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2015年02月19日
どうせ言っても、“カエルの面に小便”だろうが、敢えて言いたい。本当に、日本のマスメディアの惰眠の程は、無視していられないほど酷くなっている。英国の経済誌エコノミストに驚かれ、指摘されるような実情が真実だろう。日本のマスメディアにおいては、もう震災復興は成し遂げられたと云う顔つきになっている。そんなわけはない、政権に見放され、業者に見捨てられ、官僚の縦割り行政に阻まれ、「やっている、進んでいる、復興も新ステージに入った。」このようなことを嘯く、現実離れした放言男の震災現場訪問のニュースを流すのに罪悪感は憶えないのだろうか。
安倍は、綺麗な所だけを回り、新しい箒の目がくっきりと目につく現場を、下々を従えて視察し「復興も新たなステージに移りつつあることを実感できた。政府として予算や税制、金融面において支援に力を入れていく。閣僚全員が復興相だという意識を持って取り組む」などと、まったく現実と違う世界を見てきたように、へらへらと語る。そのニュースがテレビ画面に流れるのだから、日本全体の空気は、震災の復旧復興もだいぶ進んだようだと思い込み、もう話題はイスラム国やホワイト・エグゼンプションに移行する。心のケアに向かう?「その前に住むところ作ってけれ!」心は自分で何とかするからさ(笑)。
原発の安全基準についてなど、マスメディアが真っ当であれば、いの一番にヤリ玉に挙げられる話題だろう。口が裂けても、「独立した原子力規制委員会によって世界最高水準の新しい安全基準が策定されました・・・略・・・/まずは、厳格は新安全基準を乗り越えた原発についてその再稼働を判断していく」等とは言えないわけで、安全だと保証することはないと断言している委員長の言を待たずとも、旧態依然の「多分危なくない」と云う論理がまかり通るのだから、世界の笑われ者である。
報道ステーション辺りは踏んばっているようだが、古賀茂明氏を降板させる流れがあるくらいだから、この報道番組も風前の灯火なのだろう。あとは、ニュース23だが、こちらにも官邸の手が回っているのは確実だ。現在、悪い中でも幾分良心的な報道に心掛けているのが、毎日新聞とTBSと云うのも奇妙な按配だ。小沢一郎関連では、最も先鋭的報道を心掛けた毎日系が、ここに来て一番安定的報道をしていると云うのも皮肉だ。創価学会との絡みが、こういう時に歯止めと云うのも、なんだかな?と思うわけである。本当に、日本のマスメディアは、このまま立ち枯れするのだろうか。
NHKなどの会長の籾井ナンタラ云う男に至っては、中期経営計画の説明のため出席した席において、「過去の発言には責任を取らない」と開き直り、醜き顔を一層醜くし、「なぜ蒸し返して1年前に戻るのか」「あなたが言っているのはへ理屈だ」と開き直る始末。天下の公共放送が安倍政権に完全に電波ジャックされているのだから、手に負えない(笑)。その夜、安倍首相は「日本女性エグゼクティブ協会」の会合で「稲田さんはジャンヌ・ダルクのように農協改革に取り組んだ」等とフランス政府を激怒するような言葉を軽々しく口走る始末だ。
当年をもって100歳になられる”むのたけじ氏”が嘆くわけであり、彼に真っ当な報道を見せる機会は当分来ないのだろう。どの政治分野においても、安倍政権の現在進行形の瑕疵は指摘できるわけで、いまや分野がどこであっても、政権を批判出来る課題満載だ。どこを覗いても、一定のニュース性と話題性で充満している。こういう時こそ、新しい読者を獲得するチャンスだと思うのだが、甲羅の中に首を引込め、嵐が去るのを待っているとは情けない。また、次の政権が穏当な政権であればあるほど、マスメディアはしっぺ返しのように、騒乱的に政権の足を引っ張るに違いないのだ。やはり、日本人には民主主義は無理かもしれない?以下、エコノミストの記事を引用しておく。
≪ 津波後の日本:遅々として進まない復興
■ 東北地方の復興が躓きかけている。
2011年3月11日に日本の東北地方で巨大な地震と津波、原子力発電所のメルトダウンが起きてから4年近く経つが、いまだに17万人を超える人たちが破壊された海岸沿いの仮設住宅に閉じ込められている。その1人は、津波で流された港町、陸前高田のかび臭い仮設住宅 で夫と暮らす70代の女性、ヨシダ・スミコさんだ。
この町では、ヨシダ夫妻の息子、イサオさんを含む1750人以上の人が亡くなった。イサオさんは市の職員で、ほかの人たちが高台に行くのを手助けしていた。
自宅と呼べる場所も息子のための仏壇もなく、息子をきちんと弔うことができないとヨシダさんは言う。仏壇は間に合わせのテーブルの上に置かれた写真で代用するしかない。あまりにも長い間悲しみをこらえてきたので涙が出ない、とヨシダさんは言う。
■ 刺激策による建設ブーム、建設会社は東北から東京へ
日本の安倍晋三首相は、壊滅的な被害を受けた東北は、日本経済を復活させる自身の計画の重要な試金石だと話している。実際、昨年12月の総選挙の初期の遊説は、陸前高田の学校の校庭に押し込まれた多くのプレハブ住宅団地の1つで行われた。
だが、他の国家的優先事項の方が東北地方の復興より勝っているように見える。安倍氏の金融・財政刺激策によって起こった建設ブームは、東北から建設業界の設備を吸い上げ、より実入りのいい仕事がある東京に向かわせている。
地元の人は、津波で家を失った貧しい人や高齢者がいまだに新しい家に住めずにいる時に、なぜ東京が2020年のオリンピックのために華美なスタジアムを建設するのかと疑問を投げかける。最も大きな被害を受けた県の1つ、岩手の達増拓也知事は、政府はこの地域への関心を失いつつあると言う。
東北の復興には、最初から資金とエネルギーとビジョンが必要だった。震災後の数カ月間、地元の人たちは不屈の精神を発揮し、国中からボランティアが支援に駆けつけた。約2000万トンの瓦礫はすぐに取り除かれた。
希望を抱く設計家たちは、高台に建設され、再生可能エネルギーを動力源とする新しい町の構想を描いた。東北の復興が国全体を景気低迷から救い出せるのではないかと考える人までいた。 こうした当初の期待からすると、なかなか復興が進まないことは、とてつもなく大きな落胆につながっている。沿岸部のあちこちで多くのインフラが取り替えられないままになっており、建設が計画された新たな公営住宅のうち、完成したのはわずか6つだけだ。
陸前高田の荒れ地を車で通り抜けると、カーナビの画面がすべての住宅、ガソリンスタンド、市の建物が以前立っていた場所を不気味に表示する。町はまだ、地震で1メートル沈下した土地を埋め立てるために近くの山から採取した土を運んでいる段階だ。
3700人が津波で溺死した宮城県石巻市では、新たな定住先に入居したのは150余りの世帯だけで、まだ1万2700人が仮設住宅で暮らしている。市の職員は、復興の遅れの責任の一端は、国の官僚機構にあるとしている。石巻の市長は、水田が新たな市街地用地として再区分されるのを農水省が認めるのに6カ月かかったと言う。
■ 弱まりつつある社会の結束
多くの町や村では、お金のある人が新しい家を建てるにつれ、初期の結束が弱まりつつある。世代間にも意見の相違がある。高齢の住民は沿岸の村や家 族の墓から永遠に離れるのを嫌がる。多くの人は牡蠣の養殖や漁業でいい暮らしをしていた。対照的に、若い世代は、海岸の後方の高台にある大きな統合された共同体で暮らしたいと思っている。
そのような町がいつか本当に建設されるのだろうかという疑念が、津波の前から進んでいた地域の過疎化を加速させている。津波の被害に遭った3県の中では最北端に位置する岩手の人口は、震災以降4万6000人、率にして3%近く減少している。
震災後、国は5年間で25兆円を投じると約束した。だが、国の制度が、多くの公的資金が被災者に直接届くのを邪魔している。家を失った人は、最大300万円まで支援金を受け取ることができる(多くの家は保険に入っていなかった)。
だが、多くの人は経済的苦境に陥っており、流された家の住宅ローンを今も払い、貧しすぎて新しい町に移転する予定の共同体に参加できないことが多い。
一方、何を建設するのかを選別するのは、地元の役人や中央政府よりもむしろ、建設会社の経営者であることが多い。陸前高田の市役所が最近、新たな 中学校建設の入札に参加するよう各社に要請したところ、開発業者は予算が3割以上少なすぎると言い、この計画は実現しなかった。その1つの結果として、地元の銀行は使われない政府の資金を抱え込んでいる。 1360人以上が亡くなった港町、気仙沼では、避難者用の公営住宅の最初の団地が開設されたばかりだ。建設会社は大抵このような住宅を建設するのを断っている、と菅原茂市長は言う。
国の復興庁は、プロジェクトの予算は妥当だと主張する。だが、人件費と建材費が高騰し、よそで建設ブームが起きているため、建設会社は引き受ける仕事をえり好みすることができる。
■ 防潮堤は本当に必要なのか?
例えば気仙沼では、人口6万7000人の町のために70余りの新たな防潮堤が計画されており、建設会社は最初の防潮堤に喜んでコンクリートを流し込んでいる。これらの防潮堤は、最大で幅90メートル、高さ15メートルの壁で、国が2001年に東北の海岸を守るために必要と判断したものだ。これらの 防潮堤には最大1兆円がつぎ込まれる予定になっている。
だが、これらの防潮堤は、別のところでもっと有効に使える資金を使い果たしている。巨大な建造物は、評判も良くなければ、あまり役にも立たない。 国土交通省でさえ、計画された防潮堤では4年前の地震と津波に対処できなかっただろうと認めている。地元の指導者たちは、防潮堤を進めているのは、国がそれを強く要求したことが主な原因だと言う。
津波で母親と家を失った後、陸前高田の住民を助けるためにNPOを立ち上げた伊藤英さんによると、避難者に関しては、彼らの新しい住宅建設の本当 の期限は2020年だということになるかもしれない。というのも、オリンピックの時に彼らがまだ仮設住宅に住んでいたら、「外国人がどう思うか」と伊藤さんは疑問に思うからだ。
≫(© 2015 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved. *英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。 英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。)
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