国となった現代の日本と当時とを安易に重ね合わせるわけにはいきません。しかし、日本の財政が今、先進国で最悪の水準まで悪化していることを考えると、歴史上の出来事だと片づけてはならない問題だともいえます。政府は、この夏までに今後5年間の財政健全化計画を策定することにしています。歴史の教訓を肝に銘じ、同じ過ちを2度と繰り返さないよう現実を直視することが、現代を生きる私たちの責務ではないでしょうか。」
つまり、特集放送の目的は明確なのである。 「預金封鎖」という一般国民に甚大な損害を与える措置が、近未来に実施される可能性があるとの「恐怖」を煽り、消費税大増税を国民に呑ませようとしているのである。 安倍政権が発足して、NHKは完全に政府に私物化されている。 「みなさまのNHK」というのは大ウソで、「あべさまのNHK」 というのが実態である。
ピケティの著書がベストセラーになり、安倍政権の経済政策の歪みが一段と際立って見えるようになった。 安倍政権は日本社会における格差が、相対的に大きくはないと強弁しているが、この主張も通用しなくなっている。 財務省に取り入る御用学者は、日本の格差が大きくないとの主張を展開してきたが、これも通用しない。
所得上位10%の所得占有率は、日本で40%を超えている。 米国よりは低いものの、フランスなどよりはるかに高く、いまや日本は世界有数の格差社会に移行してしまっている。2007年の政府税制調査会報告書は、日本の法人の税および社会保険料負担の国際比較の調査結果を示した。
この報告書は、日本の法人の負担が、「国際比較上、高いとは言えない」と結論している。
それにもかかわらず、安倍政権は血眼になって法人税減税を推進し、他方で消費税大増税に突き進んでいる。 要するに、「官僚と大資本と富裕層の生活が第一」の政策運営を実行しているのである。
日銀は野放図な量的金融緩和政策を強化しているが、財務省は、最終的にハイパーインフレで政府債務を棒引きすることを目論んでいる。
その意味で、預金封鎖の「脅し」には、一定のリアリティーがあるのだが、それよりも重大な問題は、消費税のさらなる大増税が画策されていることである。
官僚天下りの排除という、「シロアリ退治」は少しでも進展したのか。
答えは「皆無」である。 「弱い者は死ね」と言っているに等しい、安倍政権の弱肉強食推進政策を私たちは糾弾しなければならない。 そして、その片棒を担ぐ日本偏向協会をNHK=日本偏向協会一刻も早く、解体するべきである。 ≫(植草一秀の『知られざる真実』)注:筆者にて一部改行
報道では、≪「国として負った借金というのは国民の借金であり、万が一、うまくまわらなくなれば間違いなく、国民にふりかかってくる。厳しい財政状況を国全体としてきちんと受け止める必要がある」≫と、まるで国民が自発的に借金を重ねたような言い回しになっているが、同氏は、この報道を概ね財務省のプロパガンダに過ぎないとしている。
一時、筆者はNHKのこの唐突な報道は、NHKの一部改革勢力が、アベノミクス批判をしたのではないかと訝っていた。同氏は、幾分その点も頭の隅に置きつつも、2017年には絶対に消費税を10%にする為のプロパガンダ報道として、解釈するところに落ち着いたようだ。それなりに、同氏の同省へのパイプもあるだろうから、この解釈は尊重しておくことにする。
しかし、財務省が考えるハイパーインフレで、政府債務を棒引きが最終目標だとすると、消費税を2%上乗せすることなど、どうでも良いことのように思えても来る。にも関わらず、このように取ってつけた報道は、アベノミクスへの警鐘とも受け取れるし、資産の海外シフト、金地金や不動産投機へ金の流れをチェンジしてしまうリスクも伴うわけで、痛し痒しのプロパガンダになっている感じもする。
筆者は、アベノミクスが始まった時点から、資産の分散には心掛けた。株式、金地金、海外預金、土地投資、銀行預金、現金を適時分散していた。最近では、所謂、資本主義と民主主義が基本的概念を変容させ、資本主義のヒトモノを飛ばした金融主義と、強者の論理をゴリ押しする見せかけの民主主義の時代に入っていると理解している。同氏のように、純粋に正論を語る論者も必要だが、相手の動きや思惑に応じた自衛手段を採るのも選択肢の一つだと考えている。
ほとんど、イカサマな資本主義と民主主義に根本的に冒されたグローバリズムにおいては、国家に多くを期待しても無駄なだけだと認識している。人それぞれ、個人的事情があるから、一概なことは言えないが、それなりに資産のある人々は、自衛手段を採っておくべきだと思う。どれ程上手く行っても、現時点より個人の生活環境は悪化する。津々浦々に不景気は届くが、好景気は絶対に届かない。
おそらく、政府や財務省が最後の最後に取り得る手段は、終戦直後からの7年間程度の間に起きた「預金封鎖と新札発行」における出来事が参考になるだろう。政府の債務残高がGDPの250%になっているのだから、終戦後の約270%に接近中なので、考えられる国内デフォルトは、霞が関文学的レトリックで、借り手である国が、貸し手である国民の富を強制的に召し上げ、借金をチャラの如く見せる二重取り税制を実施するに違いない。
シロアリ退治も必要だが、多分、それですべてが解決するとも思えない。気分的に爽快だが、借金はそれなりに積み上げられる。ただ、納得のいく税制と云うものはあるのだろう。ピケティの富裕税のようなものも必要だろうし、その上で、社会保障の引き締めも必要になるだろう。問題は、政治においては、優先順位の選択の問題なのだ。どの順位が正義なのか自明だが、時の政府が、正義に基づく為政をするとは限らない。
筆者は最近、サツマイモ、ジャガイモ、キャベツ、各種キノコ類、鶏肉と卵の自主生産を画策している(笑)。畑は木更津近辺にそれなりにあるので、食うや食わずにならないだけの知識習得に余念がない。意外に、家庭菜園の延長線にあるレベルだが、収穫物は見てくれ悪くても味は変わらん。人さまに売るものでもないから、どれ程不細工でも気にならない。しかも、日夜お日様に当たる生活なので、健康にまでよさそうだ。海外移住も視野にあったが、危なっかしい限りで、あきらめた(笑)。国内デフォルト状態を乗り切ろうとした奴らの手段は、以下のレポートに詳しい。
≪そして預金は切り捨てられた 戦後日本の債務調整の悲惨な現実 ――日本総合研究所調査部主任研究員 河村小百合 参考URL: http://diamond.jp/articles/-/40167
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