★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK180 > 340.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「安倍政権に危機感を持ってるハト派の官僚は実はたくさんいるんです」 『東京ブラックアウト』若杉冽×古賀茂明 対談 後編
http://www.asyura2.com/15/senkyo180/msg/340.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 21 日 09:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

    『東京ブラックアウト』の若杉冽氏(手前)と古賀茂明氏が改革の必要性を語り合った


「安倍政権に危機感を持ってるハト派の官僚は実はたくさんいるんです」 『東京ブラックアウト』若杉冽×古賀茂明 対談 【後編】
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42019
2015年02月21日 現代ビジネス


『東京ブラックアウト』『原発ホワイトアウト』の著者で現役キャリア官僚の若杉冽氏と古賀茂明氏の対談。前編では、官僚の生態を中心にお届けした。後編では、2冊の著書のような破滅への道から日本の軌道を修正する方法はないのか。永田町、霞が関の人材について本音トークが炸裂する。

若杉冽(わかすぎ・れつ) 東京大学法学部卒業。国家公務員T種試験合格。現在、霞が関の省庁に勤務するキャリア官僚。著者には、ベストセラーになった『原発ホワイトアウト』がある。

古賀茂明(こが・しげあき) 1955年、長崎県生まれ。80年東京大学法学部卒業後、現在の経済産業省入省。経済・産業政策の要職を歴任、08年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任。急進的な改革を提言したが、民主党の反対で廃案に。東日本大震災と福島第一原発事故を受け、東電の破綻処理などを『日本中枢の崩壊』(講談社刊)で好評、11年9月退官。その後は『報道ステーション』ほかメディアで精力的に発信。近著『国家の暴走』(角川oneテーマ21)では安倍政権の危険性を指摘、「改革はするが戦争はしない」国の実現を模索する。 

■小泉進次郎は期待できるのか?

古賀茂明: 再稼働が進んだ原発がテロで狙われれば、『東京ブラックアウト』のように、日本はとんでもないことになっていく可能性がありますね。自民党でも民主党でもない勢力が、台頭しなければ、原子力ムラは安泰、再稼働が進み、若杉さんのようなキャリア官僚も、改革には動きづらい。小説では、大泉元首相が「原発即ゼロ」でがんばりますが、現実では小泉進次郎さんあたりが「脱原発」で、立ち上がらないかという期待もありますがなかなか難しい。

若杉冽: 小泉進次郎さんというのは、国民の多くが、小泉純一郎元首相の面影を感じ、連想したところから、人気が始まっているんですよね。純一郎さん自身が「自民党をぶっ壊す!」と言った変革者であったわけだから、進次郎さんも変革者であり続けないと本当は失速するわけで、彼はそれをどこまでわかっているかですよね。

古賀: 人間、どうしても放っておくと守りに入っちゃうでしょ。小泉進次郎さんだって、人気絶頂のところから始まっているから、この人気は保ちながら着々と少しずつ自民党の中で地位を上げていこうかと、タイミングをうかがっている感じですよね。あそこまで人気があったら、自民党をいきなり飛び出して、どんどん勝負に出てっちゃったらいいじゃんと思うけれど、コケたくはない。そろそろみんな、何だ何もやらないのかと、感じ始めてくるんじゃないかと思うんです。

若杉: 最近、週刊誌もあおってますけどね、自民党を飛び出して、進次郎と純一郎で親子新党を作れ! ですから。守りということで言うと、武雄市長だった樋渡啓祐さんが佐賀県知事選に出て、彼はやっぱり県知事に乗り換えるタイミングでオスプレイと原発再稼働に、官邸との関係でコミットした。変革者というよりも、変人として人気を博していた人間が、ある日、気がついたら県知事の切符と引き換えに体制側に回って、それで失速するという本当に非常に象徴的な例だったと思います。

古賀: 橋下徹さんを思い出しますね。

若杉: ほぼ同じですよね(笑)。

古賀: 似てるところがありますね。

若杉: 再稼働容認で失速です。

古賀: そう。あれで相当みんな、がっかりしました。僕は全然、恨みには思ってないんだけど、相当だまされちゃったって感じで。今回、『東京ブラックアウト』を読んでいて、橋下さんの大飯原発再稼働のこと思い出したんです……。

最初、大飯再稼働に反対するとき、「みなさん、福島の事故を見たでしょ。あの事故を見て、まだ原発を動かしたいと思っている人はロボットだ。なぜなら人の心がないんだ」、そこまで言っていたんです。それなのに、ある日突然、「やっぱり動かしてもいい」って言ったんですから。周囲の期待をこんなに高めてくれただけに失望も、思い切り大きかったという結末でした。

若杉: なぜ橋下さんは、変わったんですか?

古賀: 僕らに対しては「いやあ、古賀さん、ごめん、ごめん」っていう感じで。「やっぱり大阪市長っていうのは大阪市民の生活を預かっているんだ。古賀さんとか飯田哲也さんとか佐藤暁さんとか、原発の専門家から話を聞いて、確かにうまくやれば原発なしでもいけるような気もした。でも万が一、原発ゼロにした結果、電力供給不足で停電になって、いろんな支障が起きるっていう可能性を、どうしても自分として排除しきれなくなった。政治は結果だから、万一のことが起きたらっていう、そこがやっぱり怖くなっちゃったんですよね」っていう言い方。端的に言えばビビッたんです、関電とか経産省にいろいろ脅かされてね。やはり今井(尚哉・現首相政策秘書官)さんですよ。

若杉: そうですよね。あの時、資源エネルギー庁次長だった今井さんが、橋下さんを説得したということなんでしょうか。

古賀: 今、安倍官邸で一番権力を握っているわけですけれど、前原さんのところに今井さんが足繁く通っていました。前原さんはもともと原発推進の超タカ派の人ですが、前原さんと橋下さんがすごく親しくて、橋下さんは将来、国政に出ていったとき組合を切り捨てた民主党という形ができれば組める、その民主党のリーダーは前原さんだろう、と。まあ、反りも合うんでしょうけどね。

その前原さんのところに今井さんがいつも行って理論武装させて、橋下さんが月に1回ぐらい前原さんのところの勉強会に行くんですね、東京の。そのたびに今井君が一緒に説明して橋下さんの心が揺れるわけですよ。きれいなカラー刷りの資料を見せられて。そうこうしているうちに最後は細野豪志環境大臣が出てくるんですよ。これが超人たらし。すごいんですよ。

■調子のいい経産官僚

若杉: 民主党の代表戦の頃の「週刊新潮」にも書いてありましたけれど、あそこに書いてあるとおりですね、細野さんっていう男の人格は。まったく何ていうんですかね。中身がないし、背骨がないし、環境大臣になって経産省出身の秘書官から「やっぱり原発しかありません」と、ささやかれたら、そう思っちゃうっていう、そういうことですよね。

古賀: 民主党のだれについても、かわいがられるんですよ。鳩山さんにも、小沢さんにも。そして、菅さんになっても野田さんになっても決して疎まれることはない。

若杉: 何か、調子のいい経産官僚みたいですね(笑)。

古賀: ああ、すごい。そのとおり(笑)。

若杉: 民主党政権でも、こうやって(ゴマをするポーズ)、安倍政権になっても、こうやってる(ゴマをするポーズ)。

古賀: 私が麻生政権で公務員改革をやっていたときに、麻生さんっていうのは公務員改革が大嫌いな人。官僚とべったりだし、今も財務省とべったりでやってますけど、だから総理大臣が公務員改革をやりたくないわけですよ。

でも、公務員改革担当が甘利さんで、すごい貧乏くじなんですね(笑)。甘利さん自身は公務員改革をやってもいいかなという思い。組合なんて蹴散らしてやれみたいな、ちょっと武闘派的なところがあるから、けっこう関心を持っていたんですよ。でも上が麻生さんだからあんまり本気でやったって怒られる(笑)。僕らとしては、選挙がもうすぐ来ますよ。これで公務員改革に後ろ向きっていうレッテルを貼られたら、自民党はもう地に落ちますよというのを脅しにして、ずっとやっていたわけですね。 

若杉: 古賀さんが、新聞にリークしたり、民主党をたきつけたりしながらですよね(笑)。

古賀: 国会ではその流れをつくるためには民主党にガンガン質問してもらうわけです。それでいろんなネタを持っていくわけですね。細野さんとか長妻さんとか馬渕さんとか、松井孝治、松本剛明、それから原口一博、この辺がワーワー言って責めるわけですよ。

若杉: 国会で攻められ続けるのが甘利さん。

古賀: 特に細野さんが、弁舌さわやかでツボにはまって甘利さんをガンガン攻撃したわけです。「天下りを全部やめさせろ」とか。それで翌日、大臣室に甘利さんを訪ねたら、機嫌が悪いかなと思いきや、「しかし細野っていうのはいい男だな、すごい追及の仕方も格好いいし、男前だし、ああいうのが自民党にほしいんだよな」と言うわけです(笑)。攻撃されて、ケチョンケチョンに言われているにもかかわらず、甘利さんが「いやあ、山本モナが惚れるのは本当にわかる」って。どんどん話がそれてますけれどね。

若杉: まあ、細野さんが代表になれば民主党も復活できるんじゃないか、とも思いましたけれど、あの暴露合戦で失敗しましたよね。

古賀: ちょっと何か、人格に、細野さんに「はてなマーク」がついちゃった。でも安倍さんもあそこまで1回、落ちて復活してますからね。

■「戦争はしないけれども改革はする」党は成立するか

若杉: 今日の対談の前に私も『国家の暴走』読ませてもらいましたけれど、いや、大変興味深かったんです、古賀さんの言う「戦争しないけれども改革をするっていう」のは、確かに国民はそこのところを求めていると思うんです。けれど、なかなか現実の政治で出てこないじゃないですか。江田憲司さんが一時、そうだったかもしれないけど、橋下さんと手を握っちゃって、わからなくなってしまったし。そこって、どうして有力な政治家が出てこないんですかね。

古賀: 安倍政権の人たちは古賀はあんなこと言っているけど、あれは妄想なんだと。

若杉: 妄想ですか(笑)。

古賀: つまり改革はするけど戦争はしないなんていうことを支持している層がいないから、だれもそういう政策を掲げないんだ。こういうふうに一生懸命宣伝してるらしいです。だけど僕がいろんな地方とかを回って講演したり、いろんな地方の議員とか、いろんな人と話をしてると全然、そんなことはなくて、マグマとしてはそこの部分っていうのは相当たまってるなって。

若杉: いや、本当に、飢餓感がすごくどんどんマグマとして蓄積しているような気がしますね。私の周りでも、ハト派の官僚はいっぱいいます。ただ、あれよあれよと、日本版NSCができ、特定秘密保護法ができ、集団的自衛権の閣議決定がなされてしまった。危機感をもっている役人も多いですよ。

古賀: 自民党が気がついてないだけで、今、だんだん山体膨張みたいな感じになってるというのが僕の見方で、選挙直前になればみんな、どこの党を選ぼうかというので政党支持率というのを見ると無党派がだんだん減っていくんですけど、選挙がないときは無党派がずっと膨らんできたじゃないですか。もう半分前後、常にあるという。集団的自衛権を閣議決定しました。それで10%落ちましたと。結局、今、受け皿になる政党、政治家がいないなと、みんなが感じていて、だからしょうがないな、無党派だと。

若杉: ところが選挙になると、入れるところがないという。しかたないから共産党に入れた。

古賀:  僕は、このまま行くと、安倍政権っていうのは確実に戦争に向かっている。しかも安倍さんとして見れば何が何でも、ただ戦争したいと思っているわけじゃもちろんなくて日本を守るためには戦争できるような体制をどんどん整えなくちゃいけない。それは武器輸出三原則をなくしちゃったっていう、ここがすごい大きいと思うんですね。

最初は、武器輸出解禁したって、アメリカとかイギリスとかフランスとかロシアとか中国が入り乱れてものすごい競争をやっている中にポッと出の日本の業界が、はい、性能がいいです。買ってくださいなんてやったからって、そんな簡単に売れるようなことはないし、全然、心配ないですよという話だった。ところが4月に解禁して、今や日本の潜水艦がすごいとか、日本の何とか式戦車がすごいとか、ありとあらゆる分野で日本の技術はやっぱりすごいですよ。あとは値段だけだと。      

若杉: にもかかわらず、豪州に潜水艦を売り込もうとしたら、豪州国内で反発を招いて、アボット首相が解任されそうになる始末です。いきなりやりなれていない商売で、武士の商法という印象を受けます。

古賀: 僕が1番驚いたのは、江渡(聡徳)さんかな、前の防衛大臣の発言です。今までなら国会で防衛産業の問題になると、「決して金儲けじゃなくて、国民の命を守るためには日本の防衛産業も成長してもらわないといけないんです。金儲けは夢にも考えていません」っていう答弁をして逃げるという想定問答を共有してみんなでそれを守っていたわけですよ。だから、『報道ステーション』で「防衛産業を税金で援助する動き」のニュースを去年の12月にやった時も、どうせ質問してもまともな答えはかえって来ないだろうけれど、せめて防衛大臣が逃げてる感じを出そうか、そういう絵を撮ろうと思って質問したら、「いや、武器輸出で国内の産業の基盤充実を考える、国民の雇用にもなる」と防衛大臣が答えてしまったんです。「えっ」て言って、みんなが驚いて、その先の関連質問ができなくなっちゃった。とプレスの人が言ってましたよ。

若杉: 呆気にとられて終わったと(笑)。

古賀: 今、とんでもないこと言っちゃったよっていう場面があったんですよ。

若杉: 不思議ですね。

古賀: 武器産業を成長の柱にっていうね。もしそれが起きたらどうなるかっていうと、まさに戦争できる国じゃなくて、アメリカで今、起きている、これからどんどん防衛予算は削減です。長期計画がつくられちゃいましたと。それで何が議論になっているかというと、ロッキード社がどこかの工場の何割の人をレイオフですとかいう話になって、景気が悪くなるとか、その地域が沈んじゃうとかいう議論を一所懸命やってるわけですよ。日本でもそれが起きるっていうことですね。

若杉: やめられなくなってしまうわけですね、一度武器輸出を始めて、軍需産業で潤うと。

■悪魔のジグソーパズル

古賀: もちろん防衛産業をやっている人だって世界中で人殺しをしたいと思っている人は1人もいないんだけど、何を願うようになるかというと、やっぱり戦争が起きればな。これは売れるぞというのをどうしても考えちゃうでしょ。戦争のほうへという政治的圧力が高まって、これは公共事業と同じになるわけですよ。

知り合いの土建屋さんで、「人間としてこんなこと思っちゃいけないんですけど、誰も死者が出ない災害が起きてほしい、っていう気持ち正直あるんですよ」というね。そうすれば公共事業で生活がラクになる。

若杉: 正直な人ですね。防衛産業でもそう考える人が出てくるんですね。

古賀: 原発もまったく同じ構造ですよね、結局。あの事故を見たら「やっぱり動かすって人間じゃないよね」って橋下さんが言った言葉、ほとんどの日本人が共有したと思うんだけど、気がついてみると、しばらくするとね。ああ、完全に復活してると気がつくんです。

若杉: 『東京ブラックアウト』で書きましたが、新崎原発の格納容器爆発の直後、官僚と日電連の二人が、ロードマップを考える場面。見せ掛けじゃない発送電分離を作ると言いながら、実はできるだけ先延ばしして、その間に既存の電力会社が生き延びられるように、制度的に全部きっちり保証してしまうというやり方をするんですね。

古賀: 国民から見れば、東京電力はまだまだ、だれも責任とってないじゃないかという話なんですが、他の電力会社から見ると、国に対して俺たちを同じ目に遭わせるつもりじゃないでしょうね、万一、事故があっても、東京電力みたいな惨めなことにはならないようにしてくださいよということなんです。だから、発送電分離の前に今、ものすごい細かいことまで含めて全部経産省がたぶんリストアップして、はい、これは何々審議会の何々小委員会ね。これは内閣府の方でやってもらえますか、と制度的に保証しようとしている。

若杉: おっしゃるとおりなんですよ。今まではそもそも原発事故は起きないという前提だったので、もしものことが起きたときについての制度的な備えはなかった。何かあったら国が面倒見てくれるだろうという電力会社と、経産省の間で、阿吽の呼吸という感じの信頼関係があったんです。けれど、原発事故があって、そういう阿吽の呼吸でやるとか信頼関係とかそういうのも崩れてきている。だから、全部制度的に担保しなくちゃいけなくなって、それをやっているんです。そういう意味ではまさに改悪なんですよね、制度としては。

古賀: そう。だから今までなんとなくふわふわとした部分があったんで、だから原子力ムラのモンスターといっても、なんとなくちょっとやや弱いところもありそうな、アキレス腱がありそうな感じのモンスターだった。

若杉: そうですよね。ところが、最後のアキレス腱のところまで鎧で覆ってしまうような改正を今、進めつつありますよね。ガチガチに重武装して、だれがどうやってかかっても絶対に簡単に払いのけられるようなモンスターになろうとしている。で、その重武装が全部バラバラに行われてるんですよ。

古賀: マスコミはとても理解できていない。本当は一覧表にして、事故が起きたときとか起きないときも含めて原発にまつわるいろいろなコストっていうのを、こういうものは必要です、こういう対応は必要です。全部1から20、30ぐらいまで挙げてこれはここで手当します、どこの審議会で議論しています、どこの大臣がこういう発言してますという一覧表をつくってパッと貼り出すとすごいおもしろいだろうなと。

若杉: 今は完成したジグゾーパズルをわざわざ一度、ばらけてマスコミに投げつけてるから、どのピースがどうはまっているのかわからない。

古賀: それ、すごい、いいたとえです。もうジグゾーパズルのようにわかりにくい。

若杉: そういうことですよね。私なりに、そのジグゾーパズルをなるべくつなぎ合わせてわかりやすくしたのが、この『東京ブラックアウト』での再稼働への霞が関や永田町の原子力ムラの住人のヤリ口の描写なんです。避難計画をどこの責任で作るのか、発送電分離をどう進めるのか……。けれども、まだまだ政府の中にいる私ですら、ピースでわからないところもありますしね。

■安倍政権は最悪の組み合わせ

古賀: そうするとまだまだ本当は書ききれないウラもたくさんあるし、これから先、どうなるのかなとか、次のタイトルを何か、考えてますか?

若杉: この悪だくみが続く限りはできるだけがんばりたいとは思いますけどね。

古賀: でももう、僕は「改革はするけれど、戦争はしない」第4象限の党、「フォーラム4」とかいろいろ言ってるんですけど、そろそろ若杉さんも正体を現して日本の政治に打って出るんだみたいなことをやってくれませんか? そういう投書とか来ません?

若杉: 講談社には来ているそうですけれど、私は政府の中にとどまって発信し続けるほうが、今の時点では意味があるかなと思っています。第2、第3の若杉冽が出てくるのであれば、もう私は不要になる。そうなればそういうこともあるかもしれませんね。

古賀: これは『原発ホワイトアウト』のときの対談より、一歩踏み込みましたね(笑)。あのころは「何がなんでも私は中にとどまって発信するほうが意義があると思います」で、そこで終わりでしたけれども。

若杉: そうでしたか。いや、だから第2、第3の若杉冽が出てくれば。

古賀: 出てきますかね。

若杉: どうですかね。ただ相当おかしいなと思っているやつらは、霞が関にもいっぱいいますよね。

古賀: 今の安倍政権っていうのはすごい悪い組み合わせなんですよね。政策がおかしいんです。だけど政権運営はすごくうまいんです。

若杉: 最悪の組み合わせですよね。悪い政策が着々と実現していくという恐ろしい組み合わせです。

古賀: 民主党の場合はみんなが一時期、期待して、いい政策も持っていたのかもしれません。けれども政権運営がめちゃくちゃだったので、何もできないで終わった。1番いいのは素晴らしい政策を持っていて、かつ政権運営もきっちりできるということになれば国民のためになることがどんどん実現していく。

それを仮に第4象限の勢力が大きくなって政権を担うということになったときでも政策はいいんだけど政権運営をきっちりやらなきゃいけない。そのためにはおかしな官僚にだまされたり、あるいは足を引っ張られたりとか、そういうチャレンジがあっても、だまされないようにする。

若杉: 民主党政権は目指していたことは、自民党のオルタナティブとしていい政策もたくさんあったと思います。ただ、前作『原発ホワイトアウト』でも書いたとおり、烏合の衆で、政権を取るまでが目的化していて、政権をとった後の官僚の操縦術、掌握術がまるでだめだった。

「改革派官僚を行政内部で公募する」なんて気張ってみても、官僚は政治家と180度違ってリスク回避志向が強い人種です。政治家の側が見極めて引っ張り上げないといけない。

■心ある官僚のリクルートが必要

古賀: 心ある官僚をちゃんと見分けて引っ張り上げて、政権運営をしていくという、それをやらなくちゃいけないので、そうするとやっぱりある程度の数の心ある官僚とか、元官僚とかいう人をリクルートしておく必要があるんです、事前に。

そういう人がいるとなれば、第4象限の党に行ったってうまくいくのかなっていう不安感を持っている政治家に対しても、こんなにサポートする官僚部隊がいますよとアピールできる。もうすでに霞が関を辞めた人の中でも改革派といわれる人は少しはいるんだけど最近、ちょっと辞めた人たちがおかしくなっていってるような感じもあってね。

若杉: ああ、そうですか。あっ、確かに一部、そういう人たちもいますね。

古賀: いきなり原発推進派になって、電力会社に買収されちゃったのかなという人とか、急に専門でもないけど集団的自衛権とか、バンバン応援してみたりとか。結局は安倍政権があまりにも強いので、反対していても飯の種にならないなって判断するという。

若杉: せっかく役人を辞めたのに残念なことですよね。本当に。

古賀: 辞めろとまでは言わないけど若杉さんみたいな形でチャレンジしたり、あるいは政権の中からいろんな改革を叫んだり、叫ぶとつぶされるというのであれば、外の人を使って、それを実現しようとしたり、あるいは思い切って外に出て、中の人と協力しながらそういう政治勢力をつくっていこうとか、そういう改革派的な官僚というので、もう1回、ちょっとね。

若杉さんが私が若杉ですよと言ってやるわけにいかないけど、本名で。いや、若杉という正体とは全然、違う本来の自分の現場の立場でそういう人をちょっと探してもらって僕ら外にいる人たちといろいろ勉強したり、何か、そういうのってできないですかね。

若杉: もちろん私も努力しますけれども、当然、私が知らないところにも改革派の卵はいると思うので、ぜひ、このメルマガなり、雑誌の記事を読んだ方にはですね、直接、第4象限の党首の古賀さんに連絡をしてください。

古賀: いや、いや、私は党首とかはいいんです(笑)。

若杉: そこで古賀さんが党首じゃないっていうのもちょっと話の流れ的に・・・・・・。

古賀: まあまあ、それはさっきの逆襲ですね。逆襲を受けてますけど(笑)。

それで第4象限の党っていうのはわかりにくいので、今、フォーラム4っていうのを始めようかと。フォーラム4の霞が関支部だったり、あるいは何々省支部的な人たちをつくってもらう。それでやりたいという人はもちろん僕に直接、連絡をとってもらってもいいし、あるいは講談社のこの『東京ブラックアウト』編集部宛に若杉冽さんを私は手伝いたいという手紙でもメールでももらってもいいし、それは本当に10人とか20人とか集まったらすごいことになりますよ。

若杉: そうですよね。「改革はするけれど戦争はしない」というのは、僕は思想信条的には大賛成ですよ、それは。

古賀: もうすぐにも立候補したいと。

若杉: いや、いや(笑)。たださっきも出ましたけれど、現実の政治を今、やってる人で、それを担ぐ個人名はあまり見えてこないのは・・・・・・。渡辺喜美さんとかはそうだったんですか?

古賀: 昔はそうだったけど、思い切りタカ派になっちゃった。江田憲司さんはそのうちタカ派の橋下さんと大ゲンカして割れたら、第4象限という可能性はあります。民主党の中で実は潜在的にはけっこういると思うんですね。だけど強力なリーダーがいないんですよ。今、1番近いのは長妻さんなんだけど、長妻さんはやっぱり…。

若杉: 長妻さんは代表選で官公労が支持してましたよね。霞が関改革派の長妻さんが公務員の組合の支援を受けるというのは、あれ、どういうことかわかんないんですけどね。

古賀: 長妻さんだけでしたからね、民主党政権で天下り撤廃とか本気で戦って、厚労省の逆鱗には触れるし、財務省はつぶしにかかったんですね。

だから公務員改革とか1番熱心なはずなんだけど、今回は、岡田さんにしても、細野さんだって本当は組合なんか嫌いなんだけど、とにかくみんな、組合票っていうのが1番当てになるんですよ。今回は長妻さんの考えはやっぱり離党するより、代表戦で勝った方が近道だろうということだったんでしょう。でも勝たなかったのでよかったかなと(笑)。

若杉: じゃあ、将来の第4象限の党は長妻党首の可能性もありますね。

古賀: もう、霞が関アノニマスとか、そういうのもいろいろ始めてみたいと思いますので、ぜひ、心ある官僚の方々はわれこそはと。あるいはちょっとのぞいてみようでもいいんですけど、まあ、難しいんでしょうけど、若杉さんのように覆面してでもいいので、是非参加してほしいと思っているんですよ。

(文中一部敬称略)

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年2月21日 09:53:11 : KzvqvqZdMU
古賀も若杉とやらも、世界の根本的変化が目に入ってないよぉだな。
依然として、敗戦国としての日本、手足を縛られた敗戦国、日本=悪玉、の戦後史観の観念に縛られたままで行きたいってことだな。
 米の属国として、国家の安全を他国に依存し、手足を縛られたまま綺麗ごとだけを言ってきた日本。それを続けたいといってるわけだ。
 軍と聞けば、こわぃこわぃ それだけの属国感情だ。


[32削除理由]:削除人:アラシ
02. 2015年2月21日 11:30:54 : EmlyqzO1DE
安倍政権打倒に固まって行動してもらいたいものです。

当然国民も手を携えて、、、

戦争国家にまっしぐら、憲法無視ですからね、、
山口県有権者、安倍、高村、林、、、とよくこんなバカを選んだものだわ。
貧しい県で、半島系住民が多い県ですから、壊すのが良いのでしょうね。
西欧と手を組み、徳川幕府を倒幕した県ですから、壊すのが良いと思っているのでしょうね。
岩国は、沖縄にとり代わりアメリカの基地になってください。
しかしな、近隣の広島県、島根県には迷惑をかけるなよ!

ハイルヒットラ-;安倍・麻生・高村に逆敬礼!


03. 2015年2月21日 11:49:05 : kUNRRFVjzw
相変わらず>>01の小僧っ子がトンチンカンな感想をくっちゃべっているw
まあ、この小僧っ子は無知と無邪気で頭の中ができているだけだからアレコレ言っても詮無いが、二人の対談で不況下の土建屋の、人は死ななくていいから大災害が起きて欲しいと願う気持ちってのはこのご時勢少なからずあると思うよ。

武器産業は造って売ることができないのでは意味が無いんだから、需要と供給を回すために必要なのはなんだ?と考えれば戦争を欲するというしごく単純な論理に行き着く。
土建屋さんのふとした邪さは食わせていくためには・・・という切実さの裏返しのやむをえなさから出た言葉だが、いや、気持ちはわからんでもないがやっぱり言わんほうがいいよね?という自戒で収めることができるが武器輸出産業はそうはいかない、造って売り込んだ先の現実など工場で働いている人たちは想像できない。
防衛産業で雇用創出になるといった自民党の政治家は、発した言葉がそれを売った先の後のことまでなんか考える必要はないし、古賀と若杉両氏が言う戦争の無い世界ではそれらの需要は縮小するので当然レイオフのことも視野に入れるというアメリカの例から、新たな戦争需要を期待する動きを軍需景気のサイクルから抜け出せなくなってしまう恐怖を想定すらしていない。
安倍もそうだが、とにかく自民党政府の閣僚たちのこうした単純さというのは>>01の小僧っ子のような安倍支持者に代表される、発言も思考も非常にイノセントな連環構造を生み出しているように思う。
バカの壁という言葉があったが、今なら無邪気で単純な壁と言い換えたほうが適切だろう。
もちろんバカであることは言を待たないのだが。


04. 2015年2月21日 12:08:58 : YxpFguEt7k
今井尚哉(安倍官邸で一番権力を握っている)
将来の第4象限の党は長妻党首の可能性もありますね。

この辺りの情報が、攻撃・応援のポイントですかね。


05. 2015年2月21日 14:24:09 : VYdPTsL9Q6
安倍以上に小沢一郎に危機感を持っている官僚が大勢いたから、
小沢は失脚したんですね、
わかります。

06. 2015年2月21日 16:32:55 : Fx0MAc3H3s
01!
頓珍漢だと評されていますよ
その通りだ

日本=悪玉、の戦後史観の観念に縛られたままなのは
お前らアヘアヘ信者のネトウヨだけだろ
何時までも戦後史観なんかに縛られてたら
こんなに経済成長なんて出来なかっただろ
話をぶり返してグズグズ言ってるのはネトウヨだろ
戦後から縛られ続けているのはお前たち
特殊な安倍ネトウヨ軍団だけ!

他の人たちは平和を謳歌し
経済成長を楽しんでましたがねぇ


07. 2015年2月21日 23:03:41 : nkbpb3FE4c
本を読みました。
前半は、難しくてよく理解できませんでしたが、後半は一気に読めました。
いとも簡単にメルトダウンができるのに驚き、これを読んだ人は、もう再稼働は無理だと思うはずです。再読してよく理解できました。
最後に、小説だとはいえ、東京も危ないからと言って京都に移ってしまうのは、ビルが乱立し、日本の伝統や文化の象徴を壊すことになります。再稼働のために国民をだました、官僚や、電力会社、政治家は、東京に除染しながらでも留まるべきだと思いました。そして、このさい官僚改革をし、外務、防衛、財務省の他は、地方に分散するほうが良いのではないかと思いました。

08. 2015年2月22日 03:00:44 : IJjjrLkBu1
   戦後の急速な経済成長を企図した政財官の護送船団方式は、司法を巻き込み、マスコミを巻き込んで、憲法に謳われる国民個人の尊厳の尊重という、いわば手間暇のかかる国民代表議会制度を端折って、官ひとつで法案つくりから予算執行、国民に有無を言わせないため、補助金と行政指導という飴と鞭を使って統治した。省内においては、憲法や基本法の原則に逸脱するような利権構造に異論を持つような下部公務員に対して、賞罰という飴と鞭を使い、冷遇、厚遇を周囲の職員に見せつけ、「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」を体感するような方向へ持って行ったのである。最後の砦たる司法においても、判事の人事をやはり官が仕切ることにより、その裁定は常に「行政事務に誤謬無し」とされた。
  いわば高度経済成長のための超法規的な、民主主義的手続きの放棄が今に続いているということなのである。
  体裁だけは行政事務を監督する「総理」を置き、その下に一回限りにおいて総理が委任した各省大臣が存在するも、主権者に代わって行政事務を管理監督するどころか、族議員となって官の独走を助けているのが現状だろう。
  省庁内部で淘汰される公務員はどのような人物なのか、厚遇される公務員はどのような人物なのか、主権者、納税者が、閣僚を通じて把握することが全く出来ていない。かくして、歳出戻入もしない予算の分捕り、保管金の留保と先送り、官製談合を容認して黙々と上司の命令どおりに書類作りに勤しむ職員ばかりが残り、疑問や異論を持つ職員は冷遇の対象となり権限ある部署には行かれない、という構造になっているのではないか。
  従って、どのような人事も、本省の係長あたりから必ず所轄大臣が目を通し、結果責任者として自筆のサインによって昇進を認めることだ。企業の社長が目を通さない人事が自社に大きな影響を与えることを考えれば、公僕が公僕の人事を司るほどおかしな事は無い。無論、最後の砦たる司法人事も、司法研修所の段階から官の采配によるものであり、ここからして改善を要すると思う。
  政治を議会、政治家を議員と呼び直し、議会と議員が公務員人事に目を光らせる必要が有る。それには、少なくとも現総理や閣僚が族議員ではいけない。官僚機構の操り人形化し、広報担当となり下がり、官僚擁護を旨とするようなことのないよう、少なくとも主権者を代表する者として主権者に代わって行政事務を管理監督する立場である、という認識を持たなければならない。
  権限が官僚機構に降り、結果責任となれば権限が主権者に舞い戻り、官僚機構は我関せずと再就職先の斡旋に余念が無いような、行政手続きの出鱈目が元凶である。これは、政権党の体質がどうだから駄目だとかでは無く、とにかく主権者が、権限を護送船団方式時の官僚機構から取り戻すのが大前提だ。公務員人事が、経営側が関与せず社員同士で評価し合うような、省内完結にさせない事が大事ではないか。
  


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK180掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK180掲示板  
次へ