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悪い事は言わない。産経と曽野綾子氏は即刻、全面謝罪すべきだ
http://www.amakiblog.com/archives/2015/02/15/#003138
2015年02月15日 天木直人のブログ
私は見落としていたのだが、作家の曽野綾子氏が2月11日の産経新聞紙上に掲載された自らの連載コラム「曽野綾子の透明な歳月の光」の中で、次のような事を書いていたらしい。
すなわち、「労働力不足と移民」というテーマの意見の中で、介護の労働移民について条件付きで容認した上で、南アフリカで人種差別が廃止されても生活慣習の違いから分かれて住むようになった例を挙げて「住まいは別にした方がいい」と書いたというのだ。
これまずい。
外務省でアパルトヘイト問題を担当していた者として直感的にそう思う。
「分離しても平等であれば文句はないだろう」というのは、アパルトヘイト論者の常套句であり、その考え自体がアパルトヘイトの根幹をなすものとして、当時大いに批判された。
南ア大使がこの記事を掲載した産経新聞に直ちに抗議したのは当然すぎる。
もし、産経新聞と曽野綾子氏が全面的に非を認め誠意ある謝罪をすれば、この問題はこれ以上発展せずに終わるだろう。
しかし、産経新聞は、きょう2月15日の紙面で、これは曽野綾子氏の個人の意見を載せただけだ、コラムについて様々意見があるのは当然だ、と逃げている。
曽野綾子に至っては、私はアパルトヘイト政策を日本で提唱してなどいません、生活習慣の違う人間が一緒に住む事は難しい、という個人の経験を書いているだけです、と開き直っている。
愚かで危うい。
もし、これらの言い訳がさらなる議論を呼び、アフリカ諸国の大使がこの抗議に参加し、あるいは在日特派員の誰かがこの問題を海外に配信し、ひろく世界が知る事になると、大問題に発展するだろう。
おりしも米国で黒人差別が大問題となっている。
世界は差別とそれに反対する者たちの争いの応酬となっている。
産経新聞は韓国大統領に対する名誉棄損記事で、いまでも韓国政府に訴えられている。
この問題は、最悪の場合は安倍政権批判につながっていく。
悪い事は言わない。
産経新聞と曽野綾子氏は、即刻、全面的に非を認めて誠意ある謝罪を行うべきだ。
最悪の政権の下で、最悪のタイミングで、最悪の失言、暴言がなされ、それを最悪のメディアが掲載した。
そう言われないように、これ以上、この問題が騒がれないことを願うばかりである(了)
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