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零細農家を根こそぎ滅ぼす農協改革 日本経済一歩先の真相/高橋乗宣
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157160
2015年2月13日 日刊ゲンダイ
安倍政権がデフレ下で凍結してきた年金抑制策「マクロ経済スライド」を4月から初めて実施する。この先、年金支給額の伸び率は物価上昇率より低く抑えられる。世界史上例を見ない急速な少子高齢社会を考慮すると、この抑制策を歓迎するわけではないが「一つの解」とは言えよう。
深刻なのは年金の担い手不足だ。ただでさえ、数の少ない若年層は低賃金の非正規雇用が多く、高齢者を支える力は衰えゆくばかりだ。政府もやっと出産・育児の環境整備に重い腰をあげたが、遅きに失した。高齢化の猛烈な勢いに対策が追い付かず、年金制度は早晩、崩壊しかねない。
歴代政権が長年、「担い手不足」を放置したために崩壊の危機に瀕しているのは、日本の農業も一緒である。
政府・自民党はJA全中の改革案を決定。近く農協法の改正案を国会に提出する。安倍政権はいわゆる「岩盤規制」を打ち砕くことを目指しており、「60年ぶりの改革」に血気盛んなようだが、その60年の間に農業は衰退の一途をたどった。
担い手不足によって著しい高齢化が進み、今や農家の平均年齢は66.1歳に達している。地方に行けば、いやが応でも耕作放棄地を目にする。土地は荒れ放題で、もはや持ち主すら分からないケースも多い。このような惨状から、岩盤規制を崩すだけで日本の農業は本当によみがえるのだろうか。
安倍首相の「農業を元気な産業に変えていく」という意気込みは結構なことだが、問題は変化のプロセスだ。安倍政権はJA全中の権限を弱めることで、地域の農家の経営の自由度を高め、農業の大規模経営を目指す企業の参入も促そうとしている。この方針は自由競争という荒波に地域の農家をいきなり放り込むようなものだ。
どうやれば農産物に付加価値をつけ、農業を儲かる産業に変えていけるのか。安倍政権はその道筋を示そうとしない。具体的なアイデアは、あくまで地域の農家の自主性に任せきりだ。そのうえ、TPP交渉では米国から門戸開放をせっつかれ、安い輸入農産物が大量に押し寄せてくる恐れもある。
これでは一握りの大規模農家が潤うことはあっても、小規模の零細農家は押し潰されてしまう。日本の農業が苦境に立たされながら、何とか維持してきたのは、地方に数多い家族経営の零細農家のおかげである。安倍政権は彼らの努力に配慮しなければ、岩盤規制どころか、日本の農業そのものを根こそぎ壊滅させかねない。
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