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ヨルダンの首都アンマンの日本大使館前で行われた後藤さんと湯川さんの産追悼集会で、ろうそくに火をともす人たち=2日(ロイター)
【イスラム国事件】「交渉ルートなし」「応答なし」揺れた日本政府
http://www.sankei.com/premium/news/150214/prm1502140012-n1.html
2015.2.14 06:00 産経新聞
卑劣な犯行が日本に衝撃を与えたイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人人質事件は、フリージャーナリスト、後藤健二さんの「殺害」という最悪の結末を迎え、8日で1週間が経った。テロとの戦いは、たとえ人道支援だとしても、国際テロの標的になる新たな局面に入ったのか。身代金や身柄交換要求でいや応なく突き付けられた「命の重さ」。国家として救出責任をどう果たすべきかでも揺れ続けた。問いは安倍晋三首相、政府だけでなく、国民に重くのし掛かる。経過をまとめた。
■昨年8月に一報
政府は昨年8月中旬、湯川遥菜さんがシリア北部でイスラム国に拘束されたとの情報を受け、隣国ヨルダンにある大使館に現地対策本部、官邸に情報連絡室をひそかに設置した。
首相は情報収集を指示したが、湯川さん拘束情報や安否の確認は難航した。イスラム国は米軍が空爆対象とする過激派組織で、日本との接点は「皆無」(外務省筋)。警察当局と連携したが、「芳しい成果は得られなかった」(外務省筋)という。
湯川さん捜索でイスラム国入りを目指すとの後藤さんの動きを察知した外務省は9〜10月に電話や面接を通じて3回にわたり渡航見直しを要請した。翻意を促せず、後藤さんはトルコ南部キリスの国境検問所からシリア入り。イスラム国が「首都」とする北部ラッカへ向かったとされ、その後、消息を絶った。
後藤さんの妻に、犯人側から電子メールが届いたのは11月。妻が12月初旬に不審なメールを開封すると、英語で後藤さんを拘束したとの内容が記されていた。外務省は12月3日、妻からの連絡を受け「後藤さんが何者かに拘束された可能性が高い」(岸田文雄外相)と把握した。
犯人側は今年1月まで計十数通メールを送りつけてきた。後藤さんと家族しか知り得ない「秘密の暴露」の内容が入っており、ユーロ建てで20億円超を要求してきた。
■ビデオ映像で一変
「リスクは頭にあったが、突っ込んだ話は出なかったと思う」。政府筋は、首相による今年1月の中東訪問直前の官邸の雰囲気をこう振り返る。
日本人2人を拘束したイスラム国が身代金要求の口実とした中東訪問を控えた1月上旬の官邸。首相は外務省の上村司中東アフリカ局長と複数回にわたり現地での各国首脳会談や演説内容について打ち合わせた。主な議題は中東支援策の中身だったとされる。
この時点で官邸は、後藤さんが拘束されたとする外務省の報告を受けていた。後藤さんの行動に関し「どんなに使命感が高くても、真の勇気ではなく蛮勇と言わざるを得ない」(自民党の高村正彦副総裁)と受け止める空気が政府内に漂っていたのは間違いない。
1月20日。政府内のムードが一変する。ナイフを手にした覆面男が後藤さんと湯川さんの2人をひざまずかせたビデオ映像。エジプトを訪問中の17日に首相がイスラム国対策として表明した支援と同額の2億ドルの身代金支払いを迫った。
■応答得られず
日本側はヨルダンやトルコ、宗教指導者、部族長などあらゆるルートを通じ、日本人解放を模索した。後藤さんの妻から得た犯人側のメールアドレスを使い接触も試みたが、「全く応答はなかった」(関係者)。犯人側は一切、日本との直接交渉に応じなかった。
最初の身代金要求の期限が経過した24日夕。首相はヨルダンのアブドラ国王との電話会談で、昨年12月に拘束され、ヨルダン側が解放を求めていた同国空軍パイロットとともに、後藤さんの解放を働き掛けるよう要請し、国王は協力を約束した。
2回目の画像声明に先立つ24日午前。政府は湯川さんを「殺害」したとし、次の要求をヨルダンに収監中の女死刑囚の釈放とする内容を事前に把握。後藤さんの救出に全力を挙げる必要があると判断し、緊急の電話首脳会談につなげた。
その後、ヨルダン側は日本の意向を受け、パイロットと後藤さんの双方と、死刑囚の身柄の「1対2」、イスラム国側の犯罪者を加えた「2対2」交換を材料に妥結点を探った。トルコは、後藤さんらが拘束されていた場所の情報を日本に提供したという。
外交努力が続く中、後藤さん「殺害」映像が流れる2月1日となった。「被害者家族や日本をもてあそぶような悪質極まりないテロ。しかし追跡は不能で交渉ルートもなかった」。政府関係者はこう振り返った。
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