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拉致調査の早期報告を要求 日朝、1月末に非公式協議
政府内、焦りにじむ
北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査を巡り、日本政府が膠着打開を探っている。1月末に外務省の伊原純一アジア大洋州局長が中国・上海を訪れ、北朝鮮の政府関係者と非公式協議を開いていたことが分かった。迅速に調査結果を報告するよう求めたとみられる。昨年7月から1年以内をめどとした調査は開始後半年以上が過ぎ、政府内には焦りがにじむ。
日朝の政府間協議の開催が明らかになったのは、昨年10月に平壌で開いた協議以降初めて。伊原氏は北朝鮮側に10月以降の調査の進捗を確認し、拉致問題を最優先で取り組むよう改めて強調したもようだ。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部ビルが継続使用される見通しとなった経緯も話題に上った可能性がある。
北朝鮮は昨年7月の調査開始以降、初回の報告時期を次々と先送りしてきた。調査開始にあたり日本側は見返りとして対北朝鮮制裁を一部解除し、北朝鮮は昨年の「夏の終わりから秋の初め」に初回報告をすることで合意した。だが、9月に「現時点では初期段階を超える説明はできない」と一方的に伝えてきた。
昨年10月の協議では、北朝鮮は「過去の調査結果にこだわらず、新しい角度から調査を深める」と説明。日本側は結果を随時報告するよう強く迫った。その時点で、日本側は報告を「常識的には(昨)年内」(菅義偉官房長官)とみていた。
だが、その後も北朝鮮からの報告がないまま公式協議は途絶えた。菅長官は12日の記者会見で、理由について「北朝鮮の事情なのだろう」と述べるにとどめた。
報告時期が越年した背景には、複数の要因が推測されている。昨年12月には日本国内で衆院選が実施されたほか、国連総会では日本が欧州連合(EU)と共同提案した北朝鮮の人権侵害を非難する決議を採択した。
昨年末には、ソニーの米映画子会社への北朝鮮のサイバー攻撃で米朝の対立が深まった。厳しい国際環境で北朝鮮内の緊張が高まったほか、北朝鮮側が日本の情勢や出方を様子見していた、などの見方が出ている。
朝鮮総連のビルの競売問題も事態の膠着の一因とされていた。だが、競売で所有権を得た不動産業者が別の不動産業者に転売する契約を結んだことが今年1月に判明した。総連の関連会社が融資した可能性が高いとみられ、総連はビルを継続使用できる見通しとなり、状況は変化している。
昨年10月の日朝協議で、日本政府は北朝鮮の提案に応じ、国内の慎重論を押し切る形で政府代表団の派遣に踏み切った。協議には再調査の責任者である徐大河(ソ・デハ)特別調査委員長ら幹部が勢ぞろいし、調査委の建物も公開されたが、調査への取り組みを印象づけたい北朝鮮のアピールだったとの見方もある。
政府としては、北朝鮮から少しでも早く報告を引き出し、拉致被害者家族らの不安や不満を払拭したい考え。菅長官は12日の記者会見で、どのように早期報告を実現するかについて「現時点で決まっていることは全くない。引き続き迅速に調査を行い、速やかに正直に我が方に通報するよう強く求めていきたい」と強調した。
[日経新聞2月13日朝刊P.4]
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