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施政方針演説の原稿には4人の先達の名言が並んでいた photo Getty Images
施政方針演説では先人の名言を4つも引用。安倍首相は「前と違って」こんなに本を読んでいる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42116
2015年02月14日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
安倍晋三首相は2月12日、第189回国会の総理大臣施政方針演説で岩倉具視、岡倉天心、吉田松陰、吉田茂4人の先達の言葉を引用した。
■安倍首相本人が4人の先達の引用を決めたのか?
先ず、岩倉具視。施政方針演説を引用する(以下、同じ)。
「明治国家の礎を築いた岩倉具視は、近代化が進んだ欧州列強の姿を目の当たりにした後、このように述べています。『日本は小さな国かもしれないが、国民みんなが心を一つにして、国力を盛んにするならば、世界で活躍する国になることも決して困難ではない』―明治の人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません」
次は、岡倉天心。
「『変化こそ唯一の永遠である』―明治時代、日本画の伝統に新風を持ち込み、改革に挑んだ岡倉天心の言葉です。伝統の名の下に、変化を恐れてはなりません。農業は、日本の美しい故郷を守ってきた、『国の基』であります。だからこそ、今、『変化』を起こさねばならない」
3人目は、安倍首相の地元・選挙区=長州の吉田松陰。
「『知と行は二つにして一つ』―何よりも実践を重んじ、明治維新の原動力となる志士たちを育てた、吉田松陰先生の言葉であります。成長戦略の実行。大胆な規制改革によって、生産性を押し上げ、国際競争力を高めていく。オープンな世界に踏み出し、世界の成長力を取り込んでいく。為すべきことは明らかです」
そして最後が、吉田茂元首相である。「『日本国民よ、自信を持て』―戦後復興の礎を築いた吉田茂元総理の言葉です。昭和の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。私は、この議場にいる全ての国会議員の皆さんに、再度、呼びかけたいと思います。全ては国民のため、党派の違いを超えて、選挙制度、定数削減を実現させようではありませんか。憲法改正に向けた国民的な議論を深めていこうではありませんか」
これらの言葉を読んだ国民の多くは、果たしてスピーチライターは安倍首相自身の指示によって件の引用を施政方針演説に盛り込んだのだろうか、と疑問を覚えたのではないか。
■三島由紀夫を再読中
演説草稿を準備する過程で安倍首相を始め、今井尚哉首相秘書官(政務担当)、谷口智彦内閣官房参与(慶應義塾大学大学院教授)ら首相周りを交えた論議があったのは想像に難くない。が、最後は安倍首相の強い意向が反映したものと思われる。
では、安倍首相は彼ら先達の著作を実際に読んでいるのか。答えはイエスである。筆者もかつて首相周辺から安倍首相の読書量が半端なものではないと聞かされた時、正直言って、驚いたものだ。
吉田松陰を引用したことでも分かるように、安倍首相は明治維新の原動力となった志士を育てた吉田や高杉晋作に関する書籍を殆ど読破している。これは理解出来る。だが長州で言えば、1930年に亡くなった歌人・金子みすゞの歌を読み込んでおり、諳んじているほどなのだ。
政治の世界の先達に関して言えば、昨年夏の中南米5ヵ国歴訪の際、チリの首都サンティアゴ滞在中に同行記者団との内政懇談で、安倍首相は、当時の最大の関心事であった内閣改造・自民党役員人事について質問された。冒頭、「私は、白さも白しアンデスの山の白雪のように白紙です」と答えたのだ。残念ながら同行記者がこの言葉の持つ意味を理解できず報道されなかったため、永田町では安倍発言は注目を集めなかった。
しかし、この言葉は実に意味深長であった。話は1957年の自民党総裁選まで遡る。出馬したのは祖父・岸信介元首相(当時:自民党幹事長)、石橋湛山元首相(当時:通産相)、石井光次郎総務会長(当時)の3人。岸は党内で旗幟を鮮明にしていなかった大野伴睦元副総裁に支援を求めたが、大野は岸に対して「私の心境は、白さも白し富士の白雪のように白紙だ」と答えた。だが、大野は既に石橋湛山(当時は通産相)との間に密約があり、石橋を推したのだ。
この辺の事情は『大野伴睦回想録』(62年刊行)に詳しい。つまり、安倍首相は同書を始め、『岸信介回想録』『岸信介証言録』を熟読している。それだけではない。最近は、三島由紀夫の『豊饒の海』(全4巻)を再読しているし、門田隆将の『狼の牙を折れ』などサスペンスも読んでいるのだ。公邸泊まりの場合、眠る前1時間ほどは読書かビデオ鑑賞に当てているという。
施政方針演説に引用された言葉は、安部首相自身が読んだ本の中で、得心がいった箇所をメモした部分から来ているようだ。密やかに話題となる「安倍ノート」である。現在の安倍晋三は従前の安倍晋三ではない。
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