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安倍晋三政権の政策が功を奏して巨大企業は大儲けしているようだ。必然的にそうした企業では経営者たちが資産を増やし、官僚たちへも天下りという仕組みでカネが流れていく。広告/コマーシャルという形でマスコミも潤い、企業の太鼓持ちのような学者たち、世間では「権威」と呼ばれている人びとも豊かな生活を送ることができる。
しかし、それに反比例して庶民は貧困化している。トリクルダウン理論などは事実の裏付けがない戯言。集中した富は地下へ潜り、投機市場/カジノで吹き出す。庶民はカネを巻き上げられるだけでなく、憲法が保障している基本的な権利を取り上げられ、さらには命を差し出せと言われることになりそうだ。
日本のエリートはアメリカ、その中でもネオコン/シオニストや戦争ビジネスといった好戦派の影響下にある。その好戦派はリチャード・ニクソンが言うところの「凶人理論」に従って動いている。何をしでかすかわからないと相手に思わせれば、自分たちの思い通りにすることができるという考え方で、ロシアや中国に対しても戦争を仕掛ける姿勢を見せて脅している。
恐怖で脅して支配しようというわけで、一種のテロリズム。アメリカの支配層はテロリストだと言えるだろう。控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないとコンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューの中で語っている。
アメリカと緊密な関係にあるイギリスも好戦的で、ウィンストン・チャーチルはドイツが1945年5月に降伏した直後、JPS(合同作戦本部)に対し、ソ連を奇襲攻撃する作戦の立案を命じている。そして出来上がったプランによると、数十万人の米英軍が再武装したドイツ軍約10万人を引き連れて奇襲攻撃することになっていた。「アンシンカブル作戦」である。この作戦を参謀本部は拒否、実行されなかったが、チャーチル政権はドイツに代わってソ連を潰そうとしたのだ。
この作戦が作成される前の月にアメリカではフランクリン・ルーズベルト大統領が執務中に急死、副大統領だったハリー・トルーマンが大統領に昇格していた。上院議員時代、トルーマンは「ドイツが勝ちそうに見えたならロシアを助け、ロシアが勝ちそうならドイツを助け、そうやって可能な限り彼らに殺させよう」と提案した人物で、ルーズベルトとは違う考え方をしていた。
大統領になったトルーマンは日本への原爆投下を承認、1945年10月にトルーマンはソ連に原爆を開発することはできないと物理学者のロバート・オッペンハイマーに対し、言い放っている。核兵器の基本原理は広く知られている事実であり、ソ連が原爆を開発するのは時間の問題だという科学者の認識が気に入らなかったようだ。
アメリカ支配層の内部には、原爆を使ってソ連を殲滅しようと考える人たちがいた。例えば、1949年に出された統合参謀本部の研究報告では70個の原爆をソ連へ落とすことになっていた。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信社、1994年)
1955年にアメリカは2280発の核兵器を保有、57年になると軍はソ連に対する先制核攻撃計画をスタートさせる。1963年の後半にソ連を核攻撃することになっていたという。その頃には先制攻撃に必要なICBMを準備でき、ソ連に完勝できると信じていたようだ。
この計画を遂行する上で最大の障害がジョン・F・ケネディ大統領だった。亡命キューバ人にキューバを攻撃させ、引き続いてアメリカ軍を投入する計画が立てられていたが、ケネディ大統領はアメリカ軍にキューバを攻撃させなかった。キューバ軍を装ってアメリカで「テロ攻撃」を行い、無線操縦の旅客機をキューバ近くで自爆させ、キューバ軍が撃墜したと宣伝して「報復攻撃」するという「ノースウッズ作戦」も実行できなかった。
ソ連に対する先制核攻撃が予定されていた1963年の後半、大きな出来事が引き起こされた。11月にケネディがテキサス州ダラスで暗殺されたのである。この時、CIAは暗殺の背後にキューバやソ連がいるとする情報を流したが、FBIがこれを偽情報だと大統領に知らせ、核戦争は回避された。
アメリカがベトナムへ本格的な軍事介入をする切っ掛けになったトンキン湾事件が偽旗作戦だったことは決定的で、朝鮮戦争も実際はアメリカが仕掛けた可能性が高い。開戦の前から38度線の付近では1日に何度も軍事衝突が起こっていて、緊張は極度に高まっていたのだが、元特務機関員の中島辰次郎によると、開戦の数カ月前からアメリカ側の命令で秘密工作を始めている。北への帰順兵を装って内部に入り込み、将校を殺害するという工作を繰り返していたという。
開戦の2日前から韓国空軍は北側を空爆、地上軍は海州(ヘジュ)を占領している。ダグラス・マッカーサーに同行して日本にいた歴史家のジョン・ガンサーによると、朝鮮半島から入った最初の電話連絡は「韓国軍が北を攻撃した」というものだった。
ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナ、いずれもアメリカが戦争を仕掛けている。それを正当化するため、偽情報を流しているのが西側の有力メディアだ。
こうした事実を利用し、真珠湾攻撃を正当化しようとする人たちもいるが、これは明らかに間違っている。日本軍が真珠湾を奇襲攻撃したのは事実であり、それを事前にアメリカ政府が知っていたとしても、その事実は消せない。手続き上のミスという弁明も通用しない。しかも、大統領が真珠湾攻撃に関する詳しい情報を知らされていた証拠もない。そもそも、そうした事態に立ち至ったのは、「琉球処分」に始まる日本のアジア侵略が原因であり、この点を触れずに真珠湾攻撃を手前勝手に解釈するのは見苦しいかぎりだ。
琉球処分を行ったのは長州藩と薩摩藩を中心として成立したばかりの明治政府。その明治政府を成立させたクーデターの背後にはイギリスの中国(清)侵略計画がある。すでにアヘン戦争で大きなダメージを与えたものの、中国はまだ完全な植民地になっていなかった。
アヘン戦争で大儲けしたジャーディン・マセソン商会はアロー号事件(第2次アヘン戦争)の最中、1859年にトーマス・グラバーを日本へ派遣した。グラバーは1861年にグラバー商会を設立、グラバー邸は武器取引に使われ、そこには坂本龍馬、後藤象二郎、岩崎弥太郎たちも出入りしていた。1863年にはグラバーの手配で長州藩が井上聞多(馨)、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤俊輔(博文)、野村弥吉(井上勝)をイギリスへ送り出している。渡航にはジャーディン・マセソン商会の船が使われている。
1871年7月に新政府は廃藩置県を実施するが、10月に宮古島の漁民が難破して台湾に漂着すると、漁民が殺されたとして軍隊を台湾へ派遣する。その口実を正当化するため、1872年に琉球王国を潰して琉球藩を設置している。
この1872年に興味深い人物が日本へ来ている。フランス系アメリカ人で厦門の領事を務めていたチャールズ・リ・ジェンダーがその人。外務卿だった副島種臣に台湾への派兵を進めたのだ。それ以降、75年まで外務省の顧問を務めている。
リ・ジェンダーの意見を受け入れたのか、日本は1874年に台湾へ派兵、75年には李氏朝鮮の首都を守る要衝、江華島へ軍艦が派遣して挑発、「日朝修好条規」を結ばせて清国の宗主権を否定させることに成功した。同条規の批准交換にル・ジェンダーも陪席したという。このリ・ジェンダーをモデルにしたアメリカ映画が後に制作されている。トム・クルーズが主演、2003年に公開された「ザ・ラスト・サムライ」だ。この映画には渡辺謙も出演していた。こうして日本のアジア侵略は始まり、1910年には韓国を併合する。
この年、「天皇暗殺を計画した」として社会主義者、無政府主義者など多数を逮捕、非公開裁判で幸徳秋水など24名に死刑判決(処刑は12名)が出ている。いわゆる「大逆事件」だ。すでに自由民権運動を弾圧していたが、アジア侵略の本格化を前にして反対勢力をでっち上げ事件で叩こうとした可能性が高い。1911年に警視庁は特別高等課を設置している。
アメリカが日本の支配者として姿を現すのは1923年、関東大震災のときだ。大きな被害を受けた日本は復興資金を調達するためにアメリカの巨大金融資本、JPモルガンに頼ったのだが、それ以降、日本はウォール街の影響下に入った。1925年には「治安維持法」が制定され、思想統制は強まる。
1931年に柳条湖の近くで日本軍が満鉄の線路を爆破するという偽旗作戦で「満州事変」を開始するが、その翌年にアメリカで大きな出来事が起こる。大統領選挙でウォール街が推していた現職のハーバート・フーバーが反ファシストでウォール街への規制を主張していたフランクリン・ルーズベルトに敗れたのである。1933年から34年にかけてJPモルガンを中心とする巨大資本は反ルーズベルトのクーデターを計画したが、スメドリー・バトラー退役少将の議会証言などで発覚、実行されなかった。
1932年にアメリカ大使として日本へ赴任してきたジョセフ・グルーはモルガン財閥総帥の親戚であり、妻は大正天皇の妻、貞明皇后(九条節子)と親しい。戦後、グルーは日本を「右旋回」させたジャパンロビーの中心的存在になる。つまり、ルーズベルト当選前のアメリカとルーズベルト急死後のアメリカはつながり、日米関係の構図は同じだ。
現在、安倍政権はネオコンの強い影響下にある。前にも本ブログで書いたが、昨年2月にラスベガス・サンズを所有するシェルダン・アデルソンは日本に100億ドルを投資したいと東京で語り、その翌月に安倍首相は衆議院予算委員会でカジノを含む「統合型リゾート(IR)」に前向きの発言をした。そして5月、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は日本政府高官に対し、アデルソンへカジノのライセンスを速やかに出すよう求めたとイスラエルのハーレツ紙が2月5日付け紙面で伝えた。
しかし、それに反比例して庶民は貧困化している。トリクルダウン理論などは事実の裏付けがない戯言。集中した富は地下へ潜り、投機市場/カジノで吹き出す。庶民はカネを巻き上げられるだけでなく、憲法が保障している基本的な権利を取り上げられ、さらには命を差し出せと言われることになりそうだ。
日本のエリートはアメリカ、その中でもネオコン/シオニストや戦争ビジネスといった好戦派の影響下にある。その好戦派はリチャード・ニクソンが言うところの「凶人理論」に従って動いている。何をしでかすかわからないと相手に思わせれば、自分たちの思い通りにすることができるという考え方で、ロシアや中国に対しても戦争を仕掛ける姿勢を見せて脅している。
恐怖で脅して支配しようというわけで、一種のテロリズム。アメリカの支配層はテロリストだと言えるだろう。控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないとコンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューの中で語っている。
アメリカと緊密な関係にあるイギリスも好戦的で、ウィンストン・チャーチルはドイツが1945年5月に降伏した直後、JPS(合同作戦本部)に対し、ソ連を奇襲攻撃する作戦の立案を命じている。そして出来上がったプランによると、数十万人の米英軍が再武装したドイツ軍約10万人を引き連れて奇襲攻撃することになっていた。「アンシンカブル作戦」である。この作戦を参謀本部は拒否、実行されなかったが、チャーチル政権はドイツに代わってソ連を潰そうとしたのだ。
この作戦が作成される前の月にアメリカではフランクリン・ルーズベルト大統領が執務中に急死、副大統領だったハリー・トルーマンが大統領に昇格していた。上院議員時代、トルーマンは「ドイツが勝ちそうに見えたならロシアを助け、ロシアが勝ちそうならドイツを助け、そうやって可能な限り彼らに殺させよう」と提案した人物で、ルーズベルトとは違う考え方をしていた。
大統領になったトルーマンは日本への原爆投下を承認、1945年10月にトルーマンはソ連に原爆を開発することはできないと物理学者のロバート・オッペンハイマーに対し、言い放っている。核兵器の基本原理は広く知られている事実であり、ソ連が原爆を開発するのは時間の問題だという科学者の認識が気に入らなかったようだ。
アメリカ支配層の内部には、原爆を使ってソ連を殲滅しようと考える人たちがいた。例えば、1949年に出された統合参謀本部の研究報告では70個の原爆をソ連へ落とすことになっていた。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信社、1994年)
1955年にアメリカは2280発の核兵器を保有、57年になると軍はソ連に対する先制核攻撃計画をスタートさせる。1963年の後半にソ連を核攻撃することになっていたという。その頃には先制攻撃に必要なICBMを準備でき、ソ連に完勝できると信じていたようだ。
この計画を遂行する上で最大の障害がジョン・F・ケネディ大統領だった。亡命キューバ人にキューバを攻撃させ、引き続いてアメリカ軍を投入する計画が立てられていたが、ケネディ大統領はアメリカ軍にキューバを攻撃させなかった。キューバ軍を装ってアメリカで「テロ攻撃」を行い、無線操縦の旅客機をキューバ近くで自爆させ、キューバ軍が撃墜したと宣伝して「報復攻撃」するという「ノースウッズ作戦」も実行できなかった。
ソ連に対する先制核攻撃が予定されていた1963年の後半、大きな出来事が引き起こされた。11月にケネディがテキサス州ダラスで暗殺されたのである。この時、CIAは暗殺の背後にキューバやソ連がいるとする情報を流したが、FBIがこれを偽情報だと大統領に知らせ、核戦争は回避された。
アメリカがベトナムへ本格的な軍事介入をする切っ掛けになったトンキン湾事件が偽旗作戦だったことは決定的で、朝鮮戦争も実際はアメリカが仕掛けた可能性が高い。開戦の前から38度線の付近では1日に何度も軍事衝突が起こっていて、緊張は極度に高まっていたのだが、元特務機関員の中島辰次郎によると、開戦の数カ月前からアメリカ側の命令で秘密工作を始めている。北への帰順兵を装って内部に入り込み、将校を殺害するという工作を繰り返していたという。
開戦の2日前から韓国空軍は北側を空爆、地上軍は海州(ヘジュ)を占領している。ダグラス・マッカーサーに同行して日本にいた歴史家のジョン・ガンサーによると、朝鮮半島から入った最初の電話連絡は「韓国軍が北を攻撃した」というものだった。
ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナ、いずれもアメリカが戦争を仕掛けている。それを正当化するため、偽情報を流しているのが西側の有力メディアだ。
こうした事実を利用し、真珠湾攻撃を正当化しようとする人たちもいるが、これは明らかに間違っている。日本軍が真珠湾を奇襲攻撃したのは事実であり、それを事前にアメリカ政府が知っていたとしても、その事実は消せない。手続き上のミスという弁明も通用しない。しかも、大統領が真珠湾攻撃に関する詳しい情報を知らされていた証拠もない。そもそも、そうした事態に立ち至ったのは、「琉球処分」に始まる日本のアジア侵略が原因であり、この点を触れずに真珠湾攻撃を手前勝手に解釈するのは見苦しいかぎりだ。
琉球処分を行ったのは長州藩と薩摩藩を中心として成立したばかりの明治政府。その明治政府を成立させたクーデターの背後にはイギリスの中国(清)侵略計画がある。すでにアヘン戦争で大きなダメージを与えたものの、中国はまだ完全な植民地になっていなかった。
アヘン戦争で大儲けしたジャーディン・マセソン商会はアロー号事件(第2次アヘン戦争)の最中、1859年にトーマス・グラバーを日本へ派遣した。グラバーは1861年にグラバー商会を設立、グラバー邸は武器取引に使われ、そこには坂本龍馬、後藤象二郎、岩崎弥太郎たちも出入りしていた。1863年にはグラバーの手配で長州藩が井上聞多(馨)、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤俊輔(博文)、野村弥吉(井上勝)をイギリスへ送り出している。渡航にはジャーディン・マセソン商会の船が使われている。
1871年7月に新政府は廃藩置県を実施するが、10月に宮古島の漁民が難破して台湾に漂着すると、漁民が殺されたとして軍隊を台湾へ派遣する。その口実を正当化するため、1872年に琉球王国を潰して琉球藩を設置している。
この1872年に興味深い人物が日本へ来ている。フランス系アメリカ人で厦門の領事を務めていたチャールズ・リ・ジェンダーがその人。外務卿だった副島種臣に台湾への派兵を進めたのだ。それ以降、75年まで外務省の顧問を務めている。
リ・ジェンダーの意見を受け入れたのか、日本は1874年に台湾へ派兵、75年には李氏朝鮮の首都を守る要衝、江華島へ軍艦が派遣して挑発、「日朝修好条規」を結ばせて清国の宗主権を否定させることに成功した。同条規の批准交換にル・ジェンダーも陪席したという。このリ・ジェンダーをモデルにしたアメリカ映画が後に制作されている。トム・クルーズが主演、2003年に公開された「ザ・ラスト・サムライ」だ。この映画には渡辺謙も出演していた。こうして日本のアジア侵略は始まり、1910年には韓国を併合する。
この年、「天皇暗殺を計画した」として社会主義者、無政府主義者など多数を逮捕、非公開裁判で幸徳秋水など24名に死刑判決(処刑は12名)が出ている。いわゆる「大逆事件」だ。すでに自由民権運動を弾圧していたが、アジア侵略の本格化を前にして反対勢力をでっち上げ事件で叩こうとした可能性が高い。1911年に警視庁は特別高等課を設置している。
アメリカが日本の支配者として姿を現すのは1923年、関東大震災のときだ。大きな被害を受けた日本は復興資金を調達するためにアメリカの巨大金融資本、JPモルガンに頼ったのだが、それ以降、日本はウォール街の影響下に入った。1925年には「治安維持法」が制定され、思想統制は強まる。
1931年に柳条湖の近くで日本軍が満鉄の線路を爆破するという偽旗作戦で「満州事変」を開始するが、その翌年にアメリカで大きな出来事が起こる。大統領選挙でウォール街が推していた現職のハーバート・フーバーが反ファシストでウォール街への規制を主張していたフランクリン・ルーズベルトに敗れたのである。1933年から34年にかけてJPモルガンを中心とする巨大資本は反ルーズベルトのクーデターを計画したが、スメドリー・バトラー退役少将の議会証言などで発覚、実行されなかった。
1932年にアメリカ大使として日本へ赴任してきたジョセフ・グルーはモルガン財閥総帥の親戚であり、妻は大正天皇の妻、貞明皇后(九条節子)と親しい。戦後、グルーは日本を「右旋回」させたジャパンロビーの中心的存在になる。つまり、ルーズベルト当選前のアメリカとルーズベルト急死後のアメリカはつながり、日米関係の構図は同じだ。
現在、安倍政権はネオコンの強い影響下にある。前にも本ブログで書いたが、昨年2月にラスベガス・サンズを所有するシェルダン・アデルソンは日本に100億ドルを投資したいと東京で語り、その翌月に安倍首相は衆議院予算委員会でカジノを含む「統合型リゾート(IR)」に前向きの発言をした。そして5月、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は日本政府高官に対し、アデルソンへカジノのライセンスを速やかに出すよう求めたとイスラエルのハーレツ紙が2月5日付け紙面で伝えた。
現在、ネタニヤフはアデルソンの指示で動いているとも言われているが、その一方でモサドなどとの関係は良くないという。好戦的な政策がイスラエルを窮地に追い込むと情報機関は判断、暴走にブレーキをかけようとしているようだが、アメリカでアクセルを踏み込んでいるグループがあり、止まりそうもない。