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2015年02月23日 「ジャーナリスト同盟」通信
<72年に教えてくれた宇都宮徳馬>
日本人でありながら、日本を知らない日本人ばかりだ。いわんや外国人の日本研究者は、日本を知らない。ここに軋轢・摩擦が起きる原因がある。数年前、中国は日本のGDPを超えた。いまや急激な円安も加わって、中国は日本のGDPの2倍という分析もある。実際、中国人の消費・購買力は現地で確認できる。大型スーパーの品揃えは、多くの日本のスーパーを圧倒する。日本財閥が悲鳴を上げて、改憲軍拡に走る様子が手に取るようによく見えてくる。この財閥のことを初めて教えてくれた人物は、平和・軍縮派で知られた宇都宮徳馬である。72年のことだった。
<戦前財閥の数千倍の規模>
不思議に思う読者は、日本の政治を知らないのである。日本の総理大臣は100億円も用意すれば、誕生させることができる。経済が衰退した現在では、その半分でいいかもしれない。国会にたむろする輩は、国民の代表のはずだが、実際はせいぜい政治屋ばかりだ。
筆者の見るところ、自民党の政治家は村上誠一郎ただ一人だ。連立を組む公明党議員にも、まともな政治家はいない。腐敗にまみれてしまい、信念を貫ける人物はいない。それは共産党にも言えるかもしれない。
「かも知れない」とは、これまで共産党を本格的に取材したことがないからだ。大学の同窓生に同党の国会議員が一人いたくらいだから。よく知らないのだが、野党分断に奔走する様子からみて、気骨のある政治家はいない。
肝心の財閥だが、戦後解体されたものの、朝鮮戦争で復活、ベトナム戦争で一挙に浮上した。高度経済成長の場面で、戦前の規模を、はるかに、はるかに乗り越えてしまった。数千倍に膨らんでいるだろう。利益のあるところ、財閥はその豊富な資金力によって、全ての市場で暴利を得ている。しかも、行政と議会を自在に動かすため、それは実に容易なのだ。中小企業は、彼らのおこぼれしか手にできない。
財閥の政治力は、いかなる組織・団体をも、軽く凌駕している。モンスターである。司法立法行政の根幹を掌握しているのである。ために、彼らが犯罪者として獄に入ることはない。
<日本の司法立法行政を掌握>
財閥は違法政治献金者でありながら、それが摘発されることは決してない。実質、彼らが日本の権力者だからである。法の下の平等は、近代法の大原則だが、これさえも財閥には無縁なのである。
このことを薄々感じている学者がいるかもしれないが、それを指摘することはない。なぜかならば、彼は財閥によって生活を保障されているからである。
法治国家を約束する司法も、たとえ財閥が明らかに加害者でも有罪にすることはない。司法もまた、財閥に首根っこを押さえられているからである。学会・言論界も手を出せない怪物なのだ。ここにメスが入る時代が、日本の近代化・民主主義を約束するだろう。
多くの日本留学生もまた、彼らの世話になっているため、手足をもぎ取られたダルマのようなのだ。
<父親は太郎陸軍大将>
ところで、そんな財閥のことを教えてくれた宇都宮の父親は、戦前の佐賀藩出身の陸軍大将である。太郎大将は、三菱財閥を背後に控えて横暴を極めた、長州軍閥・山県有朋に対抗したことで知られる。
三菱は山県を駆使して戦争利権を独占した。三井と共に、侵略と植民地支配で暴利を得た。息子の徳馬は、そうした環境で育ったため、財閥が軍閥を動かす様子を知悉していた。
財閥が、軍閥・官僚・政界を操る姿をみて反発、30年代において読売新聞紙上で、愚かな官僚統制経済政策を批判した。
<戦前の読売紙上で軍部批判>
さすがに相手は軍国主義下の日本である。侵略戦争や植民地政策が謳歌する時代である。彼は慎重を期してペンネームを使った。高杉俊輔である。
高杉晋作は討幕運動の志士で知られる。俊輔は伊藤博文である。ペンネームを使って、悪しき財閥主導の悪政を批判した。その勇気と彼の信念に圧倒される。
戦後復活した財閥が、極右や暴力団(やくざ)に金を流していることなどわかりきっていた。しかし、駆け出しの政治記者は、そうした実態を全く知らなかった。
<右翼に資金を流す財閥>
72年は、日本と中国が国交を正常化した記念すべき年である。そのころ、国会周辺は右翼の街頭宣伝の大騒音で悩まされていた。これに警視庁は阻止することが出来ない。連日の不思議な光景に対して筆者は「彼らも生活しているはず。それにもかかわらず、毎日街宣車で田中内閣批判を繰り広げている。どうしてそれが可能なのか」と宇都宮に率直に尋ねた。
彼の答えは「君、財閥が金を出して政府を批判している。台湾派の政治集団だけではないのだよ」というものだった。
財閥は中国経済に魅力を抱いて国交正常化を受け入れながら、他方で反共活動の右翼にも金を流していたのである。
強制労働・植民地政策・侵略政策の元凶は、日本財閥である。日本軍国主義の主犯は財閥なのである。だからこそ、日本占領軍は真っ先に財閥を解体したのである。財閥こそが悪の根源・震源地なのだから。
戦後復活、超巨大化した財閥が、日本政治の根幹を掌握している。それが突出している現在の安倍・自公の国家主義内閣なのだ。
批判するジャーナリストは即座に排除される。信念のある、勇気あるジャーナリストは、生活権を奪われることになる。それは学問の世界でも繰り広げられている。沈黙する学者・文化人の日本である。
<民主主義を自認するのであれば声を上げよ>
悪徳の根源が誰なのか、どうすれば日本は民主主義を確立できるか。答えは宇都宮でなくてもわかっている。
政党・政治家・市民が反財閥の声を上げるしか、財閥の暴走を止めることはできない。財閥製品をボイコットするのである。安倍の改憲軍拡政策の震源地は、財閥なのだから。
中曽根バブル崩壊で失墜した財閥は、それで死滅することはなかった。小泉内閣は財閥金融に血税を投入して救済した。日本最大の財閥・三井は住友財閥と合体して、さらに肥え太った。
三菱と三井住友がシンゾウのスポンサーなのである。新聞テレビも、これにひれ伏す今日の悲惨な現況を見て取れる。現在、財閥批判は筆者のみである。これが一般市民や政界・言論界に飛び火する時代が、必ず到来するだろう。韓国を見習え、と言いたい。
かりそめにも民主主義を自認する日本人であれば、声を上げて財閥批判をする勇気を持たねばならない。筆者は外国の日本研究者らに訴えて久しいのだが。
2015年2月23日記
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