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日銀人事の正しい読み解き方
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42164
2015年02月22日(日) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
政府が発表した日本銀行人事が話題になっている。日本銀行の宮尾龍蔵・審議委員の後任に、「リフレ派」の原田泰氏を充てるというのがそれ。守旧派から「露骨な人事」などと批判する声が出ているが、この人事をどう考えればいいのか。
まず言えるのは、政府が目指すのはリフレ政策なのだから、それを理解する人材を充てるのは当然ということ。今回の人事提案は、アベノミクスの1本目の柱はまったくぶれていないことを示しているともいえる。
アベノミクスは、1本目の「金融政策」、2本目の「財政政策」、3本目の「成長戦略」の3本の矢から成る。
2本目の矢である財政政策については、昨年4月から消費増税に踏み切ったことで、間違った方向に向かってしまった。幸いなことに、今年10月に予定されていた2回目の消費増税はすんでのところで回避されたが、1回目の増税のミスはいまだ尾を引いている。
3本目の矢である成長戦略も、岩盤にぶちあたって突破は容易でない。
ところが、1本目の矢である金融政策は、首尾一貫した考え方で飛んでいる。いまから約2年前、日銀が執行部3人をアベノミクスに理解のあるリフレ的な人に入れ替える人事を行い、主導権を確保したことが大きい。
一方で、いまだデフレ指向のある旧日銀体制での審議委員がいるというのもまた事実としてある。昨年10月に日銀が量的緩和第2弾を行うかどうかを検討した際、6人の審議委員のうち2人が賛成し、4人は反対。結局、全体としては5対4で薄氷を踏んでかろうじて金融緩和が実現した。
賛成した2人のうち1人が、今回交代する宮尾審議委員。そのため、宮尾氏の後任人事によっては、量的緩和第3弾の可能性がつまれる恐れすらあった。しかし、今回政府は原田氏を抜擢した。政権の意図を理解している原田氏は、「黒田日銀」が量的緩和第3弾を行う際には大きな力になるだろう。
従来、審議委員6人の構成は、学者枠2人(うち1人は女性枠)、産業界枠2人、金融界枠2人といわれてきた。もはやこうした枠にとらわれずに、金融政策の専門家を選ぶべきなのだろう。というのも、日本の主流経済学者はごく一部を除いて、まったく金融政策を理解していない。むしろ経済企画庁や大和総研で働いてきた原田氏のように、アカデミズムに完全に染まっていない人のほうがいいくらいだ。
そもそも、日銀法第23条には、「審議委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する」と書かれている。政府(財務省)から推薦されて審議委員候補になるが、今回は官邸の意向が強かったようだ。これまでは、デフレ派の審議委員を選んできたため日本経済がデフレから脱却できなかったが、安倍政権はそれをひっくり返そうとしているのだろう。日銀法の範囲で適切な人を選んだだけだ。
しかし、世の中にはやっかみが多い。民主党政権ではデフレ派のほうが審議委員になりやすかったのでデフレ派からの猟官運動もあったが、今は皆無。そうした守旧派が「露骨だ」などと騒いでいるのである。
『週刊現代』2015年2月28日号より
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