http://www.asyura2.com/15/senkyo180/msg/240.html
Tweet |
ホルムズ海峡の機雷除去に集団的自衛権を発動の錯乱 永田町の裏を読む/高野孟
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157299
2015年2月19日 日刊ゲンダイ
安倍政権の集団的自衛権容認論は、いよいよ錯乱気味となっている。安倍晋三首相は16日の衆院本会議の答弁で、ホルムズ海峡に機雷がまかれた場合「わが国が武力攻撃を受けたのと同様に深刻、重大な被害が及ぶ」ことは明らかで、「わが国の存立が脅かされ国民の生命が根底から覆される明白な危険がある場合などとした集団的自衛権行使の新3要件に当たる」と明言した。
しかし、第1に、これはいったい誰に対する集団的自衛権の発動なのか。言うまでもなく集団的自衛権とは、軍事同盟関係にある同盟国が武力攻撃を受けた場合に、自国は攻撃されていなくてもそれを我が事と思って一緒に戦う権利である。日本の同盟国は米国のみであり、米国艦が機雷除去作戦を実施するから参加しろと言ってきた場合には自衛隊が出て行くことはありうるが、米国がいなければ、集団的自衛権の名目で出て行くことはできない。
第2に、佐藤優氏が指摘しているように、ホルムズ海峡の航路帯は公海ではなくオマーンの領海にある。他国の領海に機雷をまくのは侵略であり、宣戦布告と同様の意味を持つから、武力攻撃を受けているのはまずもってオマーンである。ところがオマーンは日本と同盟関係にない。
第3に、集団的自衛権を発動できない場合に、それでも「わが国の存立が脅かされ国民の生命が根底から覆される明白な危険」に軍事的に対処しようとすれば、個別的自衛権の超拡大解釈で出て行くか、あるいは国連決議に基づく「集団安全保障」措置に参加するかのどちらかで、これらはいずれも集団的自衛権とは関係がない。
第4に、では誰が海峡に機雷をまく可能性があるかといえばイラン以外にない。イランとオマーンが交戦状態にある中で(停戦後なら話は別だが)、日本がオマーンの領海に入って機雷除去作戦を行うということは、日本がイランと戦争するということである。そういう国際法の理解も、イランと戦うことの重大性の認識も覚悟もなしに、言葉だけをもてあそんでいるのが安倍である。
自民党ベテラン議員は、「イランも石油輸出国だし、ホルムズ海峡をふさげば自国を封鎖するのと同じだから、そんなことはしない。万が一、あるとすれば、イスラエルがイランの核疑惑施設を空爆して大戦争になった場合だろう。そういう事態を起こさないために中立の立場で外交力を発揮すべき時に、安倍はイスラエルに肩入れする姿勢をとっている。もう、支離滅裂だよ」と嘆く。
安倍はすでにこの国を危険な道に引きずり込んでいる。
▽〈たかの・はじめ〉1944年生まれ。「インサイダー」「THE JOURNAL」などを主宰。「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK180掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。