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安倍を圧倒する習近平の外交力
http://www.amakiblog.com/archives/2015/02/12/#003135
2015年02月12 天木直人のブログ
中国国営放送の新華社通信が習近平主席の9月国賓訪米を発表した。
それを、きょうの各紙が一斉に報じている。
この発表から見えてくるものがある。
一つはなぜ米国がこのタイミングにおける中国の発表を許したかだ。
それは、米国は、いまは中国との関係を重視せざるを得ないからだ。
イスラム国との戦いに地上部隊を送るかどうかの瀬戸際だ。
ウクライナ情勢をめぐってオバマとプーチンの対立は激しくなり代理戦争が始まっている。
おそらく今は米国の戦後史の中でも、最も厳しい状況下にあるといえよう。
いくら米国といえども、二正面作戦の上に、さらに中国と軍事的緊張を高める余裕はない。
つまり米国は中国との関係において圧倒的に弱い状況下にあるということだ。
二つは、習近平の9月の国賓訪米が早々と発表され、なぜ5月の安倍国賓訪米が発表されないのかということだ。
安倍首相はもちろん一日も早く発表したい。
しかし米国がまだそれを許さない。
訪米の前提となる安倍首相に対する宿題の答えが、まだ安倍首相から示されていないからだ。
ここへきて安倍首相が必死になって対米従属策を急いでいるのはそのためだ。
そして三つ目に見えてくるのが、数ある宿題の中の、最もむつかしい宿題の答えが、米中の共通の関心事であるということだ。
それこそが安倍談話である。
習近平の訪米のタイミングが9月であるところが絶妙だ。
安倍談話の発表は8月15日だ。
安倍談話の内容いかんでは、9月の習近平訪米の内容はがらりと変わる。
日本が悪者にされる。
いや、事前に報道されるであろう安倍談話の内容いかんでは、5月の安倍訪米さえ危うくなる。
そうなのだ。
このタイミングにおける中国の習近平国賓訪米の発表は、安倍談話に対する習近平の強烈なけん制なのである。
そして米国はそれを許したのだ。
習近平の外交戦略は安倍を見据えた周到で確かなものがある。
地球儀俯瞰外交とか積極的平和外交などといって遊び呆けている外交などとは訳の違う足が地に着いた外交がそこにある。
もっとも、それは当たり前の外交であって、安倍外交がふざけ過ぎているのである。
国内向けにはごまかせても、世界にはとても通用しない(了)
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