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2015年2月12日
油井大三郎著『好戦の共和国米国−戦争の記憶をたどる』
を改めて読み直す必要がある。
ここには、「謀略の国」米国の歴史の真実が印されている。
1.1898年の米西戦争
キューバ情勢が緊迫していた最中、ハバナ港に停泊中の米軍艦メイン号が突然沈没し、米兵260人が死亡した。
原因は不明だったが米海軍がスペイン軍からの攻撃を示唆したためにメディアが扇動的な報道を繰り返し、スペインとの開戦を支持する世論が形成された。
用いられたスローガンは「メイン号を忘れるな」であった。
しかし、のちの調査で、メイン号沈没の原因がスペイン軍からの攻撃ではなく、軍艦内部の事故によることが判明した。
「事故」だったのか「事件」だったのか。
「自殺」の多数が、実は「他殺」であることを私たちは知っておかねばならない。
2.1941年12月8日の日本軍によるハワイ・パールハーバー攻撃に端を発する太平洋戦争
日本の外務省ワシントン大使館の不手際で日米交渉終結通知が攻撃1時間後に米国国務省に届けられた。
このために、「だまし討ち」とのスローガンが流布された。
NBCラジオ番組を担当したサミー・ケイが「リメンバー・パールハーバー」という曲を作り、このフレーズが米国参戦を正当化する大義名分に使用された。
しかし、日米開戦は米国が仕向けた戦略上に発生したものである。
パールハーバーへの攻撃情報も米国は事前に入手していたことが明らかにされている。
さらに、日本軍内部に米国と通じる勢力が存在していたとの疑いも濃厚に存在している。
3.1964年に始まったベトナム戦争本格化
その引き金を引いたのは、同年8月2日に米軍が北ベトナムから攻撃を受けたとの情報だった。
ジョンソン大統領は直ちに北ベトナムへの報復攻撃を命令し、ベトナム戦争が本格化した。
しかし、1971年にニューヨーク・タイムズ紙が以下の真相を暴露した。
実際には、米軍側が戦線の行き詰まりを打破するために、意図的にトンキン湾に軍艦を侵入させて、攻撃を誘発したのである。
米国は北ベトナムへの本格軍事攻撃を正当化するために謀略工作を仕組んだのである。
4.1990年8月2日に勃発した湾岸紛争と91年1月に開始された湾岸戦争。
米国世論はクウェートの武力解放に懐疑的だったがクウェート人少女の米国下院公聴会での証言が世論の流れを変えた。
ナイラと名乗るクウェート人少女が、イラク兵がクウェートの病院で保育器の赤ん坊を投げ捨てるのを見たと証言した。メディアはこの証言を大々的に報道した。
しかし、のちに、この少女が駐米クウェート大使の娘で、その証言内容が曖昧であることが判明した。
米国はイラクに軍事侵攻した。理由は、イラクが大量破壊兵器を保持しているというものだった。
ダスティン・ホフマン主演のハリウッド映画「噂の真相」のモチーフはここから得たものだと私は考える。
『アベノリスク』(講談社)
『日本の真実』(飛鳥新社)
に記してきたように、米国の産軍複合体は、約10年に一度の大規模戦争を必要不可欠にしている。
第2次大戦後、
朝鮮戦争
ベトナム戦争
中東戦争
湾岸紛争・湾岸戦争
同時多発テロ・アフガン紛争・イラク戦争
などが演じられてきた。
冷戦終結後、ドル箱路線を失った産軍複合体が新たに創作した戦争の大義名分が「テロとの闘い」である。
そして、米国の産軍複合体の上得意客候補に挙がっているのが日本の安倍政権である。
イスラム国の出現、人質事件、イスラム国への空爆から地上戦への移行、日本の軍拡は、この文脈のなかで理解するべきものである。
戦争は必然によって発生しない。戦争は必要によって発生している。
これが「知られざる真実」である。
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